第24回1000字感想

まずはごめんなさい。私の作品を読んでしまった方にはあやまります。酷いです。それでも他人の作品は貶してしまうのです。ですから、いつものように自分の作品は棚上げしています。なんだか今回も辛口かも知れません。私が勝手に思ったことを書いていますので、あまり気になさらずに星占いでも言ってるくらいの気持ちで読んで下されば幸いです。
それから今回は、勝手にお薦め度を付けさせていただきました。でもお薦めした中にチャンピオンがいなかったらどうしよう。

○私はお薦めします
△読んでもいいかな
×あまりお薦め出来ません

△Entry.01『静かに、いかせて』有馬次郎さん
この変態はどこからやってきたのだろう。Q書房参加の若奥さんが、最近またこの手の作品を彼女のHPで月刊で掲載しているが、こんな作品を書いてみたいとの思いが露出してきたのだろうか? 主人公の変態度は確かに凄いです。ラストでやっぱり失敗してしまうというオチにしてしまったのが残念だ。成功して彼の情熱が迸りでた後は、一体どうやって始末するのか興味があった。

△Entry.02『蝶を放つ』谷本 みゆきさん
登校拒否児童が主人公のようだ。主人公と母親との掛け合いが興味深い。放任主義を主張しながら子を案じているような母親と、そんな母親を鬱陶しいと思っていながらも、自分の意見を母親には言えないでいる娘。そんな関係を、蛹から羽化した蝶を逃がすことで、娘は自分に置き換えてでもいるようだ。「あんまり構わないでよ。私はやっていけるんだから、今はまだ蛹だけどいつか蝶になって飛び立っていくんだからね」なんてことを娘が母親にいいそうである。ちょっとくらいの邪魔は大目に見てあげるとでもいいたいのだろう、リンプンをいじっても許してあげるわ。なんてね。

△Entry.03『オーディション』のぼりんさん
ブラックジョークというのは、日本人には向かないということをよく聞きますが、これはやっぱりブラックジョークなんでしょうねぇ。ホラーというよりは、コメディ調で暗さがありません。最近はゴルフバッグとは言わずにキャディバッグというんですかねぇ。「モノ」といわなくても良かったような気がしました。例えば、 彼がその中から取り出したものを見せられた審査員達は、その美しさに声を失った。それはすっかり血の毛は失せていたが、確かに他の誰のものよりも白く美しかった…。なんてね。但しこれだと1文字足りない(笑)

△Entry.04『来年の今頃は、』水無月 双子さん
この作品を読むと、やっぱり男はロマンチストなのかなぁと思う。一面の花の季節に不倫の相手の思いも知らず、自分勝手な事を思っている。家族も大事。そして今のこの恋愛も大事として、どうにかなるだろうという惰性で進んでいる。それでも今の現状を満足と考え、出来ればこのままであって欲しいという身勝手な心情がよく出ている。はたしてこれが男への警告なのかどうかは分らないけどね。

△Entry.05『そば』サトゥさん
なんか可愛い感じがする。私の弟は長距離恋愛をしていて、当時は急に電話代が増えて親には凄く叱られていたけど、今では一緒になって子供も大きい。なんかそんな弟を思い出してしまいました。

○Entry.06『僕はゼリィ』花音(カノン)さん
ひと夏の経験。というよりは「ひと夏の変態」だぞ。暑くなってきて変態性の気圧でも配置されたんだろうか。(とおやじギャグは面白くない)人のいない海で彼女が自分のナニを海の中で咥えていると思うと、少し興奮してしまう。

△Entry.07『ヘ−ぼんな日』渡瀬ミウさん
何故に牛なのか。牛であるべき訳はなんだろうと思ったが、もちろん私には分らない。いつのまにか彼女が押しかけてきたという意味にも取れるけど、そうでもなさそうだ。ちょっと不条理な世界なんだろうか?私にはその面白さが伝わっては来なかった。

△Entry.08『五月雨のリニア』さとう啓介さん
五月雨がラストにも来ていてちょっと鬱陶しく感じたがこれは、五月雨式にどんどん何度も続いていくという意味を含んでいるのかも知れない。昔はディーゼルカーに乗せてくれた父が、リニアの開発から離れるが、ひょっとしたら、これが俺が開発してた奴だ。なんていって得意気に息子にリニアを見せるのかもしれない。そんな父親を誇らしく思っている息子が、なんかほんわかとした気分にさせてくれる。

○Entry.09『妖怪女房』よしよしさん
奥さんが比喩でなく妖怪というのは面白い。それを恐がらずに生活しているからこそ、こういう作品になる訳だけど、私にはこういう作品が書けないのが悔しい。最近特にこういう作品を読むと、自分の才能の無さにつくづく感じ入ってしまうのである。ラストのメス猫を女房にするというのも、ちょっと変態じみていていいなぁ。

△Entry.10『イントゥ ザ ブルーグラス』梅田 小径さん
短くするための策としての事なのかも知れないが、副詞の省略の仕方が意表をついた削り方でちょっと新鮮な感じがした。ちょっと高級感のあるレストランでの他愛の無い会話がありがちだが、窓ガラスを割って逃げるのかと思わせるラストは恐い。下手すりゃ怪我だけじゃすまないぞ。ラストのLAKE(湖)というタバコに記憶はないが、これはLARKの誤字だろうか、それとも湖に引っ掛けた彼らの心情なのだろうか?(湖では意味がよく判らないから考え過ぎかも知れない)

×Entry.11『チョコレート色の夢』HIKAさん
バニラなら昔あったけど、チョコレートフレーバーのたばこというのは聞いた事がないし、吸いたいという感じはない。思い出した忘れ物が何かというのが、昔愛した男が吸っていたタバコのような気もするが、よく判らなかった。そんなに心が幸福感で満たされる程の事かどうかは、本人じゃなければ分らないんだろうが、それが感じ取れなかった。

×Entry.12『彷徨う男』イサオさん
私は携帯電話が嫌いだ。もちろん仕事の関係上持ってはいるが、メールを打ったことがないし打ち方も覚え様とはしない。メル友というのにも興味がないし、必要性を感じてはいない。新しい世界に入れずに取り残されているのだろうとは思う。メル友が異性じゃなきゃイヤだという発想も分らない。もちろんこの主人公の悩みには付合いきれない。

×Entry.13『あなた…』英 康作さん
ラストのオチを途中で感づいてしまったのは残念。せりふだけじゃなくて、オチを気付かせない程度の彼女の様子が書かれていてもいいかなぁと思いました。

×Entry.14『ヾ(-.-) 「フタリハヒトツデシタ」 (-.-)ノ^^^^』小林 祐悟さん
よく解りませんでした。ふたりはひとつというのを童話として読めばいいのか、それとも収まるところにおさまれば、良い結果が表れるという何かの例えなのか…。いったい何なんでしょう。

×Entry.15『はしか』佐藤 和美さん
作者の名前は私が勤める会社に同姓同名の人がいるんでびっくりしましたが、もちろん違いますよね。彼女は今産休中ですし、旧姓が同じというだけですから…。先生の「はしか」だよというさらっと流す言葉が手馴れているというか、さすが先生というものだろう。それでも主人公は、はしかだっていっても違うというラストの感情が可愛い。

×Entry.16『98.10.3』赤坂麻美さん
私はこの年になっても野球が好きじゃないんで、野球選手の事は殆ど知りません。多分タイトルはその野球選手の引退試合のあった日なんでしょう。途中の「ミットに吸い込まれることではなくて、バットに弾かれることを願って投げられた…」なんていうのは、野球選手への思いから来たものなんでしょう。でもこういうものっていうのは誰にでも感動を与えるものじゃないと思うんですよね。全く知らない人には、ただ引退試合を見ているだけのヒトコマでしかありません。オフィスで野球の試合が見れるなんて、なんていい会社なんだろうくらいのもんです。

○Entry.17『Go on the Road』サーモンピンク2回転さん
気に入りました。面白い。大魔術師とでも言っているのかも知れないウラジミールベルコビッチ氏と助手のアントニオ(しかしロシアとスペインという取り合わせ?)との関係も(師匠なんとかならないのといっているようで)笑いを誘う。

○Entry.18『ポンコツ先生とキジ』紺詠志さん
ロボット物ならこの作家という位にいつもロボット物だが、いつも人間を書いているのがいい。今回は童話っぽくなっているけど、ポンコツでも子供達に愛されている先生と、不思議な老人とが良い味だしてる。彼の作品が読めるのはやっぱり幸せだ。

△Entry.19『雨の向こうに』逢澤透明さん
わっ。これもいい感じの話しだ。自分の子じゃないかも知れないという本当に少しの思いだが、そんな事はないというように、貴方に似てるわよねぇという奥さん。娘の父に対する態度も可愛いい。もっともっと愛してあげなくっちゃね。

○Entry.20『河童の風呂のぞき』ヒモロギさん
ヒモロギさんも久しぶりの参加?懐かしい。般若子ちゃんとは安易な名前だが、面白い。こういうありそうもない事を普段の生活の中で書くというのが、今回は多いけど、こういうの好きです。般若子ちゃんもそう呼ばれても動じないという性格も楽しいが、河童まで出てくるというサービスは、般若子ちゃんの性格と舞台設定の為の小道具だろうが、効果的だと思う。

△Entry.21『∞の憂鬱』大林柔さん
笑った。これは面白いと思った。と心に留めた。『笑った。これは面白いと思った』と記した。無限に続くこの情景が憂鬱ではなく、笑いのツボだが、同じ事を何度も繰り返しやってしまうというお笑いのしつこさは好きではないが、たまにはこういう文章での繰り返しも面白い。と心に留めた。と記した。

△Entry.22『父さんのカメラ』伊勢 湊さん
私はこの年になってもこの父の気持ちは判らない。大切な妻と二人の子供を捨てて夢に生きた男は、彼らの前に帰ってきてはいけない。遠くから眺めてもいけないと思う。夢に生きると決めたからには、そういう気持ちを捨てたという事だ。それでも帰って来たのだからわかってやって欲しいという叔父の気持ちはわからないでもない(家族なんだからね)が、多分父はもういない。今の父が本当の父なんだと思いこもうとしていたであろう高校生の主人公が、妹に本当の父なんだと言えないのは当たり前だろう。いつか言える日が来るんだろうか? ちょっと切ないが作り過ぎの感がある。でも事実は小説より奇なりだからなぁ。

△Entry.23『或る伝説の勇者』羽那沖権八さん
なんだそれ、ワィラゴとかワィラロクとか知らないぞ。その辺で採れるその材料ってなんだろう。あんたの家族は確かに勇者だ(笑)面白い。しかし冒頭の勇者の説明が、ちょっと単調で長く感じてしまった。

×Entry.24『song for the asking』くるりさん
なんか雰囲気はあるんだけど、事件もあるんだけど…。面白くない。今彼氏がいなかったら手紙を開けたのかも知れないし、そうでないかも知れない。男も女も残酷で馬鹿。シャレているのかもしれないけど、私にはそうは思えなかった。

△Entry.25『ヘンシン』川島ケイさん
変身中の文字遊びが面白いが、もう少し凝っても良かったように思う。せりふばかりの話しはウンザリするがせりふなしの話しもちょっと食傷ぎみです。

△Entry.26『蛇』るるるぶ☆どっぐちゃんさん
あやちゃんも蛇の目を、全ての意味から解き放たれたような、全ての罪から解き放たれたような目をしていたんでしょうか。離婚の際に子供を引取れなかった主人公が、なげやりになって、蛇にでも噛まれて死んでしまいたいという思いが覗えます。ラストではイブとして蛇に説教でもされるかと思ったものだから、ちょっと裏切られた気がした。

○Entry.27『ビタースイート』一之江さん
実の兄弟だとしたら恐い関係だから、私の常識からいうと多分義理の姉弟で、洋君は同じくらいの年の姉を好きだったんだろうと思うけど、違うかも知れない。若奥さん独自の世界が広がっていていいなぁ。

×Entry.28『MORI』自作
自分でいうのも何ですが、これは読まなくていいです。実は投稿した後で、掲載中止をお願いしようかとも考えていました。何がいいたいんだか全然わからん。ごめんなさい。

○Entry.29『C型』越冬こあらさん
逆転の発想を小説にしてしまうというのは面白い。確かO型というのはゼロ型(Aの因子もBの因子もない)というのを聞いた事があるけど、それでもないCの因子があると言う事か?いや無いという事なんだろうけど…。ラストの性格育成玩具に指を絡ませておりませんでした。には思わずにんまりしてしまった。

○Entry.30『日曜の朝、カクガリ』T−Benさん
途中で絵文字が入るとは驚きました。思わず笑ってしまった。たまにはこういうのも面白い。この作品の主人公は大工の棟梁なんだから、自分の事なんか書かないで、もっとこの棟梁の魅力を出してもいいと思った。