第22回1000字感想

今回の感想も遅くなってしまいました。又仕事が忙しくなって、後少しという所でずるずると長引いてしまった。まぁいつもの通り感想というよりは、おじさんの戯言です。今回は私も久しぶりに参加しましたが、久しぶり過ぎて恥ずかしい作品になってしまいました。相変らず自分の作品は棚上げしての感想です。今回は前回よりは面白かったような気もしています。新しい作家の方々も増えてきていますので、段々楽しくなってきているのが本音ですね。感想の長い短いは作品の字数にも質にも全然関係ありませんので、御了承下さい。

Entry.01『さよなら』叙朱さん
別れたいけど別れる踏ん切りがつかないらしい主人公と別れたくないと思ってる女の子との恋愛模様でしょうか?優柔不断な主人公ですが、このまま馴れ合いで過ごしてしまいそうな雰囲気が出ています。少しでも楽しくすごしたいと思っている彼女の気持ちが可愛い感じがしました。

Entry.02『サラ金パラダイス』有馬次郎さん
お金は使うためにあると思っている私には、こういう発想は湧いてきませんでした。確かに1週間無利息というのがあるのは知ってましたが、見せ金に使うというのはいいかも知れませんねぇ。まぁ一種の詐欺みたいなもんだから、これはちょっとアイデアとして頂いておいてそのうちどこかで使おうかなぁ。でもティッシュってどうして、銀行は街角で配らないんだろう。配っちゃいけないという規則でもあるのかも知れない。

Entry.03『それゆけデッドビッキーズ』もんでん琴戸さん
懐かしい。確かテイタム・オニールがピッチャーだった映画ですよねぇ。ペーパームーンなんていう親子で共演した映画がヒットした後の作品だったと思いましたが、さすがにうろ覚えです。それから確かレッドビッキーズなんていうチーム名のやっぱり野球のテレビがあった様な気もします。これは確かベアーズの影響で出来た番組だったんじゃなかったかなぁ。って古い話はいいんですが、やっぱり強い奴が入らなくちゃ勝てないという監督には脱帽ですね。下手な奴が一生懸命やってもダメなんだという大人の意見。これを小学校の子供達がどう受け入れるのかには興味がありますが、こうやって大人になっていくんでしょうねぇ(ラストでもそういってますから)

Entry.04『雪の次の日に一人の女の子が、芯から晴れわたった空の下、朝早くでかけるわ』石井和孝さん
想像するという事はすっごく大事な事だと思います。はっきりいって何がいいたいのか判りませんでしたが、あぁ気持ちがいいんだろうなぁとは感じました。タイトルの「…朝早くでかけるわ」というのは、正しいんでしょうか?何か途中で切れている様な気がしてちょっと不安になりました。

Entry.05『セクハラ警察』のぼりんさん
「ぱーんって撃って」といういい訳が出てくる程の知能犯とは思えないから、やっぱり事実なんでしょう。なんていう事はいいんだけど、前回の言葉遊び同様今回も面白い。こういうセンスは見習いたい。最近頭の回転が鈍くなったように思えてくるのは年のせいかなぁ。

Entry.06『風邪』ななはさん
いやぁ。可愛いですねぇ。前振りでお医者さんに逢いたいと断っているのも好感が持てます。私がカゼをひいて医者に行くときは、ひき始めじゃない時は治りかけになってしまうという現状ではありますが、考えてみれば病気の時くらいは、会社を休みたい。

Entry.07『むくむくへの憧憬』一之江さん
あれっ。これってひょっとして、前回の私の感想を受けての作品ですか?だとしたら申し訳ない。結婚した頃の体型に戻って、あのアツアツの新婚の頃に戻りたいと思う女性の可愛らしい気持ちが伺えます。それが正しくそうなのかどうかは、男性の私にはわかりませんが、そう感じます。「げっぷを一つ」とか「言ったって言ったって」とかの一之江さんらしい現実と想像の間を優雅に泳いでいる様な文章が好きです。タイトルの「憧憬」は昔々の小椋桂のアルバムと同じ様に「憧憬(あこがれ)」と読んでいいんでしょうか?

Entry.08『僕の風景』杉田晋一さん
うーん。はっきりいって判らないです。私には理解できません。主人公と彼女との関係は元より、もうすぐ離れ離れになる運命のようでもあり、それが死という事なのかとも思えたんですが、全然違う様な気もします。彼女には特異な能力があって主人公の事をなんでも判っている様ですが、普通の女の子らしいし…。まだ文字数がありますから、出来れば、例えば「(なんでも判ってしまう)彼女は(意識を集中している)呼吸と暗闇(の中にいる僕のこのもの思い?を理解すること)には負けていた」なんていう風に、多分全然違うとは思うけど、言葉を加えれば理解しやすいんじゃないかと思うんですよね。難解な文は私はあまり好きじゃないんで、出来れば理解し易くして欲しいと思います。

Entry.09『彼岸花』さとう啓介さん
鼻毛の抜きあいというのには、笑ってしまいました。奥さんに鼻毛を数えられている(旦那を手玉に取っているとも取れる)という設定も可笑しいです。鼻毛を抜くというのには、騙すなんていう意味があったと思いましたし、彼岸花の花言葉を調べたら「悲しい思いで」らしいですが、なんか明るくていいです。

Entry.10『僕のマリー。』ミヤンさん
普通の女性に思える彼女ですが、僕が彼女を想っているのに気付いてくれないという悲しさを表しているんでしょうか?ひょっとしたら、僕自身は彼女の中にいる何番目かの意識なのかも知れないなどと思ってしまいました。

Entry.11『顔の見えないラブソング』鈴木 真二さん
「躊躇(ちゅうちょ)」に「い」を付けると「ためらい」と読むのは知りませんでした。勉強になるというよりは、自分の字の知らなさを暴露しているだけなんですが、誤字脱字の多さがこれも誤字なのかと思ってしまったのも原因でしょう。(って人の所為にしている)始め「KISS」を演じって意味が判りませんでしたが、メールの遣り取りの中での「好きよ。チュッ」ってなもんなんでしょう。話としては、誰でも発想してしまうという感じの話で、それもとてもじゃないけど、ありそうもない話ではありますが、好感が持てました。

Entry.12『裏庭に忘れて』川島ケイさん
大学2年の孫がいるという事は、おじいさんはきっと高齢だったんでしょう。私のおじいちゃんは、私が小学校の時に亡くなりましたから随分昔です。文章からすると過去の思い出として描いてあるようなので、おじいさんの思い出話としての作品と考えると、ラストの「私はつい、笑ってしまった。」というのは、納得できます。でもこんなふうに文章にしてしまったら、余計に忘れられなくなってしまいますよ。

Entry.13『誕生日』伊勢 湊さん
ふぇーん(泣)こういう話は私はダメです。ふわふわの恋愛物と、うるうるのお涙物は不得意です。「スチュアート・リトル」というねずみの養子を貰う映画がありましたが、(原作はねずみの子供を産んでします話だったけどね)「産みの親より育ての親」という言葉があるくらいですから、いつも一緒にいてくれる、優しい育ての親としての彼らを認めたんですねぇ。本当の両親がいったいどうなったのかは気になりますし、よっぽど記憶に残したくないような事があって、ひょっとしたら彼ら兄弟は一時的な記憶喪失にさえなっているのかも知れませんが、今は幸せな彼らをそっと見ていてやるだけでしょう。

Entry.14『聴こえないレクイエム』川辻 晶美さん
これは悲しい話だとは思うんですが、私にはペットの飼い方の方が気になりました。パパとかママと犬に思われるというのは、ひょっとしたら子供の変わりとして飼っていたであろう事が伺えます。そういう犬を捨ててしまわなければならないという悲しさはあるんでしょうが、所詮ペットだからと割り切ってしまうという考え方に反感を持ってしまいました。もちろんこの話はそんな事をいっているのでないことは解りますが、これが人間の子供だったらどうなんだろうと思うと、ちょっとやりきれないです。

Entry.15『眩惑』百内亜津治さん
なんだかなぁ、わかりませんよ私には。タイトルから察するに、これは主人公の眩惑なんでしょうか? それとも読者に対して惑わせているんでしょうか? 多分これは内容を理解する必要はないんじゃないかと思いますんで、ただただ言葉の並びの不思議さ(と言うほどでもない様な気もするが)を楽しめばいいんでしょう。

Entry.16『死んだ医者の呪い』羽那沖権八さん
「鈍い寝台車」と「死んだ医者の呪い」という言葉遊びが、始めの一文で解ってしまうというのは、どうなんでしょうか?ストーリーからすると、私ならば医者を殺して逃げている犯人の心情だけを描いてきて、鈍い寝台車になんか乗るから呪いなんだなぁ。ってな感じにしてしまいそうです。

Entry.17『あべこべ』耕田みずきさん
軽い気持ちで書いてある気がしました。子供が自殺するまで親が子供の気持ちを知らなかったというのは、やはり親の怠慢でしかないと思います。それともこういう軽い気持ちでいちゃあいけないんじゃないの?という問題提起なんでしょうか?

Entry.18『顔』やまだ小麦也さん
なんかハードボイルドな感じがします。疲れきった男達がたむろする憩いの場所、いいですねぇ。それでも男達は起ちあがって、仕事にせいを出すんですねぇ。ちょっと退廃的な感じさえする人達が、看板おばちゃんの顔を見てほっとするというのが、又いいです。

Entry.19『涙』自作
加齢刑というのがあったら恐いです。って自分の作品に他人事みたいに感想を書いても仕方がないんですが、これはやっぱり1000字の話じゃないよなぁ。随分削除したから余計に話が見えなくなっている。始めはラストのおばあさんだって加齢刑を受けた女の子だったんだよねぇ。

Entry.20『ツグミと椋鳥とひよ鳥』海坂他人
バードウォッチングの手記みたいですが、どちらかというと○○動物記の導入部分みたいです。ツグミもむくどりもひよどりも、私の家では見られません。都会で見られる鳥といったら、カラスと鳩ぐらいになってしまって、最近じゃすずめさえも見なくなりました。悲しいです。

Entry.21『たいようのむすこ』megさん
「。」が最後の方にひとつだけしかないというのに気付いてびっくりしてしまいましたが、こういう話はOKです。関係ないけど、キラキラ自分から輝くから星ですが、自分から光らない場合は惑星ですって当たり前だけど、このことを知らない人って結構いるような気がします。プラネットとスターとの違いは自分で光る(燃える)かどうかですからね。ほんわかした感じの童心に帰るような話で、嬉しかったです。

Entry22●『ため息』BEANさん
いったいどうやって性欲を取るのか興味がありますが、性欲が無くなったら悲しいですねぇ。ため息よりは大事な気がしますが、完璧な人のため息というのにも興味があります。香水の様に芳しいオナラだとか、人間と会話が出来るオウムだとか、ありそうだけど無い?からこその興味でしょうし、隣の芝生は青々と茂って見えるものです。でも完璧な人のため息を買う事で、かれにはため息が出なくなったのかも知れませんねぇ。それを思うと結果オーライのような気もしますが…。その辺は書かれていないので、何ともいえません。

Entry23●『通りすがりの伝説』mapさん
こういう誰も知らないところで、人類の危機を救うという話はよく漫画なんかにありますが、私は好きです。7・8年前にも富士山が爆発するという話があって、日本中の霊能者たちが人知れず、爆発しないように祈ったなんて話を聞いた事がありますが、誰にも知られずに密かに何かが進んでいく話というのは、私もよく書こうとしていますが、こういう明るいのもいいなぁ。

Entry24●『儀式』サトコフさん
アイザックアシモフが書いたんだと思ったけど、やっぱり8cmくらいの悪魔が出てきて、色々なことをしてくれる話を思い出した。「ペキン」の後の菩薩の御満悦ぶりには、笑ってしまった。3つの願いのパターンで、どうやって魔王?を出そうかと思っていたが、こういう呼び出し方っていうのも面白い。そのうち使わせて貰おう。

Entry25●『地球の歩き方』るるるぶ☆どっぐちゃん
こういう酔っ払いが適当に言っているのかと思ったら、本当にハッキングしていて核戦争が始まるというのも、現実離れしていて面白い。殆どが酔っ払いの戯言だというのも新鮮だった。