300年続く長崎獅子舞 子供たちに「ふんごみ」指導
豊島区指定無形文化財で300年以上の歴史がある民俗芸能「長崎獅子舞」が5月12日の日曜日、西武池袋線椎名町駅前の長崎神社で奉納され、たくさんの民俗芸能ファン、地元町会の皆さんで賑わった。
午前9時30分頃から長崎神社周辺の町内を練り歩きながら舞を披露する「道行」が行われ、地域はお祭りムード。神社境内では10時30分から富士元囃子と寿獅子、11時から長崎獅子舞「ふんごみ」、そのあと再び「道行」。境内では五若会「五若囃子」、千早高校「和太鼓」竹の会「かっぽれ、玉すだれ」。夕方にかけて長崎獅子舞「帯舞(おびまい)」「花巡り」「笹舞(ささまい)」「幕舞(まくまい)」「平舞(ひらまい)」などが奉納された。
道行では、千早フラワー公園、椎名町公園、椎名橋下広場、興産信用金庫前で地元子供たちが参加して「ふんごみ」指導が行われ、どの会場もたくさんの参加者でにぎわった。とくに椎名町公園会場には高野区長も駆けつけて、地元町会長ら関係者とともに子供たちを激励。集まった富士見台小の児童百数十人が威勢のいい掛け声とともに元気いっぱい「ふんごみ」体験していた。
長崎獅子舞は、元禄年間(1688年~1703年)から、五穀豊穣と悪疫退散を祈る農耕儀礼として伝承される民俗芸能。かつてこの地域(旧長崎村)が、江戸の近郊農村として発展してきた面影を残すもので、農村風景が失われた現在も、毎年5月の第2日曜日に長崎神社の祭礼で奉納されている。
龍の顔型に漆黒の鳥の羽を垂らした獅子頭をかぶり、腹に太鼓をつけた三匹の獅子が、ササラをもつ4人の花笠とともに舞う形は“一人立ち三頭獅子舞”と呼ばれる様式で、かつては関東一円に広く見られたという。
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