第27回3000字感想

 久しぶりの3000字感想です。今回は誰も感想を書かないみたいだし、小説も書けないんで感想を書いてしまいました。それでは今回の感想も今まで通り、戯言だと思って軽く流して下さい。

Entry.01『壊れたストーリー』林徳鎬さん
愛されるべきキャラクターが殺されるというのはなんとも悲しいが、殺しても罪にならないという国の解釈もやはり日本だなぁと釈然としない気持ちになってしまった。罪にならないから殺しても良いと考える人が今の日本にどれほどいるか判らないが、多分ゴキブリだったりねずみだったりしたら、私も躊躇なく殺してしまうだろう。このキャラクター達の能力はキャラクターとしての能力や性格を備えているのだろうか? 話しの設定だとおそらく普通の人間が変身してしまうようだが、アリに変身してしまった息子を踏み潰してしまったらと考えるとぞっとする。

Entry.02『時効』自作
今読み返すと、やっぱりアイデアだけの作品ですねぇ。書いた時には面白いと自負していたんですが…。

Entry.03『お迎え』さゆりさん
1000字位で書けそうな話だが、こうして3000字で読むといいもんだなぁと思ってしまう。よく短編集などにあるアイデアを見ると、確かに1000字で収まるほどのアイデアだったりするのだが、書き込むという作業の大事さが判る。参考になった。

Entry.04『最後の桜』伊勢 湊さん
会社の前にある小学校は、4年程前に取り壊されて今では中学校になっています。もちろんその時にあった桜も無くなってしまいましたが、中学校になる時にも桜は植樹されていました。日本の学校って桜のない所ははたしてあるんでしょうか? 過疎化というのは確かに田舎だけじゃなくて都会にもあるし、多摩地区なんかも一時は大所帯だったのが、今では子供達が大きくなってその子供達の世代になってしまったけれども、その子供達の数も減り、学校の統廃合が進んでいるという話も聞きます。私が小学校の頃は1クラス40人程だったと記憶していますが、今の小学校はそんあ大所帯はないでしょう。何処へ行っても子供は減って、昔は親は子供の為に働いていたけれども、今では自分の為に働くという考え方の違いもあって、生活の面も随分変ってしまいました。なんだか考えさせられてしまった。

Entry.05『フシムシ』さとう啓介さん
はぁ〜っ。いい話しが続く。なんでこう3000字はみんないい話しばかりなんだろう。私の作品を見なさい(笑)札幌の雪祭りといえば、出張で行った時に見ただけだが、確かに凄いなぁと思った。大通り公園を挟んで地図の上が北一条から始まり、下が南一条から始まるのを思い出した。おじちゃんじゃなくてお兄ちゃんだというのも、私も高校生の時にこの童顔なのに、映画館の中でおじさんと呼ばれたことがあります(笑)いや、ホントに童顔なんですよ。

Entry.06『死んでない』ごんぱちさん
面白い(笑)これも得票が伸びないのかなぁ(笑)最後の気力で掴んだと思ったコインが王冠だったので死んでしまったというオチで終わるのかと思いきや、なんと死んでいなくて医者の財布から金を盗んでいたとは…。しかし275才にもなって生きていて金も使わないという生活の何が楽しいのかと思ってしまう。生きる事への執着だけという生き方が幸せとは思えないが、だからこそ面白いのだろう。

Entry.07『60セントのリボン』るるるぶ☆どっくちゃんさん
今回も映画の題名だろうか? 私には判らない(笑)が、こういう読む人によってどうにでも取れる作品というのも面白いとは思うのだが、それが作者の意図したものと随分掛離れて読まれるのはどうなのだろうか? 今回の話しは(も?)良く判らなかった。

Entry.08『一粒のキャラメル』繭さん
これは何と失恋の話し。私には遠い遠い過去過ぎて、というか学生時代は昔過ぎて、あまりピンと来ません。年だなぁ。と感慨にふけってしまいます。だからかも知れませんが、この年になってからこういう話しを読むのは凄く照れくさくて、恥ずかしさが際立ってしまいます(笑)

Entry.09『氷魚』橘内 潤さん
同棲しているという嘘を信じてしまった女子高生とその教師の心の葛藤が面白い。始めとラストにある「たとえば、ここにひと欠片の…」は長い気もするが、ラストの「泳いでいる」と「もがいている」の違いも良い感じだ。もがいてもがいて大きくなっていくんだよなぁ。

Entry.10『時代』Ruimaさん
卒業っていうのは、仲の良かった人との別れでの寂しい気持ちと、これからの世界への期待とが入混じっていて、なんともしんみりとしてしまいます。もう随分前の事だし、昔の仲間もたまにやる同窓会も、あの頃に帰れる少しだけの時間だけれど、嬉しいものです。それぞれに違う卒業式と違う思いではあっても、共通するそういう気持ちで書かれた文章だからこそ、共感が得られました。

Entry.11『11月のうさぎ』松田めぐみさん
息子の誕生日プレゼントに貰ったモルモットは7歳の誕生日だという事で、ナナという名前でしたが、もう死んでしまいました。うさぎって随分大きくなるし部屋中を駆けまわるから大変だという話しを聞いた事があります。でもペットというか家族の一員であるというめちゃくちゃ愛玩するという意識は、現代の病のひとつなのかも知れないと思うと、なんだかこういう話しは悲しくなってしまいます。