2010年2月

第2844号 2010年2月17日号


959億5,500万円
 来年度予算案発表
 19日から第1回豊島区議会


 来年度の予算などが審議される19日からの平成22年第1回豊島区議会定例会をまえに平成22年度豊島区予算案が発表された。

 区では、想定を超える極めて厳しい歳入環境であるが、区民にとって将来に向けた展望が実感できるよう、新たな区民要望に可能な限り応えるとともに、これまでの行政サービスの水準は低下させない、景気悪化の長期化に備えるため財政調整基金からの取り崩しは出来るだけ抑える、という基本方針のもとに区民生活に身近な福祉施策の充実、子育てや教育などの次世代育成支援、地域の安全・安心の確保、さらには区民の区政への参加と協働の推進を区政の基本としつつ、文化と品格を誇れる価値あるまちづくり環境に配慮した都市の創造を目指し、「文化」、「都市再生」、「環境」を重点的に絞り込んだとしている。

 また「未来戦略推進プラン」を実効あるものとするために、引き続き、負債の削減、人件費の抑制、民間活力の活用、公共施設の再構築などの構造改革に取り組み、将来にわたり安定的かつ健全な財政基盤を構築し、一層スリムで効率的な行政経営を目指すとしている。

 22年度の一般会計当初予算規模は、959億55百万円、前年度に比べ66億65百万円の増、7.5%のプラスとなっている。増加率7.5%は元年度以降では6番目に高く、当初予算規模が900億円を超えるのは14年度以来8年ぶりとなっているが、義務的経費である子ども手当て、生活保護費及び国保会計繰越金の増加分を除けば、当初予算規模は約899億円となり、前年同様厳しく抑えられた予算といえる。また約26億円の財源不足を生じたため財政調整基金から約14億円の繰り入れを行うなど、昨年度に続き財源対策を講じている。

 人件費は前年度に比べ4億99百万円の減、2.2%のマイナス、事業費は68億13百万円の増、12.2%のプラス。投資的経費は3億51百万円の増、3.1パーセントのプラスとなっている。

 特別会計を含めた財政規模は1,430億31百万円、前年度当初予算に比べ57億5百万円の増、4.2%のプラスとなっている。

 22年度の豊島区予算重点事業として「訪れたい、住み続けたいまちづくりの集大成」を掲げ、27事業を挙げている。

 その中から、まずセーフコミュニティ認証取得事業。「セーフコミュニティ」とは、WHO(世界保健機関)が推進している、「予防」に重点を置いた、安全と健康の質を高めるまちづくり活動。日本では2団体、世界では177の団体(H21年12月現在)が、その認証を取得しており、東京からは豊島区が初めての挑戦となる。豊島区では、町会の安全活動や繁華街におけるパトロール、学校の安全、高齢者の介護予防など、数多くの区民主体の活動が展開され、交通事故や犯罪は減少傾向にある。その一方で、自殺や虐待、孤独死など、外傷の要因が多様化しており、これまでの縦割り部門別の対応では、有効な活動が難しくなっている。「セーフコミュニティ」は、「科学的分析に基づく予防プログラム」と「部門横断的な連携・協働」を基本として、「けがや事故等は決して偶然の結果ではなく、地域が力を合わせることで必ず予防できる」とする考え方。地域ぐるみで認証に挑戦することで、広く国内外の取り組みに学び、日本一の高密都市から独自の「セーフコミュニティ」のモデルを発信するとしている。9,386千円。

 がん対策推進事業。がん予防の第一人者、中川恵一東大准教授(厚生労働省「がんに関する普及啓発懇談会」座長)を協力者に、 都内初となる、がん対策条例を制定する。国民の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死亡しています。豊島区は、がんの対策を最重要課題とし、将来がんで苦しむことがないように啓発・予防に取り組みます。また、がん患者・家族のサポート体制を構築する。10,000千円。

 地域ビジョンの推進、トキワ荘・並木ハウス関連事業。マンガ文化で有名な街が、新たな魅力を発信する第2ステージへ。その街に長い間住んでいる人だから、その街に憧れて移り住んできた人だから知っている街の魅力を発信する拠点を設けます。雑司が谷では、副都心線開業を契機に、地域住民とともに「雑司が谷・歴史と文化のまちづくり懇談会」を開催してる。南長崎では、地域の実行委員会を先頭に、記念碑「トキワ荘のヒーローたち」を設置。街の魅力を高めるため、地域の思いが込められた街づくりが進められている。 両地域の歴史や文化を活かした拠点を地域とともに開設し、街全体のブランド力を高める。7,000千円(地域ビジョンの推進)、13,473千円(トキワ荘・並木ハウス関連事業)。

 池袋駅西口駅前広場モザイカルチャー設置事業。約40年ぶりに生まれ変わる池袋駅西口駅前広場。環境都市豊島区に相応しい、環境に配慮した新たな手法「モザイカルチャー」で夢があふれる空間を創造する。池袋駅西口駅前広場では、池袋副都心に相応しく、環境に優しいシンボルの設置が討されてきた。しかし、地下街が広がる構造から大きな樹木を植えることができない。そこで、近年新たな緑化技術として、また、文化創造面からも注目されている「モザイカルチャー」に着目。モザイカルチャーは、ヨーロッパの庭園で発達、植木を刈り込む「トピアリー」とは手法が違い、金属フレームで造った原型の像の表層部に草木をモザイク状、幾何学状に植え込むもの。30,000千円。


»» BACK

«« Go to TOP


〒170-0013 豊島区東池袋1-21-11 オークビル 5F
Copyright© 豊島新聞社 2003-2010
トップページ バックナンバー 豊島区の選挙 紙面で見る
区民の歴史
リンク集 豊島新聞について

豊島新聞綱領

本社事務所
〒170-0013
豊島区東池袋
1-21-11
オークビル5F

豊島新聞は
毎週水曜日
発行です

民の情報紙

株式会社
豊島新聞社

豊島新聞
TEL
3971-0423
FAX
3986-4244
情報・投稿
購読申込み
購読料
3ヶ月2,700円