子女教育ニュース

      担当: 国際教育相談員 小山 和智  facebook note
海外人事や教育関係の実務担当者の皆様に配信しているニュースの一部を、
一般の皆様にも公開します。 教育相談などについては 「教育相談から」を。
2024年 2月1月、2023年 9月〜12月5月〜8月1月〜4月、2022年 9月〜12月5月〜8月1月〜4月、2021年 9月〜12月
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【2024-3】

「Waltz」が2拍子になる?
  早くも3月ですね。 3拍子の 「Waltz」は、元は “じっとしてない” “活発に動く” “職の遍歴” の意味です。 これが アメリカの俗語で “携帯する(Carry)”、さらに 荷物を上下に揺らして徒歩旅行をする意味になりました。 つまり 「Hump, Walk」の類語で、どちらかというと2拍子(三連符の?)です。
  『The Bold Fusilier(勇敢な銃歩兵)というオーストラリアの軍歌に 19世紀、有名な歌詞がつきます。 ある英国人旅行者が 貧困に喘ぐ剪断職人(羊毛を刈る人)に共感し、労働歌の 『Waltzing Matilda』を書きました。 「Swagman(荷物一つで仕事を求めて放浪する職人)Matilda(=Swag)と結婚したも同然…… “身の回り品を寝袋で巻いた荷物”を女性に模して、「Matilda を手放せない者同士で 旅に出ないか?」と歌います。 オーストラリアの第二の国歌とされますけど、小学生が楽しそうに歌うような意味の歌詞には、とうてい思えません。 バブル経済が終わった頃(1991年?)、トム・ウェイツの編曲を聞いて 初めて感動したという人が、私の周りに多いのです。
◆ 映画 『Night on Earth』(米 1991年)の日本公開の際、興行会社が 『ナイト・オン・ザ・プラネット』 と邦題を付けたのも、トム・ウェイツの歌う 『Waltzing Matilda』に対する賛辞だと思います。 テレビドラマ 『不毛地帯』(2009年)のエンディングにも使われました。

子ども達に求められる “力” はどんなもの?
  2月23日(金)、FC今治高校主催のシンポジウム 『中高生が夢中になる学校の選び方』が 大阪で開かれました。 四国の今治明徳学園の分校施設に 今春開校する同校は、既に36名の合格者があり、今月2次募集を実施予定です。 「自ら動き 考え、他者の違いを受け入れ、仲間と共に社会を変える」 というコンセプトの学校…… 「できるだけ与えることを減らして、とにかく自分たちが夢中になれることに時間を割き、没頭できるものに出会おう!
  発起人には 鈴木 寛(東大教授)、村上恒男(元 灘中高教諭)、岡田武史(元サッカー日本代表監督) など錚々たる顔ぶれ…… 今回のシンポジウムにも勢ぞろいしたわけですが、その概要が YouTube にも公開されました。 そこでの話題の焦点は 「国際バカロレア(IB)」,「OECD Education 2030」等が目指している教育イメージです。
  子ども達に求められる“力”はどんなもので、その育成の方法はどうあるべきか? 評価をどうするのか? 3月14日(木) の第88回グローバル化社会の教育研究会(EGS)でも、藤田さなえ さん(NPO法人 Democracy Festival Japan 代表理事)に話題提供をお願いして、世界の現状から見た いまあるべき教育の形や注意すべき点などについて話し合いたいと思います。
◆ 『月刊 グローバル経営』3月号の特集 『海外で子育て』の巻頭言を書かせていただきました。 JOES教育相談員の友部 政勝先生、フレンズ帰国生母の会の西地 佐和子さんなど お歴々の前におこがましいのですけど。 世界の要請は多文化共生社会に向っているのに、日本人の最近の駐在員家庭は 内向きの傾向を強めていて、それが教育現場や教育相談の場にも陰を落としています第88回EGS研究会(3/14)の話題の焦点も そこです。

入試日程も ほぼ終わりました。
  各地の梅が満開で、そろそろ桜の便りも届こうかというところです。 今年の入試日程も ほぼ終わりました。 身近かに受験生がいた皆さんは 何かと神経を使っておられたでしょうが、やっと梅の華を落ち着い眺めらることでしょうね。
  私立学校にとって 入学試験は最大のイベントでして、学校が “欲しい生徒” を露骨に表現する機会になります。 つまり スクールカラーと密接に係るので、出題問題も試験方法も 自ずと毎年似た傾向になって当たり前といえます。 「共学化1年目」などの “新装開店” の場合を除けば、入試問題・方法の傾向は例年通りで それほど変わりません。 学習塾では 「過去問」(過去に出題された問題)等を入念に分析して、その学校の志望者を訓練してくれます。 しかし、「過去問」は市販されていますから、何年分かを自分で買って繰り返し解いてみれば、傾向はつかめます。 ドリル・参考書の代わりに 「過去問」を使って授業を進めたり、受験準備をさせてくれる学校だってあります。
  けれど “問題” なのは、志望校側に欲しい生徒のイメージがなく、漠然と 「点数の取れる子が欲しい」 というケースです。 最近は、何もしないのに 「帰国生受け入れ校」 を僭称する学校が多くなりましたが、そんな学校に入りたいですか?

マレーシアに筑波大学の分校が開校
  昨年の3月14日、日本とマレーシアとの間で 筑波大学マレーシア校(UTMY)設置の覚書が交わされました。 そして12月に 「マレーシア資格機構」から高等教育課程の認定を受け、今年9月開校に向けた準備が進んでいます。 場所は プタリン・ジャヤ(首都クアラルンプールの西の郊外)にある国立マラヤ大学の構内。 設置学部は 「学際サイエンス・デザイン専門学群」(学年定員 40名。4年制、文理学部学士を授与)です。
  昨年、創立50周年(前身からは 201周年)を迎えた筑波大学は、『IMAGINE THE FUTURE』(未来を想え)がスローガン…… マレーシアを 中東・インドから東南アジアにかけての人的資源のハブとしての可能性があり、米国・英国とは異なる強い独自性を有している国と判断しているわけです。 UTMIの使用言語は 英語・日本語・マレー語。 マレーシア国籍者以外の学費(年額)は RM38,000(約121万円)で、筑波キャンパス(約60万円)よりは高いです。 でも、ほとんど個別指導で鍛えられるし、環境から得られる人脈(=将来の財産)は抜群です。

卒業式のシーズンですね。
  卒業は “巣立ち, 旅立ち” です。 「旅のお守り」といえば、白崎八幡宮(山口県岩国市)のお守りが 若者の間で人気です。 テニスの大坂なおみさんが全豪オープン大会に優勝した際(2021年)ラケット・バッグに付けていて、ベストセラーになりました。 白崎八幡宮の祭神の一つ 「サルタヒコ」は、天孫降臨の際に神の道案内をした伝説から “旅人の神”とされています。 ヒンズー教の神 「ハヌマン」が原型と思われますが、猿の顔または天狗の顔で描かれます。 しかし、天狗はヒンズー教の 「ガルーダ」(ラーマ王子を載せて飛んだ霊鳥)が原型のはずです。
  それが ギリシアで 「クリストフォロス(キリストを背負うもの)の伝説にまでなりました(なぜか犬の顔…)。 キリスト教徒の多くが “旅のお守り” として 聖クリストファのペンダントを首にかけたり、車に飾ったりします。 卒業生や転勤・転職者などに 「餞別<せんべつ>」としてプレゼントすることも多いです。 日本の 「無事カエルお守り」 みたいな “縁起担ぎ”ですよね、きっと。
◆ トム・ウェイツが 『Waltzing Matilda』で 「I lost my Saint Christopher now that I've kissed her.」と歌うのは、「もう幸運を期待できない」という隠喩ですが、なぜ 「her」なのか…? 家内は 「日本語だって “子”は男なのに、今じゃ女でしょ?」と言います。(笑)

対話による“主体的で深い学び” を
  3月14日(木)、第90回グローバル化社会の教育研究会(EGS)は、Democracy Festival Japan代表理事の藤田さなえさんを囲んで開かれました。  テーマは 『(日本にとって)これからの多様な世界で教育に求められる人間力・社会力』 でした。 北欧では 「社会人」という言葉がないそうで、生れた時から “一人の人間” として扱われるとのこと。 「自分自身である力」「変化成長する力」「他の個とつながる力」「場を構成する力」「社会に受け入れられるための力」 これらを生れた時から本人に考えさせる訓練を施こしていくという発想なのだそうです。
  <EUは、言語・経済・習慣・歴史・生き方が違う国の集合体であり、「戦争をしない。平和な世界を維持する」以外に、利害統一がされていないコミュニティで、対話による相互理解・交渉・すり合わせにより “最適解” を見つけていく
  学校が子どもに伝える一番大事なことは 「Democracy」であり、そこでは “勝ち敗け” ではない対話が欠かせない…… 学校の中の全てが子ども同士の対話で決まり、どんなに意見が対立しても人間関係が変わらないのだそうです。 そうやって子どもたちが 「Democracy」を理解し、責任ある市民として成長し参加する場を提供するのが学校とのこと。 どんな知識獲得や探究も 対話による考察や検討・共感・実践を経ないと “主体的で深い学び” になっていかない…… これぞIB教育でいう「TOK(知の理論)」ですね。
  時間や手間はかかっても、着実に「社会に働きかける力」「個がつながり社会を変化・成長させる力」などを伸ばす…… そういう子どもを育てる仕掛けが、保育園から小・中学校、高校へと用意されている様子には感動を覚えます。
◆ 社会にICTや科学技術の応用範囲が広がり、宗教や民族、個々の価値観も多種多様な人々と交わらざるを得ない時代です。 「予測できない未来の社会に生きていく子ども・若者に対して教育ができることを、人間力・社会力の双方から考えましょう」 という藤田さんの語り掛けは圧巻でした。

3月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
デモクラシーフェスティバルJAPAN 第4回対話祭り(On-Line)--- 3月1日(金)・2日(土)・3日(日)。 ※ 出展者と参加者が直接つながり・話し合い・意見交換するのが大きな特徴のフェスティバルです。
ITトレンド EXPO 2024 (On-Line)--- 3月5日(火)〜8日(金)。 「ピクサーを成功に導いた方法と、ジョブズと歩んだ歴史」=E・キャットマル(ピクサーAS設立者)ほか。 ※ 「ビジネスシーンに、新たな出会いを」をコンセプトに、仕事やキャリア、人生をより豊かにするきっかけを提供します。
JACTFL 第12回シンポジウム--- 3月10日(日) 午前10時〜17時、於・上智大学。 テーマ 『外国語教育の未来を拓く:ことばの価値に気づくための外国語教育』。※ 小・中・高校における「複言語・多言語教育の取り組み」の研究発表は圧巻です。
第88回グローバル化社会の教育研究会(EGS) (Hybrid)--- 3月14日(木)、テーマ 『これからの多様な世界で教育に求められる人間力・社会力』=藤田さなえ(NPO法人 Democracy Festival Japan 代表理事)。 ※ 世界の現状から見た いまあるべき学校教育の形や注意すべき点などについて話し合います。
NPO「国際人をめざす会」特別フォーラム--- 3月18日(月)、於:鉄鋼会館(東京都中央区日本橋茅場町3-2-10)、テーマ 『日本再生の構想--- 全体知と戦略』=寺島 実郎(日本総合研究所会長・多摩大学学長)
TJF ときめき取材記実践報告&情報交流会(On-Line)--- 3月23日(土) 午前10時〜。 ※ 「ときめきプロジェクト」を担った学生たちが、実践においてどんな課題がありどう乗り越えてきたかなどを話し合います。
JOES 海外滞在者向けセミナー(On-Line)--- 3月25日(月) 午前10時〜、テーマ 『海外滞在中の親が知っておきたい思春期の子どもとのつきあい方』=小木曽 道子さん(カウンセラー)。 ※ 子どもの心理を理解するコツや、親の対応のヒントなどを易しく話されます。
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◆ トム・ウェイツの 「Waitz(クリスマスの巡回聖歌隊)の語源は 「Watchman(夜回り, 夜警)です。 貴人の邸宅の周りを 笛を吹いたり歌を詠ったりしながら警備する一隊で、門付けしては 「Gratuity(心付け)をもらっていました。

◆ 「国立難関10大学」(北海道, 東北, 東京, 一橋, 東工, 名古屋, 京都, 大阪, 神戸, 九州)は、大学予備校等が勝手に定めているもので “研究レベル”や “難易度”とも無関係。 いわゆる “週刊誌ネタ”(騙される人が多いので 儲かる)です。

◆ note の 「ぐるる」 に連載中の 「国境をまたぐ子どもたち…… TCKsを持つ親に捧ぐ」 の 『第四回 みろよ青い空、白い雲』 がUPされました。 幼い帰国児の格闘にも 少し明るさが差します。 まだ先は長いですけど…。

◆ MLS代表の太田 雅一さんが 『生徒の英会話力が向上する 英語劇・ドラマメソッド』(幻冬舎)を上梓されました。 とっくに刊行されていると思っていた “福音の書” なのですが……。 後日、基本書として紹介いたしますけど、とり急ぎ お知らせまで。

◆ 英会話を “楽習”することを提唱してきた遠山 顕さんの新シリーズ 『いますぐ使える英会話 2024年(NHK出版)がスタート。 春号の特集は 「動詞 do の使い方を極める!」です。 中国語では 「 <gan4>」ですね。 好い仕事をしてますねぇ!

◆ 10日(日)、JACTFL 第12回シンポジウム(於:上智大学)のテーマは 『外国語教育の未来を拓く:ことばの価値に気づくための外国語教育』でした。 小・中・高校における 「英語以外の外国語教育」の広がりが心強いです。 高校生たちの “学びの報告” には ウルウル…… (笑)。

昨年の出生数は75.86万人、100万人を割り込んだ後 僅か6年です。 岸田政権は税収増ばかりで、国民に対する愛が全く感じられません。 「異次元の少子化対策」と打ち出しながら、具体策も財源確保もしない “空手形”…。 それでいて 軍備増強は閣議決定で推し進めているのです。 戦後の偏差値偏重教育の弊害が そこに凝縮されている…… と嘆くばかりでは、何も解決しません。 国政選挙では “批判票” を投票する賢さが必要なのです。

◆ 学び舎を巣立つ若者たちには、人生の荒波がどんなに高く険しくとも、それを耐えたりかわしたり乗り越えたりすることも学んで、元気に生き抜いて欲しいです。 幸多かれ! そして、いつしかまた会わん!

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【2024-2】

筑波大学も創立100周年
  筑波大学の前身は 「東京教育大学」… その前は 「東京高等師範学校」ですが、最初は 「東京農業教育専門学校」でした。 関東大震災(1923年)後、東京帝国大学農学部が本郷に統合される際、教員養成部門が独立して学校となったものです。 EGS研究会の前顧問、曽我部 泰三郎先生も、同校を卒業して お茶ノ水女子大学附属中学校に奉職されています。 学生・生徒たちに農学や食の大切さを身をもって教えられ、お住まいも “お茶大農園”の横に構えられました。
  農業は 「医食同源」を支える大事な営みです。 「Biotechnology(生命工学)の基礎/基本の実践の場でもあります。 土壌から食材・料理に至るまでの過程を見つめ、それに関わるヒトのあり方を考えることは、教育の根幹だと思います。

第87回グローバル化社会の教育研究会(EGS)開催される
  1月24日(水)、パリ郊外に 「山下アカデミー」を設立された山下 朝史先生を囲んで話し合いました。 中核となる農学部は 「Grande Ecole Internationale des Artistes...」の名称…… 「食を支える人類の叡智こそ、教育の根幹」という信念or哲学が 大きく打ち出されているようです。
  そこに 日本の高校卒業資格を得られる “場”を開設する計画も、来年4月開校を目指して進んでいます。 全日制ではなくて、日本の通信制高校と提携しながら 一種の 「サポート校」の形で準備が進められているようです。 構造としては 「インフィニティ国際学院高等部」のイメージに近いでしょうが、必要な専任教員の確保が課題です。 既にEUに住んでいる人(在留ビザ保有者)で、日本の高校教員免許のある人には参集を呼び掛けたいところです。
  丸4年前の 「Brexit(英国のEU離脱)により、EU内に日本人高校はなくなってしまいました。 「せめて高校卒業資格が取れれば、世界中の大学/専門学校に進学できるのに… 」という皆様の要望が叶いますように! 《参考》『海外の日本人高校の必要性』

校舎の建設・増築募金の思い出
  私が大学に入学した年(1972年)に立教英国学院が開校しましたが、その翌年の秋、パリ日本人学校が開校しました。 また、長男が生まれた1984年に パリの中学部ができ、次女が生まれた1990年、現在のサンカンタン校舎(ベルサイユ宮殿の西)に小中学部が移転しました。 それを覚えている理由は、校舎建設・増築のための募金活動をしたからです。 お腹が大きくなっていく家内を横目に、関係企業に寄付をお願いして回るので…(笑)。 とくに パリの中学部校舎建設は、長女が 未だ家内の腹中に居る時に募金が始まっています。
  そして その校舎の竣工時には(家内が長男を妊娠)立教英国学院の3回目の増築募金も始まりました。 私立学校なので外務省の助成はありませんし、ロンドン日本人クラブの支援は得られません(「それよりも日本人学校を増築してよ」と言われる始末…)。 大蔵省(当時)からは 「目標額(2.5億円)に達しなければ、寄付者に課税(50%)する」と脅されて、必死でした。
  なお、山下アカデミーの 日本での募金は、財務省の 「指定寄付金」にできるでしょうか?
◆ 私が初めてパリを訪れた2ヶ月後、16区にあった旧日本大使館の建物に パリ日本人学校ができました(1973年10月)。 同時期、立教英国学院中学部も開校しています。 もう50年余り前なんですね。(立教英国の高等部は 1976年、ロンドン日本人学校と同時に開校)

「繁栄の守護者作戦」の始まりが心配
  昨年10月に ガザの武力紛争が始まると、イエメンの 「Houthi Rebels」(反政府勢力 フーシ派)が活動を活発化しました。 日本郵船の貨物船の拿捕事件(11月)など米欧日の貨物船等は攻撃されるため、喜望峰などを迂回せざるを得ません。 スエズ運河は有名ですが、紅海の南端の 「Bab Al-Mandab(嘆きの海峡)も急所…… スエズ運河の泣き所なのです。 迂回による燃料費・チャーター料等の消費増と配送遅延、さらには食料品・工業部品等の供給ラインの破壊も進みます。
  自衛隊の護衛艦・P-3C哨戒機等(隊員380名?)もそこで警戒に当たっているのですが、当然フーシ派からは敵視されます。 しかし、「繁栄の守護者作戦(OPG)」 による対フーシ派攻撃で、いったい何が解決できるのでしょうか?
◆ 正月早々の能登半島震災と余震の警告、松本何某の性加害問題などを どんどん流すことで、自民党の不祥事や外交の不手際から国民の目を逸らそうというマスコミには、呆れかえるしかありません。 “米欧日の同一行動” を金科玉条とするのは、勘弁してほしいのですけど。

「山下アカデミー」の資料を公開
  前回、<「Brexit(英国のEU離脱)により、EU内に日本人高校はなくなってしまいました> と書いたら、「Brexit ⇔ EU内に日本人高校がなくなった」 のつながりが解らないとのご指摘をいただきました。 現在 ヨーロッパに存在する日本人高校は、立教英国学院、帝京ロンドン学園、スイス公文学園の3校のみです。 スイスは 元からEUに加盟していませんし、英国にある2校は 「Brexit」により EU域外に出てしまったわけです。
  第87回EGS研究会の資料を欲しいという先生も居られるようですし、概要・図表も含めて noteで説明しています。 「山下アカデミー」が生まれてくる歴史的な背景や、法的な面も含む課題なども ご理解いただけると思います。

日本の教育・科学技術の低迷は深刻
  JSTの西川 裕治さんから 『2023年版 教育・科学技術イノベーションの現況【世界と日本】』(日本プリメックス)を教えてもらいました。 初めて、本格的に日本の現況を調査したものです。 世界の中での日本の位置づけが把握できるとともに、政府の愚策が如何に日本の発展を妨げてきたかがわかるようです。 教育現場で、“正解” を求め、点数を競い合うことだけに拘り過ぎると、結局は弱い体質に陥ることの証しなのです。
  「見た目の体裁(外見)だけ整えて ものごとの本質を考えない」という昨今の風潮も、そうした教育の当然の結果です。 その最たるものが 「責任を取らない上司, 役員」…… “正解” なんかないのに 「上手くやれ」 と部下に要求する…… 問題が起こったら 「部下がやったことで 私は全く知らなかった」 と言い張る姿を、政治家まで露骨に演じて見せます。(溜め息)
◆ 西川 裕治さんは 時事通信の 『注目論文数、過去最低の13位 低迷続きイランに抜かれる』(2023年8月8日)も教えてくださいました。 わが国の教育・科学技術の低迷は深刻です。 武器なんか買ってる場合じゃないですよね?

広島県の平川教育長が退任
  広島県教委の平川 理恵教育長が3月に退任し、後任に文化庁の篠田 智志政策課長が就任することが発表されました。 平川さんは任期中(8年間)、不登校対策や高校入試改革などに取り組まれましたが、一昨年辺りから不祥事も続きました。
  公立高校入試では 昨年から、面接に代わって 「自己表現」(面談形式で自己アピール)が全受験生に課されてます。 従来 調査書に記載されてきた特別活動の記録や スポーツ・文化・社会貢献活動等の記録などを自分で表現するもの。<先生や友達に何でも話すことができ、相談できる安全で安心な学校生活の中で「自己を認識し、自分の人生を選択し、表現することができる力」を身につけることができると思います>(平川教育長のパブリックコメント)
  「一次選抜」の配点は (1)5教科の筆記、(2)調査書(内申書)、(3)自己表現が「6対2対2」の比率と定められています。 しかし、「活動の実績そのものを評価する訳ではない」としたら、客観性や公正性、公平性をどう担保するのでしょう? 高校入試改革をテコに、中学生たちは どこまで 「自分の内面を見つめ 考え 深められるように」なるのでしょうかね? 評価が出る時は平川さんが某所の高給職に就かれた後なので、地元新聞も知らんぷりするのでしょうね。

恭喜発財! 春節です!
  10日(土) から中国系の人たちは 「春節(旧正月)ですが、新年の飾りに魚とコウモリは欠かせません。 「年年有魚」 は 「年ごとに “ゆとり” が出る(有余)」と音通なので、コウモリ(蝙蝠) は “変福” と音通なのです。 絵に描いたり料理に使ったりしますが、夢に見ることも喜びます。
  20日(火)、春節恒例の日本マレーシア協会 「新春の集い」が開かれ、同協会の多岐に亘るご活動と実績に感激しました。 とくに 今年30年目を迎える熱帯雨林再生活動では 既に85万本の植林が行なわれてきたこと、その活動地2ヶ所が国立公園に指定されたという報告には、感慨も一入です。 また 30年前、日本に輸出するエビの養殖場のために消えていくマングローブ林に心を痛めていましたが、クダ州海岸での森林再生事業が軌道に乗っていることにも安堵しました。 再生事業のいっそうの広がりに期待しています。

第88回グローバル化社会の教育研究会(EGS)の開催
  3月14日(木)、話題提供は デンマークなど北欧の教育情報に詳しい 藤田さなえさん(Actiwish LLC 代表)にお願いしました。 藤田さんはまた、NPO法人 Democracy Festival Japan の代表理事もされています。
  最近 デンマークの 「フォルケ ホイスコーレ(国民学校)」がよく話題に取り上げられています。 大学入学前に(年齢制限はナシ)自分自身を見つめ、自分自身の “学び”や課題を追究するユニークな教育機関です。 そこにおいては 「ヒトが学ぶということは?」という根源的な問いを、正面から考えることが要求されています。 わが国では20年前から急に PISAや 「世界共通の学力観」が学校現場で注目され始めたわけですが……
  しかし、「世界のどこにいても、どんな背景をもつ人ともチームを組んで仕事ができ、好い成果を出せる人間力」という理想が、なにか空回りをしている感がぬぐえません。 藤田さんから デンマーク教育の実情について伺い、それを素に話し合いたいと思います。
◆ EGS研究会の話題提供者は 超ご多忙な皆さんばかりですので、日程の調整は難しいです。 とくに海外に住んでいたり世界を飛び回っておられたりすると、帰国便が無事飛ぶかどうかにも 気を揉みます。 コロナ禍が収まってくれているから、まだ ましなのですけど…。

2月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
TJF みんなでcollaboard! チーム作品発表会(On-Line)--- 2月4日(日)午後1時〜1時半。 ※ 写真で表現するオンライン交流プログラムが 1月27日(土)・28日(日)・2月3日(土)・4日(日)と行われており、その作品が公開されます。
[参加者募集] TJF 多文化×芸術ワークショップ---2月9日(金)〜11日(日)、於:オーバード HALL(富山市) ほか。 指導:田畑 真希(振付家,舞踊家)・柏木 俊彦(演出家・俳優)ほか※ PCAMP がついに富山で開かれます(応募受付 〜1/15まで)。
西荻てつがく対話の会 『ぼくたちの哲学教室』上映会--- 2月17日(土)[昼の部] 午後1時〜3時半、於:西荻シネマ準備室。 ※ 井尻貴子さんの上映後トーク付き!
CFIEC国際経済連携推進センターのウェビナー(On-Line)--- 2月28日(水)、テーマ 『これからのデジタル社会におけるインターネットの在り方…… 国連IGF京都会合後を展望する』=上村 圭介(大東文化大学 教授)・西岡 洋子(駒澤大学 教授)ほか。 ※ インターネット・ガバナンスについて議論します。
ASIA-NET/COMPUTEX & InnoVEX2024 先取りセミナー(On-Line)--- 2月29日(木)、テーマ 『なぜ、COMPUTEX & InnoVEX視察か、視察の目的とメリット』。 ※ 6月上旬に開催されるアジア最大のスタートアップの祭典の紹介です。
[無料公開] KANKO:Teacher with オンラインセミナー(On-Line 配信中)---テーマ 『次世代の学校広報とは』=児玉 聡志(倉敷翠松高校)。 ※ 生徒募集へとつなげる、生徒を巻き込んだ広報活動を現役の先生が語ります。
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◆ 私は高校まで広島でしたから、立教英国学院の創立者、<あがた> 先生の勤務される学校に在学してはいません。 なのに 縣 先生は 「小山さんは、私の教え子です」 とあちこちで話されていて、募金活動で出会う人ごとに 「何の科目を習ったんですか?」 などと訊かれて困りました (笑)。でも 今は、本当の恩師だと思っています。

◆ 1月29日(月) は、海外子女教育振興財団の設立記念日でした。満53年を迎えて、ますます期待が寄せられているはずですが、海外在住者の多様化や教育施設の諸課題が多岐に亘るので、なかなか大変なようです。

◆ 『月刊 海外子女教育』の編集委託会社から、最後の源泉徴収票が送られてきました。執筆者として関わって丸23年 …… これでご縁が終わった感じです。引き続き note の「ぐるる」は、よろしくお願いします。 また、私のほうの note で「日本人学校の現場から考える」のシリーズを書き始めています。 まずは「言語習得のメカニズムと学力偏差値」「海外子女教育に いま何が起こってる?」 などの3本をUPしました。 ご笑覧ください。

◆ 「私は知らなかった」というのは組織内で部下に向って言うことであって、対外的には「表権代理」が成立し代表者に責任はあるわけです。 受験競争の弊害というものも ここに極まっていまけど、それを指摘できないマスコミは 「責任放棄」だと思います。

◆ 100円均一ショップの 「ダイソー」の矢野 博丈さんが逝去。かつて “安物買いの銭失い”と言われていた 「100均商品」を、1990年代に品質の良さで勝負して一躍業界トップに躍り出ました。 (株)サタケの佐竹 利彦さん、(株)リョービの浦上 浩さんと並ぶ、わが郷土(広島)の誇りでした。享年 80歳。合掌。

◆ 静岡市が一昨年から “模型の世界首都” を前面に打ち出しています。出荷額で国内8割のシェアを誇る実績にアグラをかいていた反省でしょうか? アオシマ、タミヤ、ハセガワ、バンダイなど コロナ禍で大増益の各社も、地元貢献の時期です。

◆ 初孫の高校入試が無事終わって、改めて胃が痛かったことを自覚しました。 そういえば、わが子の入試の時期には胃が痛かったことを思い出します。 他所のお子様を試験している時は、そんなことはなかったですけど…(苦笑)

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【2024-1】
明けまして おめでとうございます。
本年も よろしくお願いいたします。


今年は龍年です。
  「亜洲四小龍<Ya4zhou1 si4xiao3long2」 といえば 20世紀後半に工業化・経済発展が急進した 台湾・韓国・シンガポール・香港を指します。 当時は 「アジアの大龍は日本だ」と日本人は喜んでましたが、それを嫌う国も多くて、英語では 「Four Asian Tigers」が定訳とされます。(苦笑) (竜)」は、中国では皇帝の象徴ですから、日本が “龍”に喩えらえることを 中国人は絶対に許せないでしょうね。 政治・経済・文化の国際交流において、相手がどういう感覚を持っているかを理解しておくことは不可欠です。 まして国際紛争ともなると、それ抜きには収拾がつかず、泥沼にはまり込んでしまいます。
  日本のマスコミでは、ロシア・イラン・北朝鮮などを “ならず者” として決めつける論調が主流です。 とくに、ニュース番組などで お笑いタレントを使って繰り返し “刷り込み” を計っているわけで、困ったものです。 気が付けば、中国・ロシアを中心に 「BRICS」の政治・経済機構が “米欧日抜き” ででき上っているのです。 “超インフレ政策” を続ける米欧日を 発展途上国が見放し始めていることを、日本の政治家は解っていますかね?
相手側の価値観や論理を理解する姿勢は、これまで以上に大事になっています。
◆ 現在は 「世界中どこにおいても、どんな背景を持つ人ともチームを組んで働き、好い成果が出せる力」が求められています。 「アメリカ人と一緒にしていれば大丈夫」という考えは、愚かとしかいえません。そもそも 「アメリカ人」そのものが、種々雑多ですし。

パリの日本人高校開設準備が進む
  24日(水) のEGS研究会に来てくださる山下 朝史さんが、山下アカデミーと日本人高校の設立について書かれてます。 なんと、現在 フランス各地には補習授業校は(未認定校も含め)約50校もできていて、パリの補習校長は友達だそうです(在籍者 150名)。 だから 補習授業校ではなくて、高校としてスタートしたいとのことです。 この件は、菅政権の 「スーパーシティ構想」に 群馬県前橋市が教育問題を目玉政策として申請した際に始まってます。 「パリ日本人学校に高等部を」も、その柱の一部だったわけですが、前橋市が落選したこともあって頓挫したとのこと。
  上海の高等部でも課題になった 「外務省助成で建てた校舎に、幼稚部・高等部を開設できない」が障害でもありました。 山下農園の地元の “農園付き古城” が提供され、運営母体となる財団法人も設立されて、俄然、現実味を帯びています。 また、日本側の支援体制がなくなったわけではないので、“パリの日本人高校” の実現可能性は十分にあるのです。 着々と進む準備の状況や課題を教えてもらうとともに、私たちで支援できることは何なのかも話し合いたいと思います。
めぐみさんの note に 「子育ては、植物を育てるのに似てる」がありましたが、山下朝史さんは “世界一美味しい日本野菜”を作る農家です。 山下アカデミーで営まれる “農道”で、どんな人材が育っていくのか楽しみです。

「他山の石」と「人の振り」
  修練の場では 仲間の修練or仲間が指導される様子を観るのも大事な修行とされます。 「他山之石 <Ta1shan1zhi1shi2> 可以攻玉 <ke2yi4gong1yu4>」(他人のつまらない言動なども 自分を磨く助けとなる)…… 今時は、“他人の良い行いは 自分の手本となる” の意味にも受け取られるそうで、年寄りは唖然としてしまいます。 「先生の行いを 他山の石として…」と言われたら、どう反応すればよいのでしょうか?(反面教師の証?)
  「人の振り見て我が振り直せ」との混同なのかも…… “振り” は、振る舞い・身振り・仕草・衣装などの外見です。 “他人の行いの善悪を見て、自分の行いを反省し改めよ”…… 元は舞踊や浄瑠璃(人形遣い)の用語だったようです。 「他人のことを とやかくいう前に わが身を反省する」 という伝統は、わが国における “学び”の基本とされています。 しかし、わが身を反省する毎に どんどん譲歩を迫られてしまう人のよさを、賢く修正するための実戦経験も必要です。
◆ 2021年3月、河井克行 法相(当時)らが公職選挙法違反の罪に問われたことについて、自民党幹事長が 「党としても他山の石としてしっかり対応していかなくてはならない」と発言。 SNSで 「他人事のようだ」と批判が相次ぎました。

第87回グローバル化社会の教育研究会(EGS)の開催
  24日(水)、パリ在住の山下 朝史さんに 『いまフランスに日本人高校を開く意義』 のテーマで話題提供をお願いしています。
  私は広島の農村で生まれ育ったので、農薬の必要性と恐さは知っているつもりです。 農作物を食い荒らす虫や小動物の数を ある程度は抑制しなければ、商品になる野菜・果物は育ちません。 しかし、目の前で死に絶えていく虫や小動物を見ていると、ヒトの身体にも良くはないことが直感として解ります。 “薬” は本来 有毒物質なのですが、それを希釈し制御することで ヒトの健康を増進したり疾病を治したりするのです。 ところが、有機農法を唱える人たちの多くは “無農薬原理主義” と言いたくなるような融通のなさがないでしょうか?
  山下 朝史さんには、科学的に安全性を担保しながら 農業として生産性と品質安定性を確保しようとする姿勢があります。 以前、農作物の生育する 「Terroir(自然環境要因)を紹介しましたが、それを最大限に活かす営みも含まれるのです。 学校も、設置される地域の諸要因、施設・設備、集まって来る児童生徒だけでなく、そこで録を食む教師も主要要素。 複雑に絡み合う諸条件を考えれば、社会が求めている人材が単純なものである訳がありません。
  「学力には、試験の点数や偏差値の向上努力が必要」という側面は否定しませんが、それは道具の一つにすぎません。 農薬と同じで、その使用の目的と安全な使い方が熟知されてこそ、生産性と品質安定性が確保できるのです。 パリに開校する日本人高校が、そういう発想で生れることを心強く思うと共に、支援の輪が広がることを願います

「Think Tank」を考える
  「Think Tank(頭脳集団)とは、主に経済・社会問題を調査し 政策や経営戦略等を立案する研究機関を指します。 現在では、親会社や顧客の委託を受けて 現地調査や統計データに基づく試案を作成・提案する仕事が多くなってます。 11世紀にボローニャ大学ができて以降に設立された大学は、人類の叡智の 「Reservoir(貯水池)と呼ばれます。 そこでの最大の 「Topic」は 王権とカトリック教会との位置づけで、王政側に財政・政策等につき助言することでした。
  大学が王権や教会勢力等からの独立性を重んじるのに対し、“御用機関”となるグループは 「Tank(水槽)に……? 発注者の特定の目標や意向を受けて調査・研究する 「Think Tank」は、小回り/移動が利くことが存在意義なのです。 16世紀に英国ヘンリー8世が 「聖公会(Anglican Church)」を設置できたのも、「Think Tank」あればこそ……“最初の反抗勢力(Protestant)” と呼ばれる所以です。 その後 「独立した研究チーム」と称されるようにもなります。
◆ 梵語の 「Gendi (軍持)」は、仏教で 「Bhiksu (比丘)」(指導者)の持つ水瓶(Aquarius)を指し、普通は(教え/知恵の)注ぎ口が付いています。 ただし、マレー語では 加熱用の水瓶だけを 「Kendi」(土瓶,湯沸かし)と別名で呼ぶことが多いです。 星占いでは 1月下旬からですよね?

日本人高校の必要性は?
  1971年にデュッセルドルフ日本人学校が、2年後には パリ日本人学校が開校しました(いずれも小・中学部のみ)当時、海外子女教育の最大の課題は 「帰国後の高校教育に円滑にアクセスできるか?」 ということでした。 いわゆる 「帰国子女受け入れ校」の拡充が 1970年代後半から図られ、学芸大大泉校舎やICU高校、同志社国際高校等が 政府の助成で生れ、啓明学園、桐朋女子、茗溪学園、堀越学園、順心女子学園も受け入れ態勢を整えました。
  しかし、そもそも海外に赴任するのは、企業の海外駐在員だけでなく長期滞在や移民同然で出かける人も多いのです。 帯同される子どもが、日本人学校を卒業後も現地に留まる場合、教育機会は極めて限られ、途方にくれます。 1972年に立教英国学院が開校して10数年間は、空席待ちが在校生数を上回るほどの “人気”がありました。 欧州全域だけでなく 中近東・アフリカからも、生徒が殺到してきたからです。
  その状況を背景に 次々と欧州に日本人高校が開校し、一時期11校になりますが、現在は3校のみに減っています日本人高校の需要は増える分とも減ってはいないのですけど、学校として成立が難しくなっているわけです。 「他の国の海外学校には高等部があるのに、なぜ日本人学校にはないの?」という疑問にも、なかなか答えられません。 今こそ、関係者の真剣な検討が求められます。
◆ EGS研究会では 2010年秋に “海外の日本人高校の必要性” をテーマに取り上げました。 このたびパリの郊外に 山下アカデミー高等部の開校準備が始まったのを機に、改めてこの問題を検討すべきかと思います。

1月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Gifu MIRAI's Education 3Days(On-Line)---1月10日(水)〜12日(金)。テーマ:Day1『岐阜市が目指す総合的な学習「ぎふMIRAI's」とは?』, Day2『小規模校のメリットを生かす「遠隔合同授業」とは?』, Day3『岐阜市が提案する「学びの多様化を実現する学校」とは?』。
CFIECウェビナー(YouTube Live)--- 1月15日(月) 午後4時〜、テーマ 『時代の転換点に立つ世界と 2024年の行方』=藤原 帰一(千葉大学 特任教授)・川島 真(東京大学大学院 教授)・鈴木 一人(同 教授)・西山 隆行(成蹊大学 教授)
第87回グローバル化社会の教育研究会(EGS)(Hybrid)---1月24日(水) 午後2時〜4時半、テーマ 『いまフランスに日本人高校を開く意義』= 山下 朝史(山下農園 園主、山下アカデミー 代表)
[高校生募集] TJF みんなでcollaboard!(On-Line)--- 1月27日(土)・28日(日)、2月3日(土)・4日(日)。※ 「写真を通して自己表現」「チームで協力して活動し 対人関係を築く」「コミュニケーション能力や理解力、共感性を伸ばす」を目標にした交流プログラムです。
ASIA-NET 異文化セミナー--- 1月30日(火)、於:南部労政会館(大崎ゲートシティ)。 テーマ 『異文化理解/台湾編 信頼できるパートナーの探し方と見極め方』= 吉村 章 ((株)クロスコスモス 社長)。 ※“危ない人”の選別項目、人間関係構築のノウハウ、日本人が踏み易い地雷…など実践のお話しです。
[手続き受付中] 東京都の「018サポート」(5,000円/月)=都内在住の18歳未満の子ども全員が支援対象。 ※ 東京都は 2024年度から、都内に住む高校生全員を対象に 私立校を含む全ての高校の授業料が無償化される支援を決定(従来の所得制限も撤廃)。 岸田政権が給与の額面を上げる一方で 手取りを減らす策略を用い、実質的な援助をしない姿勢に対して、とうとう痺れを切らしたものです。 東京都の英断に拍手!
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◆ 年頭に当たり、『現代人が 「働く意味」を見失った歴史的な理由--- 今こそ宗教改革以来の 「労働観」を変えるべきだ』(堀内 勉:多摩大学大学院 経営情報学研究科 教授)をお勧めします。

◆ 広島県のジェンダー川柳コンテストで 高校2年生の 「ご飯まだ? 帰った時刻 同じだよ」が最優秀賞に。 私は優秀賞の 「『手伝うよ』じゃのぉて 一緒にやりますじゃ」に共感しました(1本!)。 「色眼鏡 押し付けられて 押し付けた」は 技あり!

◆ ラテン語で 「Saxa-」は “岩の” の意味で、岩場に育つ動植物の名前に付けられたりします。 これがポルトガル語で 「Do-sacusa」となると、“混乱して騒いだりする/混雑する様子” となるようです。 15世紀に 「Castella」などと一緒に日本語になったのかもしれません。(俗説です) 「浅草」も…?

◆ 帰国生特別枠の入試日程は終わりに近づいていますが、替わって 推薦入試が始まっています。 首都圏の一般入試は、私立中学校が2月1日から、私立高校は2月10日から始まるのが一般的。 公立高校の一般入試は、神奈川が15日(木)、千葉が20日(火)、東京・埼玉が21日(水)、茨城が28日(水) からです。

◆ 古家 淳さんと一緒にやっている TCKの 「ぐるる」に 「第二回 お嬢さま・お坊ちゃまになる?」をUPしました。 40年前のジャカルタ時代の話です。

滑空して帰還する 「スペースシャトル型」の水ロケットは、いくら説明しても信用されなかったのですが、やっと動画が編集できました。 百聞は一見に如かず。 まずはご覧ください。

◆ 新年早々の震災と津波に遭われた皆様には、お見舞い申し上げます。 昨年5月の震度6強以降 ずっと地震が続いていて、地盤や建物等に歪みも生じていたことでしょう。 被災の範囲も かなりの地域に及ぶようです。 一日でも早く復旧が進み 支援が届くよう祈るばかりです。

◆ 寒さが厳しいなか、いろんな病気も蔓延しているようです。規則正しい生活と食事、適度な運動、十分な休養をして、抵抗力を維持しましょう。

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2023年12月以前のニュースは こちら

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