第11回3000字感想

今回の作品はいつにもなく短い作品が多かったように感じました。やっぱり3000字は少なくとも2999字は欲しい(笑)。
いつもの様に自分の作品は棚上げしていますし、勝手に思ったことを書いてしまっています。もちろん感想になっていないのもありますので、あまり気になさらずに読んで下さい。

Entry.01『首のない殺人』のぼりんさん
面白いんだけど、この殺人方法はいくらなんでもパス。現実味が無さ過ぎる。いくらクレッチマーなんていう実在の人物を登場させても私には納得出来ません。もしこういう方法にするのならば、もっと怪奇色を出して、ひょっとしたらそうなのかも知れないという雰囲気にして欲しかった。こんなラストじゃ落語のオチみたいじゃないですか? 面白いんだけど凄く残念。

Entry.02『昔の恋人からきた小包』ゆーごさん
こういう風に書くのなら、例えば韻を踏むとかの叙事詩みたいに、もっと詩的な文章で構成して欲しい。3000字で2000字に足りないのは、もったいない。

Entry.03『リング エロス』藤丸さん
タイトルだけから、私はレスリングなんかのリングかと思ってしまいました。リング上でくんずほぐれずの、あんなことやこんなことを色々するのか(エロ親父は仕方がない、笑)と…。不幸の手紙は幸せなことに貰ったことはありませんが、こういうビデオが本当にあったらもちろん恐いですし、兄が死んでしまうというラストも、それっぽくて恐いです。でもやっぱりエロビデオに変えても、2番煎じは免れませんし、3000字にはまだ半分位ありますから、もっと違う観点を探して欲しかったです。内容をもっとシャープに削って、1000字でも良かったんじゃないかとも思いました

Entry.04『無比較優位』kinuさん
着想が面白くていいと思うんだけど、これも半分位しか書いてない。短い。もっと書いて欲しいです。それにこの世界の事が判り難い。読者に媚びを売る必要はないと思いますが、読者に判りやすく伝えるというのは、大事なことだと思います。そうすればもっと面白い作品になったような気がします。

Entry.05『オレと松岡の霊の話』やす秦さん
恐いですねぇ。私は今まで霊を見たことはありませんが、こういう霊にトリツカセルというのは、法律的には違っても殺人でしょう。超能力犯罪の一種です。まぁ悪い奴が最後には滅びるというストーリーなので、安心してしまいますが、死んだ松岡君が、自分が死んだのが主人公の所為であると理解していなさそうなところが主人公には救いかも知れませんね。

Entry.06『学校列車』遊佐かずなさん
子供向けの様なほんわかした作品に仕上がっていて良かったです。人の心を読む機械はいいとしても、教室が列車になってしまうなんていう空想の世界は楽しい。でも夢を語ることで、登校拒否が直るとは思えないでいる私には、もう少し子供が興味を引く何かを学校に隠していて欲しい気もしました。

Entry.07『今日も明日も貴方に逢えない…(*_)』小林 祐悟さん
私にゃぁちょっと付いていけませんが ┐(´〜`)┌ へぷぅ〜
壊れているようでいて、そうでもなくて ヽ(●o○;)丿 もうどうにでもなれ〜
あっと驚くような文章でもない ┗|∵|┓ ほへっ!
ラストなんかマトモだし、(^v^) やんや・やんや
詩とは言えないし、小説にもなってないんじゃないかなぁ? (・_・) 目がテン

Entry.08『再生』翠葉さん
凄い。3000字でよくここまで書きこんである。ストーリーしては、よくあるパターンだとは思いますが、いいです。地球はこうやっていつまでも再生を繰り返していくのであった。まぁ、そのうち太陽に飲み込まれてしまう事にはなるだろうけど…。

Entry.09『イガグリの恋』みじんこさん
悲しいお話ですねぇ。童話というよりは寓話という感じですね。愛するためには命も投げ出すという岩清水(古すぎて判らないか?「愛と誠」という漫画で、(君のためなら死ねる)という名文句を残したの登場人物)を思い出しました。人間世界に置き換えての話にしてしまうとベタな感じですが、こういう風に人間以外のものに置きかえると、抵抗なく読めてしまいます。良かった。

Entry.10『目』3104さん
専属のキャディーを持っていない年老いたプロゴルファーが、いるかどうかは判らないし、柏井道子というプロゴルファーも知らないが、私は最近ゴルフをしていない。下手だというせいもあるが、会社が変わってから、ゴルフをやる人が殆どいなかったという所為もあるだろう。ゴルフを始めた時にイギリス製のゴルフシューズを貰ったが、今ではソフトスパイクが主流になって履かなくなってしまった。しかしメートル法が実施されて随分になるけれども、相変らずゴルフはヤード(メートルも書いてはあるけど)で言ってるなぁ。

Entry.11『古い家』志貴さん
おもちゃや動物騒ぎ出し、お祭りをする不思議ふしぎ。
ラストで猫がきゅむとなく、終いもなんだか可笑しいぞ。
出来れば、言葉を吟味して、祭囃子に合わせたテンポ。
書いてくれれば、もっと良い。
それから登場人物が、沢山いるのはいいけれど、
祭りのようでいいけれど、多すぎて絵が不明瞭。
そんな気がしてしまいます。

Entry.12『星祭の夜』NEKONETさん
宮沢賢治。懐かしい。イーハトーブの世界が感じられます。でもmacが出てきたりしちゃあ、ちょっと興冷めじゃないでしょうか?映画化されたあの動物版の「銀河鉄道の夜」みたいにもう少し余韻に浸っていたかった。まだ2/3しか書いてませんよ。

Entry.13『生贄の家は蘇る』もるもるさん
ストーリーは判るんですが、この主人公の能力や街の人達からの冷たい視線の意味が判りませんでした。現代に息づいている風習というか生贄の儀式の不思議さや、それを多分知らずに犠牲になった隣の女性。それから開花したという能力。なんだか判らないものを何かにしてしまえるという能力はなんだか凄いようでもあるが、何が凄いのだか見当もつかない(年とったなぁ)この不思議な雰囲気が楽しめればいいのかも知れない。

Entry.14『残暑、寂しい人達』MOMAさん
妙に現実的な話で、実話なんだろうかとさえ思える。仕事に追われ本当にこれでいいのかと思い悩む年代の様子を、思い出してしまいました。暑い夏でもスーツに身を包んで仕事をし、残業なんていうのは当たり前で、仕事は出来て当たり前。そりゃそうなんだけど、なんか違うんじゃないのかなぁって思ってしまう。結婚なんてまだ先だと思ってはいても、遊んでばかりもいられない。何だか身につまされるようでした。

Entry.15『天狗』さとう啓介さん
ウーン。良い話だ。私もこういうの書きたい。だけどなんだかいつも斜に構えてしまって、書けないんですよねぇ。やっぱり私の性格の所為でしょう。羨ましい。

Entry.16『台風の夜』ウナイさん
東京ではいくら台風などといっても、停電なんて事はありません。昔田舎に住んでいたころは、確かにこんな話のような事がなんどかあったのを思い出しました。はたしてそれが良いことなのかどうかは判りませんが、自然の大きさを実感できるチャンスではあります。そういう意味では、沖縄の台風を経験するというのは、良いことなのかも知れません。もっとも無事に台風が過ぎ去って、家もなんともないという条件が付きますけどね。

Entry.17『二人羽織りの亭主』しょーじさん
いつ出るのかいつ出るのかと待ち望んでおりました、夜の生活。ラスト間際で少ない文章で、ちょっと物足りない感じはしましたが、やったあ(笑)しかし、この二人羽織りで、前の夫が後ろの夫の顔も知らないという設定だが、一体後ろの夫はいつ食事をしたりするのだろうか?お風呂に入る時も二人羽織りを着ているとは思えないし、重婚みたいなもんだから、多分社会的には見とめられていないんだろうなぁ。設定が面白いだけに、謎の部分が沢山出てきてしまって、こりゃあ眠れそうもない(笑)

Entry.18『おっぱいマニアの女』Jamie.Eさん
お笑い系の話だが、私だっておっぱいは大好きだ(笑)しかし何も揉まなくても、触ればわかるんじゃないのかなぁ、なんて思う。そういえば漫画で、身体に触れただけでそのサイズが判り、ピッタリとあった下着を選べるなんて男がいたなぁ。最近のブラのCMを見ると、寄せたり持ち上げたりパットも色々あるみたいで、何の為のおっぱいなのか(ブラなのか)判らないよなぁ。あんな詐欺みたいな事をして、体に合わないブラなんかして、馬鹿だなぁなんて思ったりしている。

Entry.19『アルパカ桃源郷』伊勢 湊さん
前回のあらすじまで入っていて、サービス満点です。まさか長男がアルパカとの子供だったなんて話に発展するのかと思ってドキドキしてしまいました(笑)私もそのうち、「さるかにの水」の続編でも3000字で書こうかなぁ、なんて思ってしまった。

Entry.20『ひらがなかおす』自作
ひぇーっ。おかしな文がある。見なおしたつもりだったけど、忙しかったからなんて言い訳にはなりませんねぇ。「痴人の愛」をパロディで「詩人の愛」にするつもりで書き出したんですが、全然まとまらずテーマさえも変わってしまった。登場人物をひらがなにするというアイデアは前から考えていましたが、やっぱりこの書き方は充分に推敲しないと面白さが出てこない。ちょっともったいなかった(笑)

Entry.21『地主とホステス』鮭二さん
うちの会社にもそういう地主さん?が勤めています。趣味みたいなもんなんでしょうが、部長さんですから一生懸命働いています。なんでも彼の親の土地は、ある駅を降りると見える範囲が殆ど彼の土地だという話ですから、大変なお金持ちなんでしょう。彼自身もアパートを持っています。昔は羨ましいとか思った時期もありましたが、貧乏人のヒガミからか、最近は達観してしまいました。どうせいくら働いたって、そんな土地は持てない。銀行強盗やったって、今じゃ無理ですからねぇ。そういえば、家の近くの駐車場とかアパートなんかも同じ名前が所有者になっているものって結構ありますねぇ。おばあさんが一人で切り盛りしてるらしいという噂はありますが、ふーんてな感じです。

Entry.22『おいしい数字』綾重寄之介さん
12年後には日本はなくなっているんでしょうかねぇ。そうだとしたら恐いです。誰が書いたのか、どういう経緯でそれを知ることが出来たのか、私なんかそういう話を書いてしまいそうですが、その事が書かれていないせいで、不思議さは読者にお任せという持っていき方も面白いと思いました。こんどはひらがなじゃなくて、数字でいって見ようかなぁ(自作参照)

Entry.23『穏やかな侵略』羽那沖権八さん
ミイラとりがミイラになるって奴ですね。侵略物のパターンとしては、珍しい話ではないと思いますが、完璧に侵略されてしまった地球の姿が後日談としてというか、過去の昔話として侵略者の子孫の間に伝わっているという話にしている点が、面白いです。しかしこうして地球は平和になっていくというのは、今の地球人としては悲しいですねぇ。自分達の力で平和な世界を築いていきたい(笑)

Entry.24『残光』有馬次郎さん
最近の有馬さんはいぶし銀みたいだ。なんかいいなぁ、こういうの。本当は私もこういうのが書けたらいいんですけど、私の稚拙な文章ではこうはいかない。息子に対して酷い父親だとは理解しているのに、どうしても良い父親でいることが出来ない。多分奥さんとも離婚してしまっているのでしょう。自分の子供と同じ位のの年代の人を見て、自分の父親の気持ちがなんとなく判った気がするというのは、遅すぎた感はありますが、仕方がないことなんでしょう。ラストで施錠されてしまった出口の鍵も、なんだか人生を表しているようで、悲しい。

Entry.25『鷲鼻の奇術師』越冬こあらさん
子供の頃の不思議な体験。大人になって思い返すと多分想像だったのだろうとさえ思える事柄は、ひょっとしたら本当にあったのかも知れないのに、曖昧になってしまった記憶と大人の知恵が、不思議な世界を否定してしまう。それだからこそのファンタジーであります。鷲鼻の奇術師が本当のお父さんだったというオチにならないでいたのが良かったと思います。