2024年1月吉日
多文化共生を目指す教育関係者の皆様
グローバル化社会の教育研究会 事務局

第87回 グローバル化社会の教育研究会のご案内

明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。

  さて、第87回グローバル化社会の教育研究会(EGS) は、フランスから一時帰国される山下 朝史さん(山下農園)に話題提供をお願いしました。 パリ郊外で “世界一美味しい野菜” を作ることで知られる方です。

  「山下農道」といわれるほど、単なる野菜作りを越えた様々な側面からの “学び” の提案…… それでいて軽妙な語り口や筆致で知られる山下さん。 自然と共存しながら、創造性や社会性、忍耐力、思考力、表現力などが養われていく “学び舎” の建設は、いよいよ現実のものとなりつつあります。
 欧州で新たな日本人高校を開校する現状はどうなのか? 最新情報を伺うとともに、その可能性や課題について話し合いたいと思います。

  なお、お申込みは 郵便振替用紙にて 参加費を払い込んでいただく方法で受け付けます。 準備の都合上、お早めにお願いします。 (受付: 1月17日まで)

               記

開催日時 :  2024年 1 月 24 日(水) 午後2時〜4時半

開催方法 :

対面式+Zoom 利用による On-Line のハイブリッド開催

[スタジオ会場] 金沢工業大学 虎ノ門Campus
         (東京都 港区 愛宕1−3−4 愛宕東洋ビル 11F)
             * 海外子女教育振興財団の上。

研修テーマ:

いまフランスに日本人高校を開く意義

 (1) 話題提供:

山 下 朝 史  (パリ山下農園 園主、山下アカデミー 代表)
1953年 東京生まれ。玉川学園高等部を卒業して 1976年に渡仏し、エコール・ド・ルーブルで学ぶ。1989年 パリ近郊シャペ村で盆栽業を営むが、1996年から「山下農園」を開業、美味しい日本野菜を出荷することで世界的に評価されている。ユニークな人生哲学でも知られ、山下アカデミーの下に農業学校、日本料理専門学校、そして日本人高校を開設準備中。著書に『パリで生まれた奇跡の日本野菜 「山下農道」の神髄』(日経BP)がある。

 (2) 自由協議:


話題提供の、ご意見・ご質問をたくさんいただき、活発な会にしたいと考えています。

参 加 費:

1,000円(運営費)

申込み方法: 郵便振替用紙に 氏名、所属先、Eメール連絡先、ご意見・ご要望などを記入し、ATMで1,000円を払い込んでください。(詳しくは ここをクリック)
※ スタジオ会場参加をご希望の方は、その旨を通信欄に明記してください。
※ 開催日の4日前になっても Zoom招待のURLが届かない場合や、ご不明な点がありましたら、<kyoiku@t.toshima.ne.jp>まで お問い合せください。
以 上   


『小山の教育通信』 2023年12月、2024年1月

  「野菜のポテンシャルを引き出す」という営みは “ヒトづくり” にも通じる…… 個性のない規格統一された野菜しか知らない都会人は、野菜本来の持つ美味しさには出会えないことが明かされます。 では、試験の点数でしか受験生/生徒を評価しない社会や学校は…? 海外と日本の架け橋を支えられる人材は…? 山下さんの哲学は パリ日本人学校の運営にも影響が及んでいるわけですが、同校に高等部を設置することは叶いません。 そこで、パリ郊外の山下農園の近くに “子どものポテンシャルを引き出す” 日本人高校を設置する準備が始まりました。
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  なんと、現在 フランス各地には補習授業校は(未認定校も含め)約50校もできていて、パリの補習校長は友達だそうです(在籍者 150名)。 だから 補習授業校ではなくて、高校としてスタートしたいとのことです。 この件は、菅政権の 「スーパーシティ構想」に 群馬県前橋市が教育問題を目玉政策として申請した際に始まってます。 「パリ日本人学校に高等部を」も、その柱の一部だったわけですが、前橋市が落選したこともあって頓挫したとのこと。
  上海の高等部でも課題になった 「外務省助成で建てた校舎に、幼稚部・高等部を開設できない」が障害でもありました。 山下農園の地元の “農園付き古城” が提供され、運営母体となる財団法人も設立されて、俄然、現実味を帯びています。 また、日本側の支援体制がなくなったわけではないので、“パリの日本人高校”の実現可能性は十分にあるのです。 着々と進む準備の状況や課題を教えてもらうとともに、私たちで支援できることは何なのかも話し合いたいと思います。
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  1971年に デュッセルドルフ日本人学校が、2年後には パリ日本人学校が開校しました(いずれも小・中学部のみ)。 当時、海外子女教育の最大の課題は 「帰国後の高校教育に円滑にアクセスできるか?」ということでした。 いわゆる 「帰国子女受け入れ校」の拡充が 1970年代後半から図られ、学芸大大泉校舎やICU高校、同志社国際高校等が政府の助成で生れ、啓明学園、桐朋女子、茗溪学園、堀越学園、順心女子学園も受け入れ態勢を整えました。
  しかし、そもそも海外に赴任するのは、企業の海外駐在員だけでなく長期滞在や移民同然で出かける人も多いのです。 帯同される子どもが、日本人学校を卒業後も現地に留まる場合、教育機会は極めて限られ、途方にくれます。 1972年に立教英国学院が開校して10数年間は、空席待ちが在校生数を上回るほどの “人気”がありました。 欧州全域だけでなく 中近東・アフリカからも、生徒が殺到してきたからです。 その状況を背景に 次々と欧州に日本人高校が開校し、一時11校になりますが、現在は3校のみに減っています。
  日本人高校の需要は 増える分とも減ってはいないのですけど、学校として成立が難しくなっているわけです。 「他の国の海外学校には高等部があるのに、なぜ日本人学校にはないの?」という疑問にも、なかなか答えられません。 今こそ、関係者の真剣な検討が求められます。
◆ EGS研究会では 2010年秋に “海外の日本人高校の必要性” をテーマに取り上げています。

当日の配布資料の一部を公開します。

※ 《参考》『海外の日本人高校の必要性

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