第1章
 

分類 

●ラッコの名前の由来
 
 

住んでいるところ

アイとクーピー(松島水族館)


◆分類

 ラッコ 食肉目・イタチ科・カワウソ亜科
 学名:Enhydra lutris (エンヒドラ ルトリス)・・・水に住むカワウソ似た(動物)の意味。
 
 英語:Sea otter (シーオッター)
 フランス語:Loutre marine
 ドイツ語:Seeotter (ゼーオッター)
 スペイン語:Nutria  marina (ヌトリア マリナ)
 中国語:海獺 (ハイター)

 鯨やイルカ・アシカ・アザラシなど、海に棲む哺乳類の中で、一番小さいものがラッコです。
 今から500万〜700万年くらい前に生きていた、カワウソの祖先から分かれて進化したもの、と考えられています。
 
 ●ラッコの名前の由来

  「ラッコ」の語源はアイヌ語です。
  アイヌ語名の「アトイ・エサマン」(海のカワウソ)が、夜に使ってはいけない忌み語だったために、
  代わりにラッコと呼ばれたのではないかとする説と、中国名のひとつ「臘虎」の音読みとする説があるそうです。
  しかし、後者の語源もまた、おそらくはアイヌ語名の「ラッコ」であると思われているようです。
  他にも、江戸時代の文献には、「猟虎」「獺虎」「海獺」「海獲」などの字が使われていて、
  どれが正しいのかははっきりしていないとのことです。
  (北海道新聞社・森と海の動物たち より)



◆住んでいるところ
 
 ジャイアントケルプのような海草の多い岩礁地帯で、水温が摂氏2〜15℃ぐらいの冷たい海に棲んでいます。
 そして、棲んでいるところによって次のように分けられています。
  
(1)
アラスカラッコ: Enhydra lutris kenyoni

Northern Sea otter,Alaska Sea otter
 

住んでいるところ:
アラスカのプリンス・ウィリアム・サウンド〜
アリューシャン列島〜コマンドル諸島
 
 
 

←鳥羽水族館のエミ

(2)
カリフォルニアラッコ: Enhydra lutris nereis

Southern Sea otter,California Sea otter
 

住んでいるところ:  
中央カリフォルニア沿岸
 
 
 
 

←モントレー水族館のカリフォルニアラッコ

(3)
アジアラッコ(千島ラッコ):Enhydra lutris lutris 

Kuril  Sea otter ,Russian Sea otter
  

住んでいるところ: 
千島列島〜カムチャッカ半島東岸
 
 
 
 

←北海道・納沙布岬に現れた千島ラッコ

 このように、おおきく3つの亜種に分けられているのですが、
 その違いとは、・ほんの少し頭蓋骨の形が違うこと ・環境による多少の習性の違い くらいなのです。
 つまり、「ラッコはラッコである」ということのようです。


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