子女教育ニュース

      担当: 国際教育相談員 小山 和智
海外人事や教育関係の実務担当者の皆様に配信しているニュースの一部を、
一般の皆様にも公開します。 教育相談などについては 「教育相談から」を。
2018年 10月9月5月〜8月1月〜4月。2017年 9月〜12月5月〜8月1月〜4月

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【2018-10月】

10月は 「神無月」です。
  「神無月<かんなづき>」 の語源は諸説ありますが、元々 “神の月” だったのが、平安時代に “神々が出雲に出かけて留守” の俗信が生れ、“無” の字を当てるようになった というのが 本当でしょう。 個人的には 「醸成月<かみなしづき>(新米で酒を造る月) と考えるのが好きですけど。
◆ 伝説の地ビール「オゼノユキドケ」(群馬県館林市) が 遂に製造停止……「木曽路ビール」(長野県木曽町) に続き、また一つ "銘酒" が消えます。 愛飲家の切なる要望を無視した経営方針は解せません。 アメリカには 日本酒メーカーが15社もあるそうですが、彼らの情熱を見習って欲しいです。

秋は ランドセル購入の季節
  そのことは、わが子や孫が6歳になって解ります。 小学生がランドセルを背負って歩く姿は、日本の風物詩です。 「ランドセル(粮嚢)」は オランダ語の 「ransel(背嚢) が訛ったものですが、幕末から明治初期に 軍隊装備品として輸入されました。 通学カバンとしては、1885年に 学習院初等科が導入したのが最初といわれ、1950年代から ベビーブーマーの間に普及したそうです。
  今や、「背嚢, 背負子<しょいこ>」 は死語で、ドイツ語の 「Rucksack」 が定番になっています。 英語では 「knapsack, sackpack」 ですが、アメリカで 1910年代以降、「backpack」 と呼ぶようになりました。 若者が自分で計画を立て “低予算で旅行 (badget travel)”することも意味します。 ("背嚢" が基本装備なので)。 これを日本語で 「カニ族」と呼んだ時代もありました。 大きいリュックを背負って 列車の通路や改札口などを通ろうとすると、横歩きを強いられるからです。 しかし、最近の若者は 傍若無人に、正面を向いて周りにぶつけながら(orスマホを見ながら) 歩くのが当たり前みたいですね。
◆ 学生には「通勤電車に乗る時、リュックは前に抱えて」 と指導すべきでしょう。 混雑の一大要因であるため、トラブルが多発するからです。 新入生も 周りから散々注意されれば、6月頃には “大人” になります。

原発の技術者は どこで教育するの?
  厚生労働省は 9月4日、東京電力福島第一原発事故の作業で被曝し 後に肺癌で死亡した男性について、労災を認定したと発表しました。 事故対応にあたった作業員の労災認定は5人目、死亡例では初めてです。 原発事故の甚大さはもちろんですが、それに対し根本的な対策、とりわけ専門技術者の育成を図ってこなかったことも、政府が “想定外” と呼ぶ犠牲者を多く出した原因です。 脱原発を進めるにしても、数十年に亘って継続的に働く専門技術者が多数必要なのですが、わが国に その教育機関は見当たりません。
  国際原子力機関(IAEA) では、世界の原子力発電設備容量は 2030年までに10%以上減少する可能性があると予想しています。 原発産業自体が、老朽化した原子炉の廃炉や競争力の低下 (=安全規制の強化による新原発の工期長期化やコスト増大など)に直面する中で 難しい状況に陥るというのです。 世界の発電設備容量に占める原発の割合(現在5.7%) も、2050年には 2.8%に半減するとの見通しを示しています。 ドイツやスイスなどは既に、原発を段階的に廃止する計画を発表していますが、そこでも “造ってしまったもの” に莫大な経費がかかることが課題となっています。 これに 「原発技術者の養成」 のコストは含まれていませんが、原発の輸出国になろうとしている日本は、“製造者責任” を負わされます。
◆ 今年、原発推進論者が 「猛暑には 冷房を使おう」 と盛んに宣伝していました (技術者の養成には 消極的なのに)。 省エネ型のエアコン普及で 電力消費量が下がる⇒ 原発不要…… の展開は困るからでしょうね。

「お友達便」 には手を出すな!
  最近、「P2P courier」 という種類のスマホ アプリを使った “お友達便” が、広がっています。 例えば、東京からA国に旅行することを登録しておけば、「〇〇をA国に運んで」 という注文が スマホに届き、“ブツ (goods)” が送られて来る⇒ それを A国に入国してから 指定された人に手渡しor送付すれば “お小遣い”がもらえる…… という 「運び屋」のアルバイトです。 留学・旅行中なら、宿泊先に “ブツ”が送られてきて、帰国後、郵便・宅急便等で発送します。
  恐ろしいことに、カード詐欺や密輸等に使われることも多く、知らない間に犯罪の片棒を担がされる危険が 極めて高いのです。 そもそも 頼んでいる人の素性も 運んでいる物が 本当は何なのか (あるいは どういう“訳あり (things)”なのか) も、知らないのが普通ですから。 留学や海外研修等で出かける学生には、「他人の荷物は絶対に預かってはいけない」 と指導しますけど、ゲーム感覚(excitement)+高額の報酬(1万円前後/件) の誘惑は “蜜の味”のようです。
◆ 帰国の際に預かった物が違法薬物だった場合、「1年以下の懲役」は免れません。 もし報酬をもらっていたら、“営利目的”として 「3年以下の懲役」、友達を誘っていたなら 罰金も追加されます。 注) 「goods」 「things」 は必ず複数形。 マレー語で "ブツ" は 「benda」で、捕まれば 「denda」(罰金,処罰) が課されます。

「運び屋, 受け子」 の取調べは厳しい
  通信販売のクレジット・カード詐欺の場合は、商品代金の決済は1ヶ月後なので、運んでいる間は 「(携行者が) 適正に購入した商品」 とみなされます。 たとえ偽造カードでも、その間は 犯罪の立証が難しいのです。 まして、コンビニの 「預かり/お渡しロッカー」などで荷受けをされてしまうと、本当は誰が受け取ったのかすら 特定は困難です。 だからこそ、もし (防犯カメラやスマホの解析等で) 犯罪が立証された際は、警察の取り調べも 法的な処罰も 容赦なくなります。「儲かるなら どうなっても構わない」 という無責任さ(=未必の故意) があったことは間違いないですし、税関でも 「他人から預かった物は何もない」 と虚偽申告しているのですから、かなり悪質だと判断されます。 渡航前の学生には、厳に戒めておくべきでしょう。
◆ お友達便の一つ 「BisTip」の名称は、インドネシア語の 「bisnis titip」(届ける商売) の略だろうと思います。 国際社会では許容され難い商売を ネット上に展開する先見性は見事ですが、いずれ ビッグデータの解析等により、「運び屋, 受け子」 が捕捉されるようになるでしょう。

第66回グローバル化社会の教育研究会(EGS) を開催
  10月5日(金)、都立白鴎高校附属中学校(東京都台東区) で開かれました。 通常の授業、とくに帰国生たちが どんな雰囲気の中で学校生活を送っているかを見せてもらい、いつまでも見ていたい衝動に駆られました。 教師も生徒も皆、「地域社会と世界を見つめる目」や「多様性を許容・奨励する意識」 を持っているからでしょう。 この姿勢こそ、どの学校でも徹底して欲しいものです。
  副校長の田中幸徳先生は、公式な場ではなかなか聞けない、先生方の悩みや葛藤などもお話しくださり、その大変さとともに ご努力の意味も理解できました。 「AI(人工知能)は "1" を "100"にすることでは優れているが、"0" を "1" にするのは 人間にしかできない」 という言葉には 一同納得。 参加者の多くが 「公立校の印象が変わった」と述懐するほど、公立中高一貫校としての頑張りに 好感が持てますし、声援を送りたいと思います。 可能であれば、また数年後に訪ねてみたい学校です。

10月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
江戸・TOKYO 技とテクノの融合展 2018--- 10月2日(火)、於:東京国際フォーラム(有楽町)※ 現代の職人技の粋を 肌で感じられる貴重な機会です。 人口知能(AI) が 最後まで越え難い世界とは……?
第66回グローバル化社会の教育研究会(EGS)--- 10月 5日(金)、於:東京都立白鴎高校・附属中学校 (東京都台東区)。 テーマ 『都立中高一貫校の新たな展開--- 帰国生入試や多文化授業』=田中 幸徳 (同校 副校長)。 ※ 全国初の公立中高一貫校となった同校の今後は? 帰国生や外国籍生徒のいる学級の授業参観もできます。
東京理科大学 坊っちゃん講座 第2回--- 10月13日(土)、於:東京理科大学(東京都新宿区)。テーマ 「化学(科学)のチカラ 常識を疑う心」=渡辺 正(東京理科大学 嘱託教授)。 ※ 世界には 未解決の謎が多くありますが、それらの謎の解明や応用研究におけるリーダーは何を語るのでしょう?
日本マレーシア協会 創立60周年記念セミナー--- 10月17日(水)、於:国際文化会館 (東京都港区)。 基調講演 『日マ関係の現状と今後』=宮本 新吾 (外務省 南東アジア第2課長)、『日マ協会の公益活動と持続可能な開発目標』=森嶋 彰 (広島修道大学 名誉教授)。 ※ 日マ協会は、熱帯雨林の再生、来日留学生支援、現地インタ-ンシップ、各種セミナーなど 際だった活動を展開しています。
日外協 第33回 日本語スピーチ発表会・交流会--- 10月18日(木)、於:日本アセアンセンター。※ 今年ASEAN各国で行われた日本語スピーチコンテストの優勝者10名が、スピーチを披露します。
獲得研公開ワークショップ--- 10月20日(土)、於:日本大学文理学部(東京都世田谷区)。テーマ 「教育プレゼンテーションの工夫--- KP法をいろいろ使ってみよう」=藤牧 朗 (目黒学院中学・高校)
関西かけはし「秋のレッツトーク2018」--- 10月25日(木)、於:大阪市立総合生涯学習センター。 ※ 子どもの教育や自分自身のことなど戸惑い・不安も、わいわいお喋りするうちに解決のヒントが見つかるかも…。
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◆ メーカーのデータ改ざんの原因は、現場の技術者ではなく、技術の中身が分からない管理部門・営業部門の “利益の数字優先” 体質にあります。 「表面上のコストを抑え、作業現場に過剰労働を強いる」ことの反省なしに、克服は無理です。 そしてこれは、少子化の最大要因でもあります。

◆ 20日(土) 外国語保持教室 横浜教室で、服部孝彦先生の講演 『英語入試の今後の動向』 があります。「英語で受験できる中学入試」と「2020年度からの大学入試改革」について、言語学者の立場から解説されます。

◆ 関西の帰国ママの手による 『帰国生への学校案内≪関西≫ 2019』が完成しました。 今回の特集は「人生100年時代のキャリア・デザイン--- 21世紀を生きるために」。 帰国生の受験生と保護者に必読の情報が満載です。

◆ 『月刊 海外子女教育』10月号特集は、「海外駐在、帯同か不帯同か、家族の選択」 と 「大相撲を英語で実況する」です。 細井宏一先生(学芸大附属大泉小) の「AG5だより」 も必見---“グローバル人材育成” やIB、あるいは “日本人学校離れ” など 私たちの欲求不満を払拭する玉稿です。

◆ 10月5日は 「世界教師デー」ですが、「教師の日」は 中国 9月10日 (台湾 28日)、シンガポール 9月1日、インド 9月5日、インドネシア 11月25日など、独自に定めている国もあります。 日本は…… 毎日!?

◆ 人災と自然災害の度重なる襲来…… お互い 心身の健康を疎かにせず、正直に生きていきたいですね。
  それでは皆様、ごきげんよう。

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【2018-9月】

新学期の「不適応症状」に ご注意
  ヒトには 素晴しい環境適応力が備わっている反面、進級・進学、就職・昇進・転勤、引越しなど、自分を取り巻く環境が変わって 数週間後に、心身ともに変調をきたします。 本人も周囲も 「おめでたい…」 と喜んだ翌月に、「こんなんじゃなかった」 と落ち込むことも多いのです。 学校ではこれを 「五月病」と呼ぶのですが、海外からの帰国や国内転校の児童生徒が多い9月の下旬にも、多発します。 症状は、下痢・腹痛・頭痛・吐き気に始まりこじらせると 「鬱的症状 ⇒ 分裂的症状」へと深刻化しかねません。 対策は、予め本人も周囲も それを理解して、心の準備をしておくことです。 「そろそろだね。何も心配することはないよ」 と声を掛け合いましょう。 注意して欲しいのは、児童生徒だけでなく 保護者も少し遅れて “変になる”ことです。 親子に攻められる担任は“大変”です。
  もう一点、子どもの言語習得の側面からいうと、日常会話力(BICS) は 生まれた時から習得が始まりますが、学習言語力(CALP) は 6歳くらいから始まって、10歳くらいで日常会話力を越えていく段階になります。 ちょうど小学4年生頃で、「読み・書きが辛くなった」「急に勉強が難しくなった」 と子どもは感じますし、親も どう教えてよいか 段々不安になる時期です。 原因は 「学習内容のバランスの変化」にありますし、担任も 「落ちこぼれを出さないように」 と必死の努力をしていますから、なかなか保護者にまで気が回りません。 こうした保護者の不安や焦り・不信感が溜まってきて 一気に噴き出すのが、夏休みの終わった 今頃の時期です。 この間隙をぬって、学習塾は保護者の焦りや不信感を煽り、体験学習や夏期講習の “集客”に努めるわけですが、大事なのは 「規則正しい生活習慣」と「基礎・基本の繰り返し練習」、そして「誰でも そう感じているんだよ」 という励ましなのです。
◆ 担任教師に向けられる保護者の不安は、やがて焦りや不信感になり、次第にクレーマーの様相を呈してきます。 若手の教員にとっては 正念場ですし、先輩や上司からの早目のサポートが必要です。

「第1回トビタテ! グローバル教師フォーラム」が開催される
  8月20日(月)、文部科学省講堂 (東京都千代田区) で開かれました。 日本人学校等で勤務している先生方は、よく 「教師冥利に尽きる」と述懐されます。 両親ともに健康で落ち着いた家庭が多く、何かあれば 父親も直ぐに 学校に駆けつける雰囲気は、教職に就いた頃の初心をも 思い出させてくれるのだそうです。
  また、地域の学習は即、異文化理解に繋がり、現地の材料を使った理科の実験も、国の違いを知る契機になります。 グローバル人材を育てるには、多様な学びを提供することが不可欠で、帰国した先生方には、是非 その経験を活かしていって欲しいです。 教師集団は本来、ドメスティックで保守的な世界ですが、そうした “堅物”とも 上手に付き合えないと グローバル人材になれないことを 既に解っているのですから。
◆ 油井亀美也 飛行士は 「40歳過ぎてから ロシア語を勉強しなければならなかったのは、大変だった」 と述懐されています。 「英語さえできれば……」と思っているお馬鹿さんには、ぜひ教えたい話です。 『月刊 海外子女教育』 8月号の特集は 読まれました?

「中風」と不適応症状の季節
  キンモクセイの香りが風に漂う時期になると、私は 何故か 「中風」 のことを考えてしまいます。 重陽の節句敬老の日のせいでしょうか? 中国語で 「中風<zhong4feng1>」 は “風邪や気体に傷つけられる (風疾)” という意味ですけど、脳内出血などが原因で 半身不随 あるいは腕・脚が麻痺する症状をいいます。 英語では「paralysis, palsy」で、サクラソウ (primrose) が原因 という俗説もありますが、古代ギリシア時代に、サクラソウが 「paralisos」と呼ばれていたことによる 混同のようです。
  「中風の病気」を短縮して 「中気」 ともいいます。 マレー語で 「masuk angin((身体の中に) 空気/風が入る) といえば、肩こりや軽い喉の痛みなどの症状……まあ “風邪気味”に近いでしょう。 猛暑に痛めつけられてきた身体には、穏やかな秋風も応えます。 前回、新学期などの環境の変化が原因で起こる不適応症状について触れましたが、マレー語では 「kepala angin(頭が風) …… ボーッとしている状態です。 誰でもなる ということを解って、心身を緩やかに保てば、2〜3週間で “身体が水に浮くように” 回復するものです。 イライラを誰かにぶつけたり 焦ったりすると、その “浮力” は得られません。

文部科学省が「平成30年度学校基本調査」を公表
  8月2日、“速報値”が公表されました。 毎年5月1日現在の全国の学校数や児童生徒数、卒業後の進路などがわかるデータです。 小学1年は104万人となっており、6年後の中学1年生は そこまで減ることが判ります。 また、平成7年(1995年) の小学1年は125万人でしたから、約17%減っています。
  帰国生はもちろんのこと、海外からの留学生を どんどん受け入れていかないと学校の維持が難しい状況は、20年以上前から判っていたはずですが、教育の現場の対応は十分とはいえません。 3年前、わが国の出生数が100万人を下回ったことは確実です。 10数年後に、どの学校が どんな形で生き残っていられるでしょうか? ボーッとしてなど いられません。

第66回グローバル化社会の教育研究会(EGS)の開催
  10月5日(金)に 東京都立白鴎高校附属中学校(東京都台東区) で行われます。 2005年、全国初の公立中高一貫校となった同校は、一躍 全国から注目される存在になりました。 中学は学年四学級、高校は学年六学級あり、都内全域から受検が可能です。 今年度から特別枠入試が設定された “帰国生等クラス” の授業が、実際に どう展開されているのか、特別に見せていただくほか、副校長の田中幸徳先生に 話題提供をお願いしています。 「世界で活躍するリーダーの養成」 が掲げられた同校では、いま 何が行われ、どの方向に進んでいるのか、その現場を実際に訪れて確かめたいと思います。 また、田中先生のお話しを基に、都立中高一貫校の今後の課題や展望などについても 話し合いたいと思います。
◆ EGS研究会で授業見学は珍しく、5日(金) は 午前中から中学1・2年の全8学級の授業を見せていただきます。 そして午後、2時間の “異業種交流勉強会” です。 いつもの会場と異なりますので、ご注意ください!

秋祭りのシーズンですね
  お祭りといえば、笛・太鼓に踊りが定番です。 日本語の 「てんてこ」 は、座敷芸や祭り囃子・神楽 <かぐら> などに用いる小太鼓の音---「てけてんてん」「トントントン」 などと並ぶ擬音語の仲間です。 通常は、踊りの先導として、“笛” と共に演奏されます。 「笛を吹く」という時は、小太鼓も打ち鳴らされるのです。 中国語の 「鼓舞<gu3wu3>」 は “(自分たちを) 奮い立たせる/興奮する” の意味で、他人を奮い立たせ 何かをやらせることは 「鼓励<gu3li4>」 といいます。 日本語では、両者を合わせて「鼓舞」ですけど。
  他方、「手甲<てこう>」は、元々は 手首や手の甲を護る武具だったのでしょうが、神社での奉納舞の衣装から農作業の服装にまで 広く普及しました。 とくに お祭りでは 基本的な装身具で、山車や神輿を先導して 激しく舞う女性群を、「てこ舞」 と呼ぶ地方も結構あります。 これが 「てんてこまい」 となると、“とても忙しく、休む暇もなく立ち働くこと” を表します。 これは多分、能の 『籠太鼓 <ろうだいこ>(作:世阿弥) で、狂乱して鼓を打ちながら舞う女が演じられることから、「打って舞う」 が “髪振り乱して動き回る” のイメージに重なったのでしょう。 ただでも忙しい高校生たちが 文化祭に没頭するのは、これとは少し違うようですけど。
◆ 「てんやわんや」 は、大勢の人が自分勝手に振舞い、混乱したor収拾がつかない様子のこと。 「てんでん」(手に手に⇒ 各自/銘々/ばらばら) と 「わや」(無理/無茶/大騒ぎ) との合成語と考えるのが 多数説です。

安倍首相の「スタンプラリー」に思う
  2012年暮れ 総理大臣に返り咲いた安倍氏は、その後 延べ150回(訪問国・地域数) も海外訪問を繰り返してきました。 歴代首相なら 年に せいぜい3回であることと比べて、異常な多さと言わざるを得ません。 まるで 「世界各国を巡るスタンプラリー」をしているわけです。 北朝鮮の核ミサイルなど 国家の危機で、アメリカ等に頻繁に行かざるを得なかったという事情は 一応理解できるものの、それ以上に “(自分にとっての) 未踏の地” を訪れ、それを “歴史に遺す” ことに、強烈な意欲を燃やしておられます。
  しかし、訪問に当たっては “お土産” を持参するのが国際慣行で、ODA(政府開発援助) や民間レベルの経済協力などの 「ばら撒き」 から、相手国の首脳への “日本の高価な品” まで、ほとんど国費で賄われます。 また、首相の外訪には 政府専用機が使われますが、関係省庁や民間団体の幹部、報道関係者も随行し、ほぼ満席状態で “運航”されます。 これらにも 私たちの納めた税金が使われるのです。 周囲の者には、滅多に行けない珍しい国に連れて行ってもらえる機会は、“ご褒美” でもあります。“お友達” として選んでもらえるよう、日頃から “忖度” の努力が欠かせません。 また、マスコミにとって 首脳外交は大きなトピックですから、外されることを最も恐れています。 批判的な記事原稿など書こうものなら、社内で刺されます。 順番を待つ同僚は 無数にいるのですから。
◆ 首相が訪問する相手国も、首相個人への “お土産” を用意して待ちます。 政府専用機なので、税関もノーチェックにでき、輸入禁制品でもフリーパスです (もちろん 私物!)--- 同行記者は 見て見ぬ振りをします。

9月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
東京都英語村 Tokyo Global Gateway オープン!--- 9月6日(木)から 於:TIMEビル (東京都江東区)。 特色=“英語漬け”の空間・施設で成功体験を創出、子ども8人に一人のネイティブ講師が付き添い 指導、発達段階や語学の習熟度に応じたレベル別プログラム。 ※ 子どもが「生きた英語」をふんだんに発話し 世界に目を向ける契機となるよう 東京都教育委員会が設置。完全予約制です。
「クレーム対応の今と顧客満足」特別講演会--- 9月 6日(木)、於:笹川記念会館 (東京都港区)。 内容:[基調講演] 「クレームの日制定の目的とクレーム対応における人材育成ニーズ」=古谷 治子 (マネジメントサポートグループ代表)。 ※ ネガティブに捉えられがちなクレームを「相手からの ありがたい問題提案」として捉え 前向きに対処していく方策の提案です。
JVC「イラク カフェ」--- 9月8日(土)、於:日本国際ボランティアセンター(東京都台東区)。 ※ イラクに関心のある人が集まり、イラクの文化・歴史を学びながら イラクの人々のための活動を考える会です。
平成30年度 文化庁日本語教育大会・東京大会--- 9月8日(土)・9日(日)、於:文部科学省 3階講堂ほか (東京都千代田区)。 テーマ 『激動! 日本語教育--- 人材が変わる、教育が変わる、学習者が輝く』。 ※ 日本語教育の充実と推進を図るため 毎年開催されます。 京都大会は、10月(13-14日)。
Social Issue カンファレンス by リディラバ--- 9月15日(土)・16日(日)、於:DMM.com Group (東京都港区)。 テーマ 『ソーシャルビジネスを、本当の事業に』。 ※ ソーシャルワーカー、教育関係者、自治体・企業等の プレイヤー同士が出会い、課題解決に向けての協働が生まれる場を目指します。
獲得研公開セミナー--- 9月22日(土)、於:日本大学文理学部 7号館。 テーマ 『シティズンシップ(citizenship)教育とドラマ教育--- 国際理解教育を視野に入れて』=池野 範男 (日本体育大学 教授)。 ※ 長年に亘り 日本のシティズンシップ教育の研究を牽引してこられた池野先生から、各人を 社会の構成員として行動できる人材に育てるコツを伺います。
JDEC 第11回 日本フリースクール大会--- 9月22日(土)・23日(日)、於:東洋大学 白山キャンパス (東京都文京区)。 [基調講演] 「フリースクールとは何か」=奥地 圭子 (フリースクール全国ネットワーク代表)、 [シンポジウム] 「学校に行かなかったワケ、フリースクールに行ったワケ」。 ※ 最近、文科省も “学校外の学び場” として関心を寄せています。
第5回 関西 感染症・ワクチンセミナー--- 9月30日(日)、於:大阪医科大学 (高槻市)。 「帯状疱疹への新戦略---ワクチンという選択」 「海外留学生のためのワクチン基本講座」 「インフルエンザ---重症事例からの教訓」ほか。 ※ 日本旅行医学会が 感染症と予防接種を主テーマに開く専門セミナーも5年目です。 学校関係者は 資料代のみで招待されています。
第3回 合唱と朗読による いしぶみコンサート--- 9月30日(日)、於:日暮里サニーホール(東京都荒川区)。 ※ 広島観音高校 音楽部OB合唱団 東京支部による混成合唱と朗読の レクイエム(鎮魂歌)演奏です。
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◆ 「東京都英語村 Tokyo Global Gateway」の英語プログラムは ELECが担当していますが、プログラム監修は 山本新治先生です。 都教委にも永くいらしたご経験があり、民間企業との調整役には適任です。

◆ 高校を卒業後 48年半経ちますが、先日、「准高齢者同窓会」なるクラス会がありました。 司会が、「『これぐらい 好いだろう』は ご法度。セクハラ・パワハラ・付きまといは しないこと」 と話し、一同 妙に納得しました。 認知力の低下は、他人の話が聴き取れなくなるのが第一歩です。

◆ 4月に亡くなった 武田(長)清子先生を偲ぶ会が、9月8日 国際基督教大学(ICU) で行われました。 「自分と違う文化に 尊敬と愛情をもって接することが重要」 と、事あるごとに話しておられたことが忘れられません。

◆ 『月刊 海外子女教育』9月号の特集は、「自然災害や災難から子どもを守る」です。世界のどこにいても自然災害や犯罪・事故などに遭いかねませんが、被災した子ども あるいは そうした報道を見聞きした子どもに現われる兆候と、周りの親や大人の対処の仕方を取り上げています。

◆ 8月号でも紹介された 国際文化フォーラム(TJF) の多言語・多文化交流『パフォーマンス合宿』 の参加募集が始まりました。 英語圏以外の地域の現地校で学んだ経験のある高校生がたくさん集まり、多様な交流の輪ができることを期待しています。 “英語至上主義からの脱却” を是非!

◆ 第103回 二科展 (於:国立新美術館) に行ってきました。 鹿児島の宮薗広幸先生の彫刻には、いつも心が和みます。 クアラルンプール日本人学校の正面玄関前にある 先生の作品は、未来を照らす若い輝きを感じますけど。

◆ 過去の大規模台風の死傷者の大半は、「高潮・高波」によるものだそうです。 大雨が降って川が氾濫するよりも、海水面が上昇することで 津波と似た事態が起きるわけです。 そういえば、宮部みゆきの小説にも、2階の天井まで浸かる "江戸の洪水" が描かれていますね。 恐ろしいです。

◆ 被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。 自然災害が相次ぎ、日本中の公共サービス機関が試されるような事態が続いていますけど、着実に復旧・復興が進みますよう祈ります。

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