September 19, 2003

卒業するということは、その中からいなくなってしまうということ

 この五万枚のCDを手売りできなければ明日はないと言う状況で、泣きながら明日を夢見ていました。その中に彼女はいました。

 なかなか心開くことができずぎこちない笑顔しかできなくても、みんなはすべて分かりあえる仲間でした。その中に彼女はいました。

 女同士、ときには本気にけんかしたり、ときには恋愛話に盛り上がったり。楽屋ではいつもそうやって、バカなことばっかりやっていました。その中に彼女はいました。

 ひとたびステージに上がれば完璧なフォーメーションのダンスを披露し、美しいハーモニーが会場中に響きわたります。そこにしかない幸福感。そこにしかない一体感。お互い目を合わせたとき自然にこぼれる笑顔。お互いをいとおしく思う今までで最高の信頼感。そこにしかないラブ&ピース。その中に彼女はいました。

 長い長い人生の中でもこれほどまで楽しい時間なんてもうこないのかもしれない。これほどまで本気になって喧嘩する相手なんていないのかもしれない。これほどまでお互いの強いところも弱いところも女の子らしいところもだらしないところも許しあえる仲間なんて出会えないのかもしれない。その中に彼女はいました。

 

 卒業するということは、その中からいなくなってしまうということ。卒業することで手に入れられるものに比べて、失ってしまうものは遙かに大きい。ああ、このまま時が止まればいいのに!

Posted by yiye at September 19, 2003 11:45 AM