第17回1000字感想

 全感想というのは、やっぱり疲れてしまいますんで、これからは抜粋して感想する事にしようかと考えています。
 書いた以上は、他の人がどう思っているか、どんな意見でもいいから聞きたい、という欲求があるとは思いますが、規約違反(1000字を超える物)や、短いもの(900字未満:これは自分の勝手な都合です)については、勝手ではありますが、これからは感想対象外とさせていただきます。
 勿論短くても、ちょっとだけ長くても、いい作品はあると思いますし、読ませて頂きますが、一応バトルと銘打っている応募作品ですので、感想から外すというスタンスを取りたいと思います。
 で、今回の感想対象はと見ると、なんと17作品しかない…。これではちょっと、いくらなんでも…、ねぇ。という事で、感想対象外の作品には、読んだ後の一言だけという事にしましょう。

Entry1●『死ぬ悲しみ』keiiさん(781文字)
被害者が、彼女かどうか不明確では、タイトルが生きない?

Entry2●『鴨川にて』泉原 豊さん(862文字)
主人公の淡々とした様子が心地良いが、段落を少し増やして欲しい。視覚的に損をしている気がする。

Entry3●『蒼い空』湖東一井さん(949文字)
「君の目の前で、君の背中をただジッと」という表現で、始めは向かい会っているのに、何故背中を見る事が出来るんだろうなんて考えてしまいました。背中を見るというのは、彼のやってきた事を思い出すという事なんでしょう。だけど暗い感じがしない自殺の話しというのは、嫌ですねぇ。しかも子供ですからねぇ。

Entry4●『蝉』高坂尚志さん(999文字)
うん。なんかいい感じだと思います。空気の振動=空気の波(音)ですから、ちょっと変かなとも思いましたが、これは途切れない震える音という事なんでしょう。確かに蝉の羽音は中々に途切れない。暑い夏の蝉の声(音)から、昔のことを思い出し、現在に至るという設定もムリがなく、いいと思います。ただ、彼女はとうに忘れてしまっているであろうし、本来は主人公だってはっきりと覚えているとは思えませんから、大人の自分が話しを補完しながら創作しているんでしょう。そうでなければ、蝉の声を聞く度に思い出すであろう内容ですからね。いままで彼女に言わなかったとは思えません。そういう意味では創作っぽさが残ってしまったかなとも思いました。

Entry5●『ウルトラマンの懺悔』松拳さん(1024文字)
ウルトラマンはゾフィーにの次に偉いウルトラ警備隊の隊員ですから、まずこういう設定は成り立たないでしょうし、ウルトラタワーのエネルギーの所為で超人化した彼らウルトラの星の人達は、勿論普通に食事をする設定になっています。オチが弱い。(一言じゃないなぁ)

Entry6●『欠落した感情』斉藤ユエさん(846文字)
感情が欠落しているという事は判るが、それで何がいいたいのか判らない。

Entry7●『夏祭り』川辻晶美さん(1000文字)
読んでいて情景は浮かぶし、判り易いんですが、話のパターンが変わらないので、なんだか飽きてしまいました。(ごめんなさい)どうせお遊びなんですから、もっと話の展開方法を変えるとか、冒険してもいいんじゃないでしょうか?勿論作者がこの形がいいと思って書いているんでしょうし、悪いとは思いませんが、力量はあると思うので、色んな文章を読んでみたいです。そうする事で勉強にもなると思うんですけどねぇ。(と偉そうなことを言ってしまいましたね、またまた申し訳ない)

Entry8●『心中』織原桐哉さん(771文字)
話としては面白いけど、後に残らない

Entry9●『待ち合わせ』BEANさん(992文字)
想像しはじめた。と書いてあるのに、想像の部分が、想像でない様な現実感がありました。引き込まれました。これは他人毎だからなんでしょうか?私はあの身の上相談みたいな番組は好きじゃありませんが、ひょっとしたら、やっぱり他人の不幸は蜜の味の部類なのかも知れません。面白かったです。

Entry10●『遺書』ぱんちさん(1000文字)
今夜、あたしは死にました。で始まる作品があったのと、今回も死を扱った作品が多いんで、また?と思ってしまいました。でも、遺書というだけあって、まだ主人公は死んじゃいない。でもこんな何となく死ぬというのが、ちょっと恐いです。自殺だけでなく、いろんな事が低年齢化しているけど、こんな中学生が書く様な取りとめもない文章が遺書だったら、親は泣くに泣けないだろうなぁ。そういう意味では、自殺のバカバカしさを訴えている?この遺書は意義があるかも知れない。

Entry11●『真夏の音場』紺詠志さん(1000文字)
「みよみよ」で吹き出した。それ以降はニヤニヤ笑いが続いてしまう。情景描写の文章も面白いし、やっぱりこの作者は只者ではない。こんな文章を書くにはどうしたらいいんでしょうか?教えて欲しいもんです。

Entry12●『岐路』紅緋蒼紫さん(999文字)
逆賊として名高い明知光秀は、はっきりいって信長の真の意味での天下一の人間(天皇も殺してしまう)という考えに反抗したと考えている私には、光秀の行動が悲しいです。あの後信長の腰巾着であり、本当の展望が無かったと言われる秀吉がいち早く駆けつけて来なければ、歴史も変わっていただろうにという思いは、誰でもあるでしょう。そんな中の一説としての、話は面白かったです。出来れば作者の歴史感というものが、もっと出てくると良かった様に思いました。

Entry13●『戦後*年にささぐ』有香さん(1003文字)
ひぇーっ。又死にますだぁ。回想しているのがいつなのか不明だが、雰囲気はある。

Entry14●『くすり』吾心さん(995文字)
名前に「喜劇笑劇部門の」と書くだけあってお笑いだ。又、喜劇笑劇部門宣伝の為に、感想やるんだろうか?
アスピリンも人口の物とそうでない物とがあったと思いますが、ヘロインも確かに頭痛薬には違いない。ガンバレ、喜劇笑劇部門!

Entry15●『腕』フジケンさん(495文字)
そんなことで死んではいけない。

Entry16●『夜の蝉』伊勢 湊さん(992文字)
小学二年生は、もう自分の事は出来るという、親の勝手な思い込みもあるんだと思いますが、自分に都合の良い様に捉えてしまう。その所為で子供の命を奪ってしまうという人間というモノが、夜の蝉に対する態度にも表れていて、作品として楽しめました。子供にばかり手をかけていられない。自分は自分だ。そういう風潮はやっぱり悲しい。

Entry17●『新記録』羽那沖権八さん(918文字)
出るからには勝ちたい。そう思うのは悪い事じゃないと思いますが、オリンピックの競泳の予選で一人だけでやっと100m泳いだアフリカ?の選手を思い出しました。参加することに意義があると謳ったオリンピックも、国の為に頑張る人もいれば、参加出来ただけで喜んでる人もいる。出来ればスポーツは、発祥理由の「奴隷の力比べ」からは脱却しているようではありますが、こういう風にはなって欲しくないですねぇ。でももっと記録を伸ばすには、酸素を身体中に運ぶための心臓の手術も必要になるかも知れないなぁ。

Entry18●『ペット』自作(1000文字)
私の好きな、サラトガ探偵シリーズの第1作「サラトガ警部の大手柄」だったと思うけど、その中で主人公がアパートの一室に入りたいが為に、管理人を丸め込もうとするシーンがあり、中々部屋に入れて貰えず、話の途中で出てくる熱帯魚の話の中で、「魚は?」と聞かれたときに、今まで調子を合わせていた主人公も、いい加減イヤになった様で、「タルタルソース」と答えるシーンがある。これはその一説のパクリ。
2作目は、この管理人が主人公の助手になって(おじいさんなんだけどね)事件に手をつけていく。ワトソン役の彼の話の進め方に感動。すごい話の展開。こんな風に書けたらいいなぁと思って、ついつい書いてしまった。ごめんなさい。

Entry19●『怪獣啄木』蛮人Sさん(1000文字)
「サイコーです」といっても私は宗教に走ってはいませんし、啄木はあまり好きではありませんが、彼の作品をパロって尚且つ、話にしてしまうなんて、花丸です。文句なし。

Entry20●『拷問』百内亜津治さん(1014文字)
始めの方で、主人公が人間でなく、便器なのかと思った。

Entry21●『九月の花束』一之江さん(1000文字)
ラストの「花屋の男の人でも?」にドキン。男性の主人公は始めての作品だろうか?このせりふだって女性にしてみれば、きっと大層な理由もなく、ちょっと聞いただけなんだろうけど、男だって気になる女性からこんな事を言われたら、俺に気があるのかななんて思ってしまいますよ。勿論全然関係ないんだろうなぁ。一之江さんの話って、こういう誘っているのかと匂わせる作品が多いですが、私は好きです。ハード(不倫)もいいけど、やっぱりソフトだなぁ。

Entry22●『衝動』放物線さん(999文字)
ひぇーっ、恐い。確かに衝動的な事件だ。これは一種の正当防衛に当たるはずだけど、過剰防衛には違いない。ひったくりを見た瞬間に身体が動いているんだから、本体は考えてないはずだけど、それを、理由付けしてしまうというのは、私には出来そうも無い。これは自分の行動心理を、自分で解き明かすというのが、好きじゃないからでしょう。話しを書くんだったら、やっぱり行動で理解できるように書きたいからね。

Entry23●『ラーメン』越冬こあらさん(1000文字)
久しぶりのこあらさん、嬉しいなぁ。ずーっと話していたのは、店主だったのかぁ。生まれ変わりがあると信じて実践している宗教は、ダライラマのカバラくらいだったと思いましたが、日本は何でもありだから許してしまいましょう。ラストのラーメンは、また店主の奥さんの生まれ変わりなんでしょうか?

Entry24●『ぷりゅっ』Momo(りんね)さん(1015文字)
タイトルが可愛い。出来れば死体(死骸?)には鼻なんか付けて欲しい。

Entry25●『それぞれの約束/すれ違いの約束』ショート・ホープさん(1004文字)
ラストの目覚めたときには、彼女を知っている人間になっているっていう。これって多重人格症の人の話なんですかねぇ。

Entry26●『意地』三月さん(1000文字)
これって実話なんですかねぇ。確か三月さんはバイトで、塾の先生をしてるって事でしたけど…。K先生が辞める理由が、校長との意見の相違だったとしたら、ちょっと悲しいですねぇ。生徒を育てるための仕事なんだから、このまま辞めてしまったら、教育よりも自分の信念(どんな事かは判りませんが)の方を大事にしているって感じてしまいます。でも、それじゃぁ、授業が無くても塾に来る。しかも親が死んだ日にまでというのからは、ちょっとK先生の信念(意地)が理解出来ませんでした。

Entry27●『ファイナルアンサー?』鮭二さん(1000文字)
タイトルから判断すると、これで鮭ニのエロスワールドは打ち止めでいいですか、という事なんだろうか?だとしたら、「いいえ、違います。鮭ニさん。もっと私は続けて欲しいです」という答えを返してしまいましょう。鮭二さんの一連のこの遊びとも思える世界は、一種独特ではありますが、とても気にいっています。出来ればまだまだ続けて欲しい。一体この後、どういう風になっていくのか見ていきたいです。こういう世界って今の文学界じゃないと思うんですよね。止めてしまうのは、絶対惜しいです。ってタイトルの意味を勝手に間違ってたりしてね。