アン・ソロモン Anne Solomon

エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ断章、ヴァイオリン・ソナタ第3番、幼き頃の印象
アン・ソロモン(ヴァイオリン)、ドミニック・ソーンダース(ピアノ) OLYMPIA OCD690


アン・ソロモンはシェイラ・ネルソン、イゴール・オジム、デトレフ・ハーンに学ぶ。メニューインの"Live Music Now"に参加し、学校や病院での公演を行う。
このCDは晩年のメニューインに資料を借り、スコアについて教えを請うて録音されたものである。ライナーノートはピアノのソーンダースが書いている。直接聞いたメニューインの言葉が数多く引用されている。
演奏は迫力にはいくぶん欠けるが、リリシズムがあふれ、弱音が美しい。メニューインが1980年にジェレミー・メニューインと共演した2曲のバルトークのヴァイオリン・ソナタの録音(ADES)に通じるものがある。


エネスコ(1881-1955):ピアノ五重奏曲/ピアノ四重奏曲第2番
ソロモン・アンサンブル NAXOS 8.557159



 クリシア・オソストヴィッツ Krysia Osostowicz

バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ、コントラスツ、ルーマニア民族舞曲、ラプソディー2曲
クリシア・オソトヴィッツ(ヴァイオリン)、スーザン・トムズ(ピアノ)、マイケル・コリンズ(クラリネット)
hyperion CDH55149


 オソストヴィッツはメニューイン・スクールで学んだ後、ザルツブルクでシャーンドル・ヴェーグに学ぶ。ドムス(ピアノ・カルテット)のメンバー。
 音の出し方、音色が晩年のメニューインに似ている。楽器が鳴りきっている。ゆっくりと歌った演奏。

 リランド・チェン Leland Chen

  1. バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 メニューイン(Vn;指揮)/ポーランド室内o. 1984年ライヴ(Polskie Nagrania)
  2. ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲RV529&RV519,Op.3-5 メニューイン(Vn;指揮)/ポーランド室内o. 1990年(EMI)
  3. エルガー:協奏曲 メニューイン/アルンヘムpo. 1994年(Upbeat Classics)
  4. ブルッフ:協奏曲第1番 ベンツィ/アルンヘムpo. 1994年(Upbeat Classics)
  5. メンデルスゾーン:協奏曲ホ短調 グローヴァー/ロイヤルpo. 1995年(Tring TRP056)
  6. フランク:ソナタ レネハン 1997年(Upbeat Classics)
  7. R.シュトラウス:ソナタ レネハン 1997年(Upbeat Classics)
L.チェンは台湾出身のヴァイオリニスト。1965年生まれ。イェフディ・メニューイン・スクールとグシュタートのメニューイン音楽院でメニューインとロバート・マスターズに師事。1981年にヴィエニャフスキー・コンクールで銀メダルを受賞。メニューイン・コンクールでは1位を獲得している。3.と4.が『レコード芸術』誌1996年3月号の海外盤試聴記で取りあげられている。そこで柴田龍一氏に指摘されているとおり、メニューインの影響が強く音色が1980年代のメニューインに大変よく似ている。(これはやはりメニューインの弟子で、中国出身のジン・リーにも言える。)演奏はメニューインと共演した1.〜3.がすぐれている。4.と5.は粘りすぎの弛緩した演奏になっている。5.は晩年のエルマン(ヴァンガード録音の協奏曲)を思わせる。これではいくら音色が美しくてもついて行けない。


 アルベルト・リシ Alberto Lysy

リシはアルゼンチン生まれ。Ljerko Spillerに学んだ後、1955年からメニューインに師事。1977年に設立された国際メニューイン音楽アカデミーの音楽監督を務める。
2003年の来日の際、右のCDにサインをもらった。すると、リシが「ローマ法王にもサインをもらえばいい」と笑いながらおっしゃっていた。そのローマ法王ヨハネ・パウロ2世も2005年亡くなってしまった。
アルベルト・リシ

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