第26回1000字感想

今回もいつもの様に自分の作品は棚上げしています。そして私は勝手に思ったことを書いてしまいます。もちろん感想になっていないのもありますので、あまり気になさらずに読んで下さい。

Entry.01『音』澁沢 コウさん
文字数カウントが付いたにもかかわらずの久しぶりの文字数オーバー。霊現象ではなく、魔女の儀式でもないという過程はいいとしても、鉈で人を切る音が、トットッと聞こえるとは思えないがなぁ。ガスッとかバスッなんて音ならわかるけど…。でもなんだかリズミカルな感じの音だから、中華包丁でも使っていたという設定ならどうだろうか?

Entry.02『神社』小林 祐悟さん
今は学問の神様なんて言われているけど、もともとは反逆者としての烙印を押されて、神様にされてしまった人の一人だから、やっぱり祟りはあるのかも知れない。私は必ず少しであってもお賽銭はあげる方です。

Entry.03『探し物』端希 かやさん
主人公が男かどうかはわからないが、男だとしたら、手首を切るというのは想像が付かない。自意識過剰なんだろうか?少しは主人公を思っていたからこその輸血だったいう風に捉えられるまでは、まだ時間がかかりそうだが、不味いジュースが主人公の気持ちを伝えていると思う。

Entry.04『KATUBOU』マー君さん
愛は与えるものだと思っている私には、こういう人は理解出来ません。肉欲への渇望は遊びとして理解しているらしい主人公ではありますが、それならもっと弾けてもいいと思いました。

Entry.05『Letter to the Heaven』純田詩露さん
精神に異常をきたしているわけではないけれど、それに近い状態になっている主人公の思いが、悲しく感じました。手紙の差出人と受取人との逆転も効果的だと思います。

Entry.06『窓の向こう』うねむら みくさん
声をかければ動けるのなら、意識はあるのだろうか?だが、この終わり方だと多分動いているように思いたいという気持ちがそうさせているようだ。しかし死に対峙するという話はやっぱり切なくなってしまいます。

Entry.07『スイッチ』M・虎次郎さん
こういう女性には、壊れたスイッチを押させるしかないと私は思います。

Entry.08『しゅっぱぁーつ!』幸顔無垢さん
ラストの1行は意味不明。不要だと思います。娘の口癖の可愛さから、父親としての自覚を持って行動しようと思いたった心意気だけでよいのではないかと思いました。

Entry.09『古都』とびますとびますさん
タイトルと内容との関連性がわからないし、内容についてもよく理解できたとは思えない。まだ3/4しか書いてないんだから、もうちょっと書いて欲しいです。

Entry.10『処方箋』自作
最近なんか少しエッチな方向へ走っているような気がする。

Entry.11『BLOOD 最後の晩餐』OZUMAさん
これで終わりにしようと決めた吸血鬼の思いが伝わらない。多分理由がはっきりしないからだと思う。ストーリーとしては面白いが、1000字では書き入れないという事ではないはずだ。少し残念。

Entry.12『もしも仕事が定時に終わっていたら』やみさきさん
花火で文字を書く場合には、回転しているので、傾きが変わって希望の文字に見えない事がままあるんだそうです。上から見たら「ス」に見えるけど、横からだと、「−」に見えるなんて事ですけど、そういうオチなのかと思って読んでしまいましたが、キスになったという事は、正しい位置から見たら、「ス」が逆だなぁ、なんてくだらない事を考えてしまいました。反対という事で、「キライ」というのは少し洒落ているとは思います。

Entry.13『イエス』淀屋橋さん
救いも求めるために、障害となるものを取り除くというのは、人間的ではあると思いますが、そういう事がいいたいんでしょうか?よく判りませんでした。

Entry.14『フロア』加納利夫さん
情景描写というか、場面の状態は読めばわかりますが、何がいいたいんだかは判りません。ちょっと退廃した感じが読者にどういう風に受け取られるかが知りたいだけなんでしょうか?

Entry.15『九龍城砦』高橋雄一郎さん
せりふだけの小説は久しぶりだが、夢の話にしている為か効果的な気がする。微妙にズレていきそうな話も楽しい。夢から夢へ、話から話へ紡(紬)いでいくという構成も面白い。

Entry.16『巡る輪廻―巡る想い』ルミナス・アルカードさん
アルカードっていう名前は、昔読んだ本(漫画?)では、ドラキュラの綴りを逆から読むという設定で、ドラキュラの別名だったけど、輪廻という発想もドラキュラ作品には多い。句読点や、文の構成をワザとそうしているのかも知れないが、私にはちょっと読み難かった。タイムパラドックスが本当かどうかも判らないから何ともいえないけど、主人公はパラドックスを信じていなかったというオチかも知れない。

Entry.17『サバンナのヒデ』有馬次郎さん
いやぁ。笑った。面白い。バスタブの中で死にかけた白人女性になってしまうのかと思ったけど、もっと悲惨だ(笑)

Entry.18『私を探して』さとう啓介さん
死体発見とほぼ同時に隣の男が犯人だと判ってしまうというのは凄いが、これは話とは関係ないからいいでしょう。別れたくなかったという彼女の思いと、何故今まで探しもしなかったんだという主人公の後悔が悲しいです。

Entry.19『コンプリート(真空パック)』sheepさん
これも文字数オーバー。幸せな気持ちであれ、悲しい気持ちであれ、覚えていようと思ってそれを後で思い出しても、色褪せてきてしまうのは、しかたがない事だとは思いますが、そういう思いを真空パックに積めておきたいという、その気持ちは大切だと思います。

Entry.20『あの夏の破片』川辻晶美さん
あまりにもあっけない死。生きろ。負けるなと言ってくれているセミ達に応えて、持ち直すのかと思ったが、短い生涯の彼らと一緒に旅立ってしまうとは…。持ち上げておいて落すというストーリーの常道ではあるのでしょうが、涙が出そうになってしまった。

Entry.21『夕暮れの屋上、きっと楽勝』伊勢 湊さん
私も胃腸が丈夫で、便秘というのにはなったことがありません。だから彼らの苦しみ?というのが全然理解出来ないんですが、言えない苦しみというのと対にしている構成が良かったです。大声を出して思っていることをぶちまけるっていうのは精神衛生上もいいことだから、そういう場所が至るところにあればいいのにとも思ってしまいました。

Entry.22『優しい老婆』桜井ケイさん
まるで他人の様に接する主人公だが、この老婆は同じリビングにいるのだから、自分の親か祖母だと思うのだが、違うのだろうか? 例えば息子や孫が何か言いたいと思っているのなら、機敏に察知出来るのが親だと思うし、そうあって欲しい。なんか話とは全然関係なくなってしまった。

Entry.23『堕天』よしよしさん
天使には性別がないからだろうが、男性のような喋り方かと思っていると女性のようにもなっているという表現なのだが、ちょっと違和感があった。堕天使になる理由が、太り過ぎだとしたら、私は天国へは行けない。

Entry.24『指先』犬吉さん
こういう話を読むとやっぱり女は強いなぁと感じてしまう。夫の目が見えなくなってしまうという事と、手術した後の今までの気持ちとの決別。それを表現するためのラストの一文。いいですねぇ。

Entry.25『月下美人』加藤 正貴さん
白い小さな花がどんな花なのかわかりませんが、それは誰にでもある一番素敵な「時」なんでしょう。そういう花開く時というのは、もちろん大事だと思いますが、花は一年草であっても、子供を宿し、次の世代へ続いて生きます。だから醜い瞬間なんていうのは、ないんじゃないでしょうか。全然違う解釈かも知れない(笑)

Entry.26『白線』chitokuさん
少年の世界を探求していた主人公が現実に引き戻されるという設定は面白いが、ラストの2行を見ると、主人公の精神が病んでいるようで、ちょっと恐い。

Entry.27『黒い猫』海坂他人さん
犬派か猫派かと聞かれると、今までは犬派と応えていたが、私はどうやらどっちでもない。というかどっちも好きである。飼うならどっちも飼いたい。犬には犬の猫には猫の良い所がある。最近どこかの家猫が我が家の廻りで寝そべっているが、私は勝手に挨拶して通り過ぎている。作品には全然関係ない(笑)猫を飼うのに、夫に素直に「飼いたいの」といわないで、家を出て行くだとか、私の子供よなんていう理由を考えるという妻が可愛い。今までは自分の視点からの作品が多かったように思うが、妻からの視点というこういう作品も面白い。うちも猫でも飼おうかなぁ、なんて思ってしまった。

Entry.28『じいの干し物』古江未衣さん
最近こういうパターンの作品が多いような気がする。死んだ家族を思いだして感傷に耽る。それを淡々と綴っている。もちろんいけない訳じゃないけど、私は好きになれない。作り物過ぎているからだろうか? 例えば、観音開きの和箪笥というのは、人が入れるしハンガーなんていう言葉が出てくるからには、洋服掛けだろうから、日本古来からある箪笥とは違うだろうし、多分戦争経験者であろう祖父が、父子家庭という境遇にありながら、背広やジャンパーなどを持っているということ事態、結構いい生活をしていたんだろうなと思わせる。よく考えると矛盾しているようにも思える。そりゃ作り物なんだから、といわれればそれまでだけど、作り物だからこそ、巧く嘘をついて欲しい。でも実話だったりしてね。

Entry.29『だるま食堂殺人事件』のぼりんさん
いやぁ凄いです。私も何度か推理物を書こうとは思ったんですが、ここまで人間を書いた100字の推理物は、今まで無かったんじゃないでしょうか。そりゃぁ、突然入ってきて慌てたからといって、すぐにショーケースのカレーを出して食べるなんていう芸当は出来ないと思います(トリックの欠点?)が、1000字で両方はやっぱり難しいかも知れない。今度は是非こういう点にも気を付けて頂きたい。

Entry.30『パイパンカフェ』サーモン豊作2合さん
世の中変わっていくんだなぁ。という事でしょうか。今時ノーパン喫茶があるかどうか判らないけど、学校の近くじゃ営業は出来ないでしょうねぇ。昔風の作風のような気もしますが、面白かったです。私も毎回名前を変えて見ようかなぁ(ボソッ)

Entry.31『隣のコアラ』三月さん
三月さんの連続1000字投稿宣言、アルマジロに続く第2弾こあら。頑張ってますねぇ。しかし結局最後はこあらのマーチになってしまってますよ(笑)でも、今回は確かに宣言通りこあらを殺してます。もちろん作品としても面白かったです。ひょっとしたら「こあらのマーチ」の中に当たり(?)があって、こあら以外のものが入っていたりするんですかねぇ? お菓子の中にはそういうのって多いですけど…。それがユーカリ饅頭だったりしたら最高です。

Entry.32『子供の味方』羽那沖権八さん
いやな世の中になったなぁ。自動給餌装置じゃまるでペットだ。しかしいくらコンパクトでもコインロッカーに納まってしまうなんて凄い。親の責任は一体どうなってしまうんだろう。

Entry.33『愛するが故に』綾重寄之介さん
わぁ、久しぶりに変態だぁ。面白い。って俺も変態かぁ(笑)しかしこの鈴木君っていうのは、いい奴なんだろうか?先輩には声を掛けられ(といっても頼まれやすい性格なのか?)マドンナ的存在の恵美ちゃんには、相談されるという(男と見られていないのかも知れないけど)ちょっと特な性格かも知れない。こういう奴って結構出世したりするんだよなぁ。

Entry.34『カーテン』一之江さん
カーテンに埃が溜まるようにしてちゃいけませんねぇ。ちゃんと掃除しなくっちゃ。ってそういう話じゃないです。新しい部屋に入って、カーテンを入れて始めて自分達の部屋になったという実感が湧きますが、新婚さんらしくこれからカーテンを探して付けるのであろう様子を見ている主婦の、自分達の生活も捨てたもんじゃないなという感慨のような様子が可愛く感じました。でもそうなると、これって一種のノロケですかねぇ。

Entry.35『pettern reading rogic』るるるぶ☆どっぐちゃんさん
タイトルは、Patternの間違いだろうか? 普段自殺なんかしそうにない人が、自殺するという話のような気もするが、よく判らない。多分途中で出てくる人物紹介は自殺した人達のように思える。ラストで説明される、「とても正常だよ」という人達が死んでいくという、恐い話のようにしか思えない。

Entry.36『雨女』越冬こあらさん
さすがグラチャン。面白い。良い味だしてるよなぁ。私は感心してしまいます。昔見た「演歌の花道」というシャ乱Q主演の映画でも、尾藤イサオが歌うと、必ず雨が振るという事で、ダム完成工事の現場とかで、歌っていたのを思い出しました。