ウイロード改修着々 植田さん公園での公開制作終了へ
美術作家の植田志保さんが行うウイロードの天井パネル描写作業が3月8日から池袋駅前公園で着々と進んでいる。公園に設置したスタジオでの公開制作は5月29日に終了予定で、7月からはウイロード壁面への直接描写が開始される。
池袋駅北側の東口と西口を結ぶ公共地下道「ウイロード」の改修に伴い、「色」に立脚した表現活動で活躍している植田さんが、天井パネルや壁面を水性塗料で描くもの。約1年かけて地元の方々と植田さんが対話を重ね、ウイロードへの区民の想いを色にのせて表現している。
現在、45枚のパネルのうち、38枚程度まで制作が進んでいる。両面が透明なパネルで覆われ、木漏れ日が差し込むスタジオ内には、地元の方々が持ち寄った鉢植えの花々と植田さんの描いた色鮮やかな作品が飾られ、まるで植田さんのアトリエを訪れたよう。3.5m×1.7mの巨大な天井パネルが10枚並び、植田さんが筆や手で様々な色の塗料を重ねて描いている。通行中の方が興味深そうに中をのぞき見たり、植田さんに話しかける方も多く、このスタジオが公園と区民の方に馴染んでいることが伺える。
植田さんは、「昨年ウイロードを視察した際に運命的なものを感じ、どうしてもここに描かなければ、という想いを強くした」と語る。今回の制作を通し、地元の方々ともすっかり溶け込んだ植田さん。
「花や果物などの差し入れをいただいたり、直接「きれいだねぇ」と感想をいただき、区民の方と共に作っていると感じる。池袋の発展と共にあるウイロードには、区民の想いが多く、それを色として表現するのが自分の役目。パネルごとにテーマがあるが、制作中は直感を信じ、感じたままに色を重ねている。日常の中で制作の過程を見ていただくことがまさにアート。再生するウイロードも日々何気なく通る中で、5~10年後に無意識に心に届くようなものにしていきたい」と思いを語った。
今後の予定は、6月10日から6月21日までに天井パネル設置(通行止めを伴う深夜作業)。7月1日から10月頃までにウイロード内壁面描画となっている。
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