ホームページ開設以前に読んだ本ですが、あまり古い本の話をしても手に入らない事もありますんで、手に入るであろう本について、私が読んだ本の中から推薦図書を列記します。もちろん基本的に文庫本です。もちろんこれ以外にも面白い本は沢山ありましたが、どちらかというとシリーズ物で今でも手に入るであろう本に限らせていただきました。
でも、他の所であんまり宣伝されているものは意味がないんで、なるべく他で推薦していない様なのを載せています。もちろん文庫本ですから、知っている人は大勢いるとおもいますが、下の分類についてはデタラメです。
ミステリー物?
○ミセス・ポリファックス・シリーズ ドロシー・ギルマン 集英社文庫
『おばちゃまは飛び入りスパイ』から始まるシリーズ物です。普通のおばちゃまが、CIAに乗りこんで突然スパイにして下さい。と願い出るんですが、間違ってスパイ活動をさせられてしまいます。そんな馬鹿な…。と思えるんですが、そこは笑って読み下す。もちろんスパイに見えないおばちゃまの活躍やいかに…。ってな感じで何も考えずに読める、元気なおばちゃまのお話です。
○シャンディ教授シリーズ シャーロット・マクラウド 創元推理文庫・扶桑社ミステリー
『にぎやかな眠り』から始まる、やはりこれもシリーズ物です。
アリサ・クレイグという名前でも別のシリーズも書いていますが、好みとしてはシャンディ教授物の方が好きです。
登場人物の平均年齢はひょっとしたら、世界一高いかも知れません。主人公の教授でさえ、相当な年だと思うんですが、周りの人達はもっと年配の人が多く参加しています。バラクラヴァという農業大学の「かぶ」の世界的権威である主人公とその仲間ともいうべき同僚達の、年に合わない元気な様子と、変なこだわりが面白い。
ただ、このシリーズは年に1冊の刊行らしいんですが、邦訳が遅いんで、随分新作を読んでいません。
○龍臥亭事件 島田荘司 光文社文庫
これは、知る人ぞ知る御手洗潔シリーズなんですが、普通、御手洗潔シリーズは、講談社文庫から出版されていました。ここでは御手洗さんのワトソン役であった石岡さんが主人公になっています。
性格的にはちょっと問題のありそうな御手洗さんと違って、私は石岡さんの方に好感を持っています。
今までのシリーズ物は、随分厚くって、始めの半分位は事件に関係ない様な事が描きこまれていました。(本当に関係なければ書かないか?)ちょっと嫌気がさしてはいたんですが、これはそんな事は無かったです。
SF関係?
○ジャンパー(跳ぶ少年)
○ワイルドサイド(ぼくらの新世界) スティーヴン・グールド 早川文庫
この作家の物は、この2冊(各2冊組だから4冊)しか知りませんが、ポップな感覚のSFとでもいったらいいのか、テレポートを題材にしたものと、パラレルワールドを題材にしたジュヴナイルです。
どちらも、古典的なSFのテーマではありますが、冒険物好きな方にはお薦めです。
○大江戸シリーズ 石川英輔 講談社文庫
『大江戸神仙伝』から連なるこれもシリーズ物です。
現代人の洋介が江戸時代のいな吉という芸子さんを囲って、現代と江戸時代を行き来するという非常に都合の良い話ですが、江戸時代の庶民の生き方や生活などが詳しく描かれており、勉強にもなります。
作家の石川さんには、NHK教育テレビを見ていると会えるかも知れません。江戸時代の頃の方が現代よりも良かったのでは…。などと考えさせられてしまいます。
○リプレイ ケン・グルムウッド 新潮文庫
キンキキッズでは、剛君の方が好きですが、彼がテレビドラマでやっていた過去に戻る話は、これのパクリではないかとさえ思える、過去への戻りかたでした。勿論違いましたし、死ぬ日が決まっていて、段々戻る過去が現在に近づいていってしまいます。今は禁じられているポーカーの必勝法が載っていたりしますので、それを知りたいだけの人でも読んで見る価値はあると思います。
青少年向け?
○セーターになりたかった毛糸玉 津田直美 ジー・シー・プレス
これは私が自分のために買った唯一の絵本です。立ち読みして泣いてしまいました。ストーリーを説明すると、又泣いてしまいそうです。タイトル通り、セーターになりたいと思っている毛糸玉が、中々買って貰えないんですが、やっと買って貰ったのに、セット売りだったものですから、彼(男か?)を使う前にセーターが編み終わってしまい…。ってな感じの話です。ラストは感動物でした。(うるうる)
実はこれは、「飛行機を描いて欲しかったらくがき帳」の元ネタでもあります。わぁ。パクリだ。(津田さん、ごめんなさい)
○冒険者たち(ガンバと十五匹の仲間)
○グリックの冒険
○ガンバとカワウソの冒険 斎藤惇夫 講談社文庫(廃刊)・岩波少年文庫(新書版)
「ガンバの冒険」というタイトルでテレビ放映されたので、覚えている人もいると思います。ガンバ3部作です。ちょっと能天気などぶねずみのガンバが仲間達と、ノロイという白イタチをやっつけに行くという話です。
グリックの方は、主人公がシマリスになっていますが、途中でガンバ達が出演しています。
向こう見ずで、ちょっと脳天気な彼らは、夢にまっしぐらに向かっていく。自然の大切さを訴えながら、底抜けに明るい主人公達が気持ち良いです。ちなみに、テレビ化された「ガンバの冒険」以外は全て映画化されビデオも出ています。
○シッダルダ ヘルマン・ヘッセ 新潮文庫
これは、知る人ぞ知る。あまりにも有名ですから、載せるのには抵抗があったんですが、やっぱりこれだけは載せてしまいました。ヘッセの中の大好きな話です。勿論「知と愛(ナルシスとゴルトムント)」もいいですが、東洋的思考の悟りを求める探求の書である、この本が大好きです。ヘッセは勿論ノーベル文学賞を貰っておりますから、知らない人はいないと思いますが、中学なんかで習う代表作?「車輪の下」なんか屁です。でも彼の作品は難しくて「荒野のおおかみ」や「ガラス玉演義」なんかは途中で挫折した事もありました。今は新潮から出ていますが、中学生だった頃は文庫本では出版されていなくて、新書版のちょっと高い全集を買った記憶があります。そう云えば、作品名は忘れましたが未だに覚えている一説があります。こんなでした。「鳥は卵の中から生まれようと欲する。卵は世界だ。生まれようと欲する者は、ひとつの世界を破壊しなければならない…」
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