第42回1000字感想

 本当に久しぶりの感想です。それに随分長くかかってしまいました。何度も読んでいて遅くなったわけでもないのですが、掲載が遅れてしまいました。今回もいつものように好き勝手に書いていますし、感想になっていないものも多々あります。中には判らないと書いている読解力の無さをさらけ出してしまっているものもあります。作者の意図したものと違う受け取り方をしているものも多いでしょう。まぁ読解力がそんなにあるわけではありませんから、あまり気にせず軽い気持ちで読んで下されば幸いです。それから感想の長い短いに他意はありません。

Entry.01『a family』alumaさん
コガネムシ(黄金虫)はgoldbugなのかぁと、調べてしまった。大学生同士の同棲生活の話かと思って読んでいったら、突然父さんという言葉が出てきて、何だか女性の方が父親とは仲がよくないようだという感じは受けるのだが、はっきりしない。そのハッキリしない分だけ、家族というタイトルと同じラストの意味が家族になりたいと思っているのか、逆に家族なんかいらないと思っているのかさえ、どちらとも受け取れる様に読めてしまう。多分男性の方は家族になりたいと思っていて、女性の方は男性に対して、もっとしっかりして欲しいと感じていると思えるが…。しかし、なんだか不思議な感じがした。

Entry.02『震える指』さゆりさん
あぁ恐い話だ。まさかレジに100万円の束がいくつもあるとは思えないが、裕福な妹と対照的な自分を不幸だと思い、手を出してしまう姉の気持ちが見えてきてしまう分だけ、悲しい。妹だって本当は不幸なのかも知れないという考えさえも、目の前の金は見えなくさせてしまっているというストーリー展開がそうさせているのだろう。

Entry.03『俺とキリコ@〜事件編〜』フラワー・ヘッドさん
女性に対して野郎という表現はおかしいが、まぁきっとお笑い系の話だからおかしいのはいいんだろう(?)しかし1000字をオーバーしているだけじゃなくて、これって続くの? しかも事件編があるくらいだから、解決編?もあるんだろうか?(ってこれはミステリーじゃないだろう)

Entry.04『冷たき、その深海に漂う』道人さん
海の生物から進化してきた生物が、進化してまた海へ戻るという事なんだろうか? 進化の方向としての考え方は一般的ではないが、まぁそういう考えがあってもいいのだろう。ただこの作品は進化とかいった事を言いたいのではないと思うのだが、だからといって何がいいたいのか私にはよく判らない。ただボーッとしていたいというような考えが進化に繋がるのだという事ならば、そんな単純な事じゃなくて、強い想いがそうさせるべきだと思ってしまう。ただ読んでいて、「本能に印刷された…命令文章はない…」などと面白い表現が見られるが、魚に対する表現としてはどうなんだろう。この場面では、魚としての考えなのだから、なんだか変な気がした。

Entry.05『旅立ち』立花聡さん
始めに「もしも…部屋を満たしていったらどうなるだろう」で始まっているが、旅立ちをするのであれば、「音と一緒に部屋には水が満ちてきた」などとした方が自分の変化としての表現になっていて良いのではないだろうか?ここまで魚になっているのだから、もしもとする必要性は感じない。それからまだ300字近く書けるのだから、魚としての行動をもっと書いても良かったように思う。

Entry.06『僕はネジを締めている』narutihayaさん
電車通勤を始めた頃は、降りたい駅でちゃんと降りられるように、乗った時から出口付近に陣取っていた。いくら混雑してきても、踏ん張ってそこを動こうとはしない。でも2・3ヶ月して通勤がいくらか馴れてくると、自分の降りる駅の人の状態が判ってきて、出口付近に拘ることが無くなってしまう。それがいい事なのかどうかはともかくも、始めの頃の強い想いは時と共に流されていく。流されたくないという想いが、これは流されている訳じゃないと自分に言っているのだが、本当に流されていないのだろうか? いつも自分をしっかり持って、常に前を向いて一生懸命生きているといえるんだろうか? 毎日ネジを締めていても、なんだか漫然と生きているようにも思えてしまいます。

Entry.07『薬剤師エリカの独り言(トラブルメーカー)』旅幸まりあさん
強盗が出てきた段階で、これは薬の副作用?ではないと予想出来てしまったのが残念だが、面白い。飲んだ本人ではなく、周りトラブルが起きるという発想が楽しい。しかも国外で服用するという指示には笑ってしまう。しかしパスポートと旅券は同じ物だと思うのだが…。

Entry.08『イタリア語で電飾という名の祈り』佐藤ゆーきさん
この話を読んでいて、元旦にお参りにいった近くの神社を思い浮かべてしまった(笑)小さい神社なのに、長蛇の列で中々進む事が出来ない。そしてやっと順番が来て、お賽銭をあげお祈りするのだが、結局みんな神妙に家内安全だとか、受験がうまくいきますようになんていう少しばかりのお願いをみんなこぼしていくのだ。しかしこれは感想になっていない(笑)

Entry.09『蝦蛄』青野 岬さん
旦那の肌の色つやがよくなったラストで笑ってしまった。しゃこは殻が固いから、茹でたりしてしまうけど、新鮮ならばさしみが美味いらしい。しかし死体を食べるというのは、どんな生物だって食べるから、特別にしゃこがどうという事はもちろんありえない。でもおばさんの不気味さに死肉をむさぼるというイメージを植えつけたのは面白いと思った。

Entry.10『胎内樹型』棗樹さん
国の天然記念物になっている位有名だけれども、私はテレビで見ただけだ。なんでも恋人同士で手をつないで入って、そのまま出てこれたら結ばれるという言伝え(笑)があるらしい。なんにでも言伝えはできるのだ。しかしこれは小説だろうか? 私には何がいいたいのかわからなかった。

Entry.11『部屋と壁』小山ユキさん
早く捨ててしまいなさい。というか私はお話を読みたいです。こういう自分?の気持ちをそのまま文章にするのっていうのは、お話というよりは、詩に近いんじゃないでしょうか?

Entry.12『内側からの追跡』林徳鎬さん
判りません。お手上げです。一応1000字にはなっていますが、私にはこの話?が理解出来ません。余りにも観念的過ぎるからでしょうか? 私が年を取っているせいかも知れませんが、お話はやっぱり理解されて始めて共感を得るものだと思います。もっとも理解されないからといっても、それは読者のせいかも知れないんですけどね。

Entry.13『音』橘内 潤さん
ストーリーとしては当たり前過ぎて? 面白くないんですが、まるで人間ではないみたいなエネルギー量の表現が、新しく感じて、面白かったです。

Entry.14『未知標(みちしるべ)』さとう啓介さん
これからどうなるのか判らない二人だけれども、何とか歩いて行こうとする主人公の気持ちは理解出来るのだが、なんだか今までの作風と変わってきているなぁと感じた。その変わっていく途上なのだろうが、途中に挿入される主人公の考えというか想いが、全体の雰囲気と巧くマッチしていないように感じてしまった。

Entry.15『身勝手なオタク』日向さちさん
引越しする前に使っていた駅では、大きなラジカセを鳴らして、ホームで踊っている人がおりました。彼も電車が来る度に、駅員よろしく、指差し確認をして乗客の安全を見つめていたのを思い出します。確かに【イカレてる】んだけど、私には何だか微笑ましいとさえ思える情景だったのを覚えています。他人に迷惑をかけなければ、いいじゃないかという気もありますし、ひょっとしたら彼にはそれが唯一の楽しみなのかも知れないと思うと、なんだか暖かく見守っていたくなってしまったのでした。ってこれも感想になってないぞ(笑)

Entry.16『食いしん坊の条件』ごんぱちさん
食いしん坊の条件は食べ方なのかぁ(笑)私の知り合いにもいくら食べても太らない女性がおりました。一度一緒にスキーに行った時に旅館で夕食を食べて、その後町へ散策に出かけた時にも、夕食後一時間程たっていないのに、お腹が空いたといって喫茶店でスパゲッティなんぞを食べていたのを思い出します(笑)結構可愛かった彼女は随分前に結婚してしまいましたが、今はどんな体系になっているのか逢ってみたい。

Entry.17『住民』自作
実は、これは別の話の導入部だったんですよね。ヤクザの親分さんの、娘婿が主人公で、シマを荒らしている人物を殺す為に、呼び出された主人公が登場するシーンだったんです(笑)そしてその主人公は、ヤクザの力(暴力)を使って、情報を厚め、警察の目をかいくぐって犯人を突き止めて、殺してしまうというものなんですが、結局この作品は書かれることがありませんでした(笑)で、こういう形になってしまった。しかしラストがどうもいただけない。ここの住民になるのに、お笑い芸人である必要性も不明確だし、住民になることによる特権もイマイチ。なんだかもったいない使い方をしてしまったなぁと今では思っています。(ってそんなに大層なもんじゃないだろう)

Entry.18『どうせ、水なんかじゃ流れない。』アナトー・シキソさん
読み始めて、芥川竜之介の「河童」を思い出した。生まれる前の子供に対して、生まれたいかを聞くシーンがあった。中学生の頃に読んだだけだからはっきり覚えていないが、未だに記憶があるくらいだから、印象的だったのだろう。そういう意味もあってか、赤ちゃんが喋るというのには驚かなかった。それよりも、何も知らないのかどうかは別としてラストで水を流してしまうシーンには驚いた。面白い。

Entry.19『人間の条件』るるるぶ☆どっぐちゃんさん
「映画のタイトルシリーズ」?で私はこの作品が一番好きだ。人間の条件を無くしてしまったとか、飛んでいったとかいう表現も可笑しいし、地に落ちてしまった人間の条件なんていう洒落も面白い。人間としての条件とはいえ、時代と共に考え方も変わってくるから、再生(紙)されるべきなんでしょう。

Entry.20『限りある資源』カピバラさん
笑った。アメリカとの安保条約は何の為にあるのかなんていう今ではもう意味さえも守られていない条約に固執している日本も、軍事大国アメリカの傘下にいるせいと、アメリカに諸手を上げて何でも「イエス」という日本政府の風潮にも、頭に来ているが、ラストの広告は素敵です。でも、アメリカでは自国のコーヒーの事をアメリカンとは言わない。しかし不思議なのは米国の映画などを見ていると、ドロッとした不味そうな
コーヒーを飲むシーンが多いけれども、日本でいうアメリカンコーヒー(豆を炒る時間が短いコーヒー)とは似ても似つかないのは何故だろう。あれは和製英語のようにアメリカっぽい(大量に飲むから色を薄くしたコーヒー)という感じから付けたコーヒーの飲み方なんだろうか?
しかし国連を無視したアメリカの強気の態度で、北朝鮮が反発し、東京に爆弾でも落ちれば、北朝鮮を攻撃できるなんていう気持ちもあるのかも知れないと思うと、恐くなってくるのは確かだ。