2009年1月

第2794号 2009年1月1日号


文化と環境さらに推進
 新春座談会
  池袋副都心再生も加速




新春座談会出席者

衆議院議員
 小池 ゆり子氏
豊島区長
 高野 之夫氏
豊島区議会議長
 吉村 辰明氏
東京商工会議所豊島支部会長
 渡邊 輝氏
豊島区町会連合会長
 中村 丈一氏
豊島区商店街連合会長
 足立 勲氏

 足立 明けましておめでとうございます。今日は豊島区の各界を代表する方々にお集まりいただき、豊島区の将来や抱えている課題などをお話いただきたいと思います。昨年の米国発のサブプライムローン問題などから日本も未曾有の経済危機に直面、豊島区の中小零細企業にとっても大変なとき。まずはその辺りから。

 高野 豊島区は中小零細企業が多いく、啓の動向がもろに影響する。私たち行政もこの不況にどう対処していくか、とくに商工融資等をふくめてどういう手立てがとれるか。商店についてもとても厳しいという認識できめの細かい対処を考えています。

 渡辺 不況で一番影響を受けるのは中小零細。我われはその集り。どういう手立てが出来るのか、日夜頭を悩ませているところ。本部・支部ともに全力で取り組んでいるでいます。国に対しても一日も早い対策を要望しています。とくにこのところマル経融資の利用者が増えている。これまで5つあった政府金融機関が2つに絞られた。それで全てが賄えるのか。その辺が問題になるのではと考えている。豊島区には信金協議会というのがあり、手を差し伸べていただきたいとお願いしている。

 足立 元気の出る新しい街づくりの核として、新庁舎建設、またコミュニティバスなどがあげられているが。

 吉村 議員は各地域から選出されているのでまとまるのに時間がかかる。当然、新庁舎の問題もだんだんと理解がすすんでいます。区の方もはっきりとした方向性を打ち出していますので、これからはどのようなものにとか、これまでとは角度を変えて区長に進言していくようになると思います。またコミュニティバスについては、いろいろの形はありますが、23区で15区が導入、豊島区は3つの区と接していますので、遅れを取らずに導入を進めていかなければいけない。

 中村 地域差はありますが、町会連合会としてはどちらも前向き。とくに新庁舎については一日も早い実現を期待しています。

 渡辺 新庁舎については一刻も早く。防災面からも現在の庁舎でイザという時に対処できるのか不安だ。また新庁舎建設が豊島区活性化のきっかけとなるという期待が大きい。LRTについては、その地域の人たちのみの関心で、他の人の興味を引かなかったが、新庁舎に結びつけることや回遊性を持たせることで、注目を集めるようになってきたと思える。またコミュニティバスはいま不便な思いをしている方や、高齢者に関心がある。

 小池 昨年、石油価格が高騰し、食糧問題にまで波及した。また地球温暖化防止のためCO2排出量規制等の中で、豊島区では低炭素社会の実現につながる夢のある計画がすすんでいる。環境面で世界に対するメッセージを発信し、モデルシティとなって欲しい。単に観光客を呼ぶというのではなく、低炭素社会作りのツールとして新庁舎、LRT一体で是非実現していただきたい。コミュニティバスについてはコストとともに区民の皆さんの使い勝手を十分に考慮して進めていただきたい。

 高野 昨年2008年は豊島区にとって画期的な年でありました。副都心線開通で、池袋が通過駅になるんではとの強い危機感があった。街をあげて池袋副都心再生が叫ばれました。それらの声を一つにまとめてグランドビジョンという形で発表させていただきました。十数年かけて検討され続けてきた新庁舎問題もようやく皆様の理解をいただき現庁舎地から旧日出小学校跡地へと方向性を打ち出すことが出来ました。庁舎のうえに住宅というおそらく他自治体では初めての計画、さらに現庁舎跡地の再開発は、池袋発展の核にもなるものと確信いたしております。また昨年は環境都市元年として環境問題に真正面から取り組んでまいりました。残念ながら環境モデル都市からは漏れましたが、さらにバージョンアップして環境問題に真剣に取り組んでまいります。そんななかで、車に頼らない街づくりとしてLRT、コミュニティバスに取り組んでいきます。日本一高密度な都市だからこそ、やらなければならない。今年は環境都市づくりにどう取り組むかを試される年であるといえます。

 渡辺 区は緑化にも力を入れていますね。また太陽熱の利用にも積極的だ。我われは新築ビルへの防災倉庫の確保や防災時のケーブルテレビの活用を提言していますが、安全で潤いのある街づくりには建ぺい率の緩和がどうしても必要です。広い道路、快適な緑地の確保ができる。

 中村 町会にはありとあらゆることが関わってくる。建物の高層化もそうですが、ようは安全安心の街をどうつくっていくかということ。町会は食の安全から子ども・お年寄りの見守り、防災、リサイクル、まさに生活全てが関わってくる。

 足立 環境についてもう少し。

 小池 都会のヒートアイランド現象を回避するためにも緑化の取り組みはいいですね。屋上緑化のコンテストなんかも面白いのでは。また海外ではほとんど見られない電柱を撤去し、街路樹にかえるのもいい。ソメイヨシノの発祥の地である豊島区から緑化を全国に発信してもらいたい。

 高野 豊島区でもソメイヨシノは駒込が発祥だと知らない人が多い。ソメイヨシノは豊島区の誇り。駒込にソメイヨシノの里公園を計画しています。そこにはサクラの苗床を作って全国に発信していく。昨年も山形の村山市にソメイヨシノを持参して植樹しましたが、地元から街をあげて歓迎され、いいPRにもなりました。あの感動を全国に広めたいですね。

 足立 その公園までの道路や案内板の整備もしっかりとやっていただきたい。大塚も駅舎の改修で盛り上がっていますが。

 吉村 これまではどうしても南北が処断された感じでしたが、この改修工事により南北自由通路が開通し、大塚の街の一体的な発展が期待できます。念願が叶うわけです。古くは池袋よりも栄えていた街。とくに比較的若い人たちが中心となって町おこしの気運が高まっています。

 足立 大塚といえば阿波踊り。やはりこれまで地元の多くの人たちが育ててきた大塚阿波踊りを活用した街づくりをやって欲しい。駅前や大通りの整備計画にも是非阿波踊りの雰囲気を取り入れたものに。

 高野 南北通路の完成がきっかけとなって大塚の街は大きく変っていくと思いますよ。目白も駅が新しくなることで街が大きく変りました。学習院となりの椿の坂も今年は電柱をなくして整備することに。大塚もこれをきっかけに駅前整備に入り、区としても一回だけの阿波踊りイベントではなく、阿波踊りを核に街を印象付けるような地域づくりを応援していくことになるでしょう。豊島区一の賑わいのある街を再現していただきたい。また巣鴨駅も改修に入っていますから、大塚と巣鴨が連携しての街づくりがさらにすすんでいくのではないかと考えてます。

 足立 当然、池袋副都心の再開発についても。新庁舎のほかにもかねてからの造幣局の問題もありますね。

 中村 町会連合会ではあそこを防災公園にして欲しいとかねてから運動してきたところです。今でも期待しています。

 高野 区でも働きかけは続けています。防災公園、造幣局、再開発で3分の1ずつ、副都心池袋の核となるような開発を積極的に進めていくという意向を聞いています。サンシャインが出来て30年、この間確かに池袋の開発は遅れましたが、逆にその分、これから大きな期待が池袋には持てます。今後とも区民の皆さまと情報を共有しながら開発を進めていきたいですね。

 渡辺 我われが提案しているのは、うえに防災公園、地下にコンベンションセンターなど作るということです。としまは交通の便がいい。都心にはこういった施設がないので、車で来なくても大勢の人が集まれる場所となり、必ずや豊島区の発展につながるはずです。また我われは池袋の東西デッキも必ずや実現したい。第2東京タワー誘致で中断した形となりましたが、活動は進めています。実現には西武と東武の協力が不可欠です。

 高野 今年の福袋で西武と東武が初めて協力をした。区が中に入りましたが、これは画期的なこと。全体を考えるきっかけ作りになったんじゃないですか。街づくりは全体を考えたコンセンサスをしっかりと作ってやっていかなければいけない。そのためのグランドビジョンです。

 小池 街の発展は点ではなく、どうやって面で考えていくかが基本。一つ一つが大きなテーマでつながっていることこそ、より以上のプラスの効果がでてくる。先を見越した未来図を描くことが必要ですね。

 渡辺 高野区長には大いに期待しています。借金800億円あった豊島区財政を見事に立ち直らせた実績。いまこそ大きなチャンスであると思う。

 吉村 昨年は池袋の街の魅力を再認識した年でもありました。副都心線の開通で新宿、渋谷にお客様を根こそぎ取られるんじゃないかと凄い危機感でした。私自身も新宿、渋谷にはややひけ目を感じていましたが、西武線、東武線、埼京線の人たちは池袋のよさをよく知っていました。この声に応える街づくりをしていかなければいけないと思います。

 中村 高野区長が就任したときは区の財政はどん底でしたね。職員、議員、住民の我慢と協力もありましたが、大変な努力だったと思います。

 渡辺 国の小さいのが豊島区。豊島区は高野区長のもと、行政改革をやり遂げた。胸張っていい。

 高野 財政の厳しい中でこれからの豊島区をどう作り上げていくかというときに、すぐに文化政策を取り入れた。当初、区民の理解を得るのは大変でした。それこそ文化文化で食べていけるのかと厳しい意見が多かった。そんな中、新中央図書館は一日3千人の利用者のある日本一の図書館に。この間の図書館サミットも他では出来ないものでした。

 小池 豊島の行政は効率がいい。ほかのモデルになるかも。

 高野 50年前の庁舎、職員も3千から2千人に減、議員定数も減ってます。効率的な行政という点ではかなり努力していると思います。

 渡辺 豊島区の元気の一因には区商連の存在が大きい。これほど活動しているところは他の区にない。

 高野 先ごろ出版された豊島区を分析した本によると豊島区を救うのは区商連、元気な商店街づくりが豊島区の特色であるというようなことが載ってました。

 足立 非常にありがたい言葉をいただきましたが、商店街はこれから。これまでは大雑把でしたが、これからはもっともっときめ細かな活動をやっていきたい。地域福祉と商店街を結び付けるとか、一店一品ブランドの立上とか、やることはたくさんある。熱意を持って継続していくだけです。またケーブルテレビを使った情報の共有もとても大切なことですので、進めていきたい。やり方とアイデアで商店街はいつまでも元気であり続けます。

 足立 それでは最後に言い足りなかったことをどうぞ。

 渡辺 社会を明るくする運動に携わっていますが、最近、犯罪が多い。本来躾は家庭ですべきだろうが、学校を含めた地域の力をあわせてより良い社会を築いていきたい。

 中村 町会は地域の安全安心のため、行政との支えあいを基本に活動してゆきます。

 吉村 昨年からインターネットでの議会放映が始まりました。また広報、掲示板での情報の発信も。開かれた議会づくりに力を注いでますので、是非区民の声をお寄せ下さい。

 小池 世界の中で日本はどうあるべきか、また何をなすべきなのか。私の役割、責任とは何なのか。そのことは私の地元である豊島区の皆様方が元気であるということと合致します。今年こそ思い切ったことを計画し、実行してまいりたい。それが豊島の元気となるように。

 高野 財政再建の道筋が見えてきたこともあり、昨年は豊島区の転換期、節目でありました。行政の基本は教育と福祉にあります。それらを踏まえて今年は豊島区の目指す方向性をしっかりと作り上げていく年。心引き締めて区民の声に耳を傾け、豊島の飛躍の年にしたいと思います。

 足立 商店街も区民の皆様の期待に応えられるように、今年は強くしなやかにがんばっていきます。ご支援よろしくお願いします。


»» BACK

«« Go to TOP


〒170-0013 豊島区東池袋1-21-11 オークビル 5F
Copyright© 豊島新聞社 2003-2009
トップページ バックナンバー 豊島区の選挙 紙面で見る
区民の歴史
リンク集 豊島新聞について

豊島新聞綱領

本社事務所
〒170-0013
豊島区東池袋
1-21-11
オークビル5F

豊島新聞は
毎週水曜日
発行です

民の情報紙

株式会社
豊島新聞社

豊島新聞
TEL
3971-0423
FAX
3986-4244
情報・投稿
購読申込み
購読料
3ヶ月2,700円