第31回1000字感想

 少し遅くなりましたし、今回も自分の作品はありませんから、又好き勝手に思ったことを書いてしまいます。
 今回の作品についても、私が読んで思った事を書いていますが、もちろん作者に他意はありません。私が読んでただこう思ったというだけです。私はプロではありませんから、もし酷評してあっても気になさらずに、自分の道を進んでいって下さい。貴方が目指す道を閉ざすつもりは毛頭ありません。(私の髪も少ないですが…)
 ただ、文章を書くのは勿論作者の技量ですし、作者がこうあるべきだと思っての事でしょうから、あまり言いたくはありませんが、最近辛口に文章の書き方について文句を言う人がいないので言ってしまいますが、一応バトルという形式での遊びではありますが、文字数の決まりや、段落毎の一字下げなどについては、やっぱり(既定とはなっていませんが)見やすさや読みやすさ、又一般的な常識として、おこなって欲しいと思います。やっぱり読んで貰ってこその作品ですからね。

Entry.01『薔薇の香り』佐藤ゆーきさん
香りで、忘れていたはずの憧れていた女性を思い出してしまうというシーンだけなんだけど、軽く読み流してしまうと、未だに彼女の事を思っている様にさえ感じられてしまう。恋人が出来て、幸せになっているからこその情景なんだろうけど、その辺がちょっと弱い気がした。今の恋人を愛しているなら、昔の事なんか早く忘れてしまえよ。なんて感情移入しそうになってしまう。

Entry.02『揺れる汽車は思いを生かす』燕尾兆さん
「炎に包まれていく街並」や「焼け焦げた、小さな指輪」という事と電車ではなく、汽車で遠くへ向かっているという事からでは、どんな事があったのか想像するしかない。「逝ってしまった」ではなく「行ってしまった」なので、彼女が死んでしまったのかそうでないのかも不明だ。そういう意味では話しがよく判らないのだが、主人公が生かされている状況と、涙も彼果てている様な、やるせない心境は伝わってくる。

Entry.03『お願い!』小波さん
ラストで首がちゃんと入れ替わっていたという事は、確かに彼らの身長は入れ替わっていたようだ。入れ替わった首が逆だったならば、彼らが死ぬ前に思い描いた幻想なのかとも思ったが、そうではないらしい。神様はお供えに彼らの命を要求したという事なんでしょう。まぁ良い事は長続きしないという事かも知れない。しかし「カサゴ」は煮付けにすると美味い。

Entry.04『高速ジャックドライブ』一宮遼さん
サービスエリアで逃げようと思えば逃げられそうな状況で、主人公の性別さえ不明では、サスペンスとして読んでしまうと緊迫感が感じられない。例えば主人公が女性で、いつも付きまとわれているストーカーに誘拐されているならば、そう書いてくれれば、少しは緊張できると思う。そういう意味では何が書きたかったのか判らなかった。

Entry.05『白い平原』YUKA>>>さん
話しとしては面白かった。記憶が無くなっていくとしたら、考えられなくなるからただ生きているだけになり、そうなれば白い平原の意味も自分の境遇も関係ないから、考え方によっては幸せなのかも知れない。でも川の流れを見て涙が流れてしまうという悲しさが、情感を盛り上げてくれる。ただ何だか読み難い。多分せりふの句読点が私の考える句読点とは違うからだと思うのだが、よくは判らない。ただ文字数オーバーだけはまずいでしょう。

Entry.06『反復』野口 圭さん
なんだかよく判らないんだけど、可笑しかった。カメレオンみたいな目の話しが続くのかと思ったら、牛の反芻が出てくるし、ラストでは又「…どこを見てるのよ!」になって何回も繰り返し続いているのがわかって、確かに『反復』だぁなんて思ってしまった。だけど、お触りの理由付けが書かれていないのがちょっと残念。

Entry.07『あこがれの女性』金井 利治さん
ひと女性という言葉と遊馬という名前から察するに、この老人は馬なのだろうかとさえ思ったが、馬としての生活からこの展開はちょっと合わないようなので、ただの老人なんだろう。最後に憧れの女性(ひと女性)が書き残す手紙の軽い文体が、老人をおちょくっているようだ。真摯な気持ちを弄ぶひと女性だが、老人はそれでも待っているような気がして、ちょっと寂しく感じた。しかしこれはそういう女性をワザと待っている様な達観した人生を送っていきたいという表れなのだろうか?

Entry.08『対決!怪人ランバオウ』鈴木信太郎さん
このバカバカしさは面白い。飛来剣が平井堅になってしまうのは、ストレート過ぎる気もするが、やっぱり短過ぎる。主人公(正義の味方?)が少しヤラレルとかの工夫があっても良かったのではないだろうか? 出来ればもっと引っ張って欲しかったし、戦いの緊迫感があってこそのオチではないだろうか?

Entry.09『戦場』芋澤 扇風機さん
SEX描写というわけでもないけれど、内側からの話しは始めて読んだと思う。私は戦争というよりも、1番に到達するという何かの競技のように思っていたが、ラストのオチの為には、戦いにする必要があったんだろうし、途中の男女の会話が何を意味するのかは、私はラストまで判らなかったから、これは性交でしょう。

Entry.10『小鳥』党さん
これは小説なんでしょうか? 私にはそうは思えません。確かに出ていってしまった女性を思う気持ちは書かれているし、後悔している気持ちも判るんですが、長編の中の一こまとしてしか読めませんでした。タイトルが「小鳥」だから、きっと小鳥を逃がしてしまったんだろうという事は想像がつきますが、まだ余裕があるんですから、逃がした時の情景とか彼女が怒った時の表情だとか、なんかそういうのを書くだけでも随分違った話しになるような気がします。これじゃなんだか愚痴を聞いているのと変わらないんじゃないでしょうか?

Entry.11『この幸せが永遠に続くように』野口さん
家庭不和という問題を、心中という形で収め様とする主人公の気持ちには共感出来ませんでした。なんとか頑張って生きていって欲しいと思う私は、死ぬ(殺す)という終結が本当に必要なのか疑問に思ってしまいます。しかしそれだけ追い詰められていたのだとすると、悲し過ぎます。

Entry.12『キスミ−ハニ−』Ameさん
頗る(すこぶる)なんて字は恥ずかしいが知らなかった。しかし話しが判り難い。後半出現するこの頗る格好の良い赤いシルクのドレスの大粒ルビーのイヤリングをした洒落女は、多分、昔の痴情のもつれとかで死んだ女性だと思うけど、話しの構成上、場所を変えた方がいいと思う。確かに「kiss me honey」という言葉を彼ら同時に喋らせた方が話しとしては面白いけれども、「…先に死んだのは女の方だった。」とした後に、男の話しが続いてしまうので、女性の話しは終わったものと思えてしまうからだ。それにしても、せっかくの最後の言葉も理解されなかったというのは可哀想だった(笑)

Entry.13『或る日ある時』YamaRyohさん
恋愛物というよりは、青春物という感じだが、純真な彼らが可愛い。「うっそぴょ〜ん」なんて誤魔化さずに、真剣に言い訳するというのが、なんとも清々しく感じた。

Entry.14『003』二宮角算さん
囚人番号002が、レイプされた少女の父親なのかとも思ったが、そうでは無いのかも知れない。「くずには…」という事は、ひょっとしたら、002は何の関係もないのかも知れない。しかしタイトルの「003」は何だろうか? これも良く判らない。ひょっとしたらこの話しは、読者が安眠出来ない様に、ワザと判らない様に書いているのかとさえ思ってしまう。今日はもう寝てしまおうか。

Entry.15『ソレゾレノ、カタチ。』園 康弘さん
私には理解出来ませんでした。普段の何気ない情景から一転してワタル君はどこかのスパイみたいだし、それにしては海から上がってくるモノは、何だか異星からの訪問者みたいな感じもする。もっとも黒い筒だから、単なる受信機なのかも知れないけれど、ラストの恋愛原理主義者に到っては、親に対して凄い言い訳だなぁと逆に感心してしまった。でも何が言いたいんだか不明です。

Entry.16『手紙』てこさん
手紙の形式での小説というのは、短い小説にとっては書きやすい手法だと思いますし、私もたまに使ったりもしますが、4コマ漫画に代表される起承転結は、勿論小説にも必要だと思います。しかしこの手紙(話し)だと、物語が始まって(起)の部分はあるんですが、「承転結」の部分が見当たらないと感じてしまいます。手紙という手法を使っているので、一方的だからだという事もありますが、何十年も夫婦として暮らした女性が行方不明になり、彼女の代理ともいえる人からの連絡があった。しかも会いたいといっているというのですから、これから何かが起きないと話しとしては面白くないと思うんですよね。例えば実はこの手紙は、脅迫状だったり、依子さんは今も隣に座っていたりという、オチが欲しいとは思いませんが、もっと展開があっても良かったかと思いました。

Entry.17『荷物を抱えた人のことで』アナトー・シキソさん
こういう不思議な話しって好きです。トワイライトゾーンにでも飛びこんでしまったみたいです(ちょっと古いか)。ひょっとしたら荷物が何なのか聞いていたら、戻って来れなかったのかも知れないと思うと少し恐い気がします。ただ単に別のバス会社の同じ名前の停留所という事も有り得ますが、そんな解釈じゃ面白くないもんなぁ。

Entry.18『土管』のぼりんさん
あぁ…。ラストが惜しい。勿論こういう終り方もOKでしょうが、なんだかストレート過ぎて、勿体無い気がしました。私ならば多分、それからのユウ君は何だか人間ぽくなくなってしまった。なんていうちょっと曖昧な終り方にしそうです。でもあんまり変わらないかな。

Entry.19『ゆらゆら』宙さん
絶海の孤島という感じの場所から始まって、のんびりしている死体なんだけど、それでも男に未練があるとは女は恐い(笑)表れているのんびりさが、悟りの境地にさえ達しているようで、面白いんだけど、意識が身体の隅々に、分解されて存在している訳ではなさそうな表現方法を見ると、ゆれる「あたい」はひょっとしたらそのまま海の底で永遠にゆらゆらとゆれているようで、少し残念な気がした。

Entry.20『どれにしようかな?』坂本 一平さん
産まれてすぐに死んでしまうというのは、あっけなさ過ぎて面白いとは思うのだが、せっかく金持ちとして生まれるのだし、字数も余っているのだから、なにかもう少しあっても良かったと思うんだけど…。でも生まれてすぐ死ぬというあっけなさも捨てがたい。

Entry.21『もう1つの世界』shoheierさん
たんたんとした語り口調での話しが、面白いとは思うのだが、ただ暗闇を歩いているという説明が、淡々としすぎていて、暗いイメージがない。それが狙いなのかも知れないが、その語り口調から受ける印象では、なんだか軽い感じで「俺は悩んでるんだ!」等というメッセージが伝わらない。いったい何が
言いたいんだろうか?

Entry.22『コイン』林徳鎬さん
ちょっとエッチな恐怖。このままずっとこうならば、なんだか羨ましいような気もするが、彼女の物凄い力というのが気になってしまう。逃げるに逃げられないという状況ではあるが、他人からは恐さよりも羨ましさが少し見えてしまうという面白さが良い。

Entry.23『牛丼を食べるときに思いだす女のことなど』岡野義高さん
狂牛病の件があってからも、結婚してからは、あまり牛丼屋へは出入りしなくなってしまったが、牛丼の通の食べ方は始めて知った。私は紅生姜を載せ七味をふりかけ具をかき混ぜて、玉ねぎとご飯から食べるという方法を取っている。生卵は好きでは無いので頼まないが、卵は玉子とも書くから「ぎょく」というから、牛丼の専門用語ではないだろう。彼女がうまくやっていけるのは、きっと男の操作が巧いからであって、主人公と勉強した男の考え方?ではないと思えるのに、主人公は「俺が育ててやったんだ」とでも思っているようなのが可笑しい。ただ、ラストで、彼女のことを思い出すようになったというのが2文であるが、これは不要ではないだろうか?同じ事をいう必要性は感じない。

Entry.24『車を買おう』yoshiさん
今は残念ながら車を持っていませんが、以前持っていた(買った)時には、私も雑誌のここまで値下げさせたというような記事を随分目にしました。だからといって、例えば車検は自分で申請しますとか、アクセサリーは付けなくていいからその分安くしてとかいう交渉はやっぱり難しい。今はなんだか中古車市場に活気があるらしいが、都内に住んでいると車を持っていなくとも、全然不便を感じない。大きな荷物さえなければ電車の方が便利でよろしい。もっとも私はどちらかというと運転するのは嫌いだし、すぐ眠くなってしまう。車を維持するのも結構金がかかるし、年に何度も乗らない様ならレンタカーで充分という気もする。私にはステータスとしての必要性は昔から無かったし、いまだに道を走っている車の種類も名前も判らない。と話しとは全然関係なかったが、短いなかでの事なので難しいとは思うが、せっかくの交渉場面の面白さが充分に感じられなかった。確かに主人公が計算外で慌てる様子は判るが、営業担当の態度とかが本当らしく思えなかったせいだろうか?ラストの悲しい(嬉しい)結末は妥当だと思えたが、こういう人って結構多いんじゃないだろうか。小市民的な感じで面白い。

Entry.25『ダンゴ3兄弟』上條 裕さん
兄弟ならぬ兄妹だったというアイデアは面白いと思うし、賞味期限が来て捨てられるというのも面白いんだけど、なんだかそれだけの話しで終わっていて、面白さが発展していない様に感じた。これは私の今までの作品にも言えると思うのだが、たとえ兄妹でも賞味期限が来る頃には、彼らも充分大人になっているのだろうし、下ネタとはいわないが、なにか事件があっても良いのではないだろうか?いくら短い小説とはいえ、もう少しの展開を期待したい。

Entry.26『海石榴(ツバキ)』さとう啓介さん
海のザクロと書いて椿(ツバキ)というのは知りませんでしたが、椿というのは中々根付かないので有名ですから、家庭を持った女性が今は幸せに家族と暮らしているという意味でも彼女はしっかり(根付いて)暖かい家庭を持っているという事なんでしょう。文中の「…、父の前に座った」とあるのは、きっと「しゃがんだ」ではあるのだけれど、姿勢を正したという意味が込められているからでしょう。しかし女性が主人公なのに雰囲気があるというのは恐いです(もちろん誉めてます)きっと作者の子供を愛する気持ちが、女性として登場する主人公をそうさせているんだろうなと感じました。

Entry.27『ここ2,3日。』しんじさん
「日曜日の朝…」からは、今の話しなんだけど、前半の回想部分や日付の関連が不明瞭で、ここ2・3日って、いつなんだ?と思ってしまった。これは多分途中にある空白が、効果的に使われていないからだと思う。しかしもし何だか判らない2・3日を表す為にしているのだとしたら、読者にもそれを味わって貰おうとする手法なのだろうか?だとしたら効果はある。話しとしては朝起きたら、昔飼っていた犬が死んだのを思い出していて、それから気分が悪くなったという火曜日までの話しなんだけど、「なんだか判らないよう!」という話しに終始していて、これも又狙いなんだろうか?

Entry.28『またあえるよ』坂口与四郎さん
途中から天使が出てきてしまって、不思議な話しに発展するのかと思ったけど、そうじゃなくて現実世界の話に戻って、少し安心した(笑)もちろん不思議な話しは好きだけど、なんだか簡単に天使なんか出てきちゃ興ざめという話もある。そういう話しはやっぱり始めから判る様に書いて欲しいと思うからだろう(もっとも勝手な思いこみではある…)主人公よりは年上と思える公園の人が誰だったのかは謎のままだが、一人で死んでしまいたいという思いが判る年齢になったであろう主人公が思いだすというストーリーだが、なんだか妙に心に染みる感じがする。私も年を取ったという事かも知れない。

Entry.29『おしゃまな恋』池田@ママさん
多分そうなのだろうと思うが、日常の生活をそのまま小説にした様な感じがする。子供は確かにこういう事があるが、日常の断片をそのまま切りとって話しにするというのは、私には出来ない。なんだか小説というものはもっと違うという思いがあるからだろうか。勿論この考えは間違っていると思っているが、私にはなんだか私小説のようなものは書けない。そういうところからいくと、なんとも羨ましい限りである。日常を書いてしかも温かな家族が描かれているし、どうしてこういう話しをかけるのか不思議だ。まぁそこが書きなれている人との違いなのかも知れない。私も勉強しなくっちゃなぁなんて思いもするが、やっぱり趣味のひとつである小説書きは、私の場合下手の横好とまでもいけない、不熱心さである。ラストで、「小さい子供でも大人でも…」というのは、なんだかちょっと余計な気がしたのは、私ならきっと「私の娘だからかも知れない」なんていうふうにしてしまうかも知れないと思ったからだろう。

Entry.30『眠れぬ夜』秋月さん
自分から別れ話を切り出しているのに思い出すのは、きっと男性の事が忘れられないからではなくて、今は好きな人がいなくて寂しいという気持ちがあるからなのだというのを感じてしまうと、なんだか勝手にしろよと思ってしまいます。まぁそういう人がいても不思議ではないけれども、人恋しくて寝られないなんていうのは、今の世の中、幸せだからなんだろうなぁなんて思ってしまいました。

Entry.31『チーズができるまで』羽那沖権八さん
砂漠の話しだからまた昔の経験か、はたまたバターになった虎の「ちびくろサンボ」の変形かと思ったが、ちょっと裏切られた。だからどうだという訳ではないけれども、確かに牛乳がチーズになってしまうという話しは聞いた事があるが、余りのストレートさにちょっと残念な気がしてしまった。

Entry.32『18』ナンバー0さん
あぁ青春だぁ。しかも直球だ。こういうのってなんだか嬉しい。小説としての起承転結は見えないけれども、心の中を吐露するっていうのは、気持ちの良いもんだと思う。でもやっぱり他人が読む文章としては、同じ気持ちを共有できる人なんかが、「そうだよなぁ」なんて思うだけかも知れない。

Entry.33『俺達に明日は無いに向かって撃て』るるるぶ☆どっぐちゃんさん
アメリカン・ニューシネマの時代の映画のタイトルと、そのテイストを持った小説。しっかりあの頃の若者の無軌道ぶりを反映しています。「明日に向かって撃て」は西部劇でどちらかというと、この話しには「イージー・ライダー」の方が合っている気がするが、まぁお遊びだから良いでしょう。

Entry.34『スープの話』伊勢 湊さん
ありゃりゃりゃりゃりゃりゃ。これは又いい話し。流石としかいいようがない。こういう作品が読めるっていうのは幸せです。一字下げがないのと、文の途中で故意に改行しているのは、ワザとなんでしょうか?子供に聞かせる為の童話のような物を狙っての事かも知れないですね。

Entry.35『死体』越冬こあらさん
可笑しい。笑ってしまった。こあらさんが死体を料理するとこうなるのかぁ。面白い。死体自体に自我があるのだから、動植物は言うもでもなく無機物にさせ自我があるんだろうか?なんてバカな事を考える必要は無いんだけれども、無機物が自我を持っているという前提があるからこその面白さだ。自分でも犬や猫に人間と同じ事をさせてはいるけれども、やっぱりこあらさんの話しは面白い。

Entry.36『ターザン夢を見る』御自慰 小津郎さん
ラストの、ターザンに対する語りかけが夢なんだろうか。それとも話し全体が夢なんだろうか。グレイストーク家の跡取だったターザンも、確かに野生のままだったら、弱い人間の身体であるから、あんな風に動物の王ともいえるような強い人間?にはならなかっただろうと思うと、この話しの実話っぽさが面白い。

Entry.37『なぞなぞ』おおた ゆうさん
そりゃ普通じゃないって。こういう男性を好きになる女性が現れたら、それはどんな手を使ってもGETしなくっちゃダメです(笑)自分じゃ判らないというこういうお笑いは定番だし、主人公のダメさ加減が充分表現されているとは思うんだけど、定番だからこその、目新しさが欲しい気がしてしまった。