2010年2月

第2845号 2010年2月24日号


「区政運営の真価問われる年」
 高野区長、区議会招集あいさつ


 平成22年第1回豊島区議会定例会が2月19日から3月26日の会期で開会、初日19日に招集あいさつにたった高野之夫区長は、「区長就任12年目を迎えて、これまでの3期にわたる区政運営の正に真価が問われる年となります」と前置きし、(1)施設方針について、(2)平成22年度予算案について、(3)平成22年度の事業展開についてーー所信を述べた。その中から事業展開「都市整備」「新庁舎整備」「文化・産業振興」「福祉・子育て」(要旨)を紹介する。


都市再生

 池袋副都心グランドビジョンの実現に向けた池袋副都心ガイドプランを本年度中に策定し、来年度は、ガイドプランに沿って、新庁舎整備、東西デッキ計画などリーディングプロジェクトを推進します。

 池袋駅及び駅周辺整備計画案の実現に向け、地下サインの改善を図るため、サイン誘導システム整備調査を行います。また、LRTを中心とした新たな地域公共交通システムの導入を視野に入れた、人と環境に優しい池袋の交通のあり方の検討を併せて進めます。

 一方、大塚駅では、南北自由通路が開通し、駅周辺の整備が進展しております。椎名町駅では周辺整備に着手し、平成24年度の完成に向けて作業が進んでおります。

 池袋副都心グランドビジョンと地域ビジョンのバランスある推進を図るとともに、社会経済状況を踏まえ、複数の都市再生プロジェクトによって、地域活力や文化、環境など地域の価値を高めるとともに、区民のみなさんに向けて魅力ある計画を発信します。

 また、老朽化に伴う建替えなどマンションに係る様々な問題を放置することは将来にわたって都市再生上の大きな課題であるとの認識のもとに、23区で一早くマンション担当課長を置き、平成15年度以来の分譲マンション実態調査を実施するほか、耐震改修助成事業を開始し、老朽化も含めた様々なマンション対策に積極的に取り組みます。


新庁舎整備

 南池袋二丁目A地区に関しましては、昨年5月に再開発事業を進めるパートナーとして、首都圏不燃建築公社と株式会社東京建物の2社が決定し、7月末には旧日出小学校跡地周辺の地区計画が都市計画決定される中、いよいよ、さる1月26日、東京都から市街地再開発事業組合としての正式な設立認可が下りたのであります。今後は、権利変換計画認可へと事業を進めます。

 新庁舎につきましては、昨年11月に新庁舎の設計に向けた考え方を整理した「新庁舎整備計画」を策定しました。

 また、設計チームには、日本を代表する著名な建築家である隈研吾氏と新進気鋭の造園家の平賀達也氏にご参加いただくこととなりまして、すでに何回も意見交換をさせていただいております。両氏のご参画によりまして、今までお示した外観とは全く異なり、次世代に誇れる斬新なデザインとなり、21世紀にふさわしい、都市と自然が調和した「環境庁舎」と呼べるような、環境都市豊島区のシンボルとなる素晴らしい建物となることを確信しているところです。

 現在、基本設計の最終段階に取り組んでいるところでありますが、来年度中の実施設計の完了を目指すために庁舎建築担当課長をおくことにしました。

 平成26年末の竣工に向けて着実に計画を推進します。

 また、それに合わせて、庁舎室内基本レイアウトの作成を行うとともに窓口サービスの検討を進めます。


文化・産業振興

 「文化政策」の分野では、昨年12月12日には、東京芸術劇場大ホールを会場として、文化庁長官表彰受賞記念式典を開催しました。谷村新司さんをはじめ、豊島区民合唱団、ジュニア・アーツ・アカデミーのみなさんが素晴らしいステージを見せてくださいました。あらゆる政策にわたり、地域の総合力を結集してさらなる文化活動を進め、文化庁長官表彰という栄誉に浴した「文化を誇れるまち豊島区」をアピールしたいと決意を新たにしました。文化の力を もって、街のイメージを大きく変える飛躍の一年とすべく、全国をリードするような取り組みをさらに展開したいと考えてます。

 本年度は、雑司が谷では「雑司が谷歴史と文化のまちづくり懇談会」、南長崎では「トキワ荘通り・協働プロジェクト まちづくり懇談会」と、トキワ荘と並木ハウスのそれぞれを中心にしたまちづくりについて地元のみなさんと議論を続けてまいりました。いよいよ来年度は第2ステージに入ります。

 鬼子母神参道にある「並木ハウスアネックス」の一部を借り上げ、情報提供、展示、販売及びイベント機能などを備えた情報ステーションを設置・運営します。

 また、トキワ荘にゆかりのある施設、跡地などを表記した案内板を設置するとともに、マンガマップ等の作成を支援して、それぞれの街の魅力を強くアピールします。

 一方で、一昨年秋からの不況が長引く中、消費不振による価格の引き下げなどの影響が中小企業、商店街に大きくのしかかっています。昨年相次いだ大規模店舗のオープンにより池袋の商圏が拡大することは期待できますが、池袋から離れた商店街等にとりましては消費低迷の影響はより厳しくなるものと考えられます。今後とも、中小企業並びに各種商店街施策の積極的な展開により、地域経済の基盤強化に取組みます。

 景気の二番底が危惧される中、中小企業の資金繰りを支援するために来年度についても、緊急の経済対策として拡充した、小規模零細企業者を対象とする利子補給や、信用保証料に関する補助率を継続するとともに、中小企業への相談体制を強化したワンストップの総合支援センターである「としまビジネスサポートセンター」の開設に向けて準備を進めます。

 区内中小企業をPRし、区内産業の底力を示すべく、今年で3回目となる「としまものづくりメッセ」を3月11日から3日間、サンシャイン・シティの展示ホールで開催します。

 このメッセは、大都市の中の産業の現状から、これからのまちづくりを考えていくことを目的としており、今回は、『「産業」と「文化・環境」の融合』をテーマに、特別展示「コンテンツ文化産業展示」や環境関連イベントなど、多彩な内容となります。

 このように様々な角度から、地域ぐるみで区内企業の活性化を推進します。


福祉・子育て

 昨年、「個人の尊厳が守られ、すべての人が地域で共に支えあい、心豊かに暮らせるまち」を基本理念とし、すべての分野において、地域における“共助”を構築することを目標とした地域保健福祉計画を策定しましたが、その着実な推進に向け、取組みます。来年度は、障害者のニーズを踏まえ必要なサービス量を見込むため、また、高齢者の生活・健康状態や保健福祉サービスに対する需要を把握するための調査を行います。また、新計画の中核をなす事業としてモデル事業をスタートした“コミュニティ ソーシャルワーカー”の地域への浸透を図ります。

 薄れつつある地域のコミュニティのなかで、如何にして「新たな支え合い」の仕組みを再構築していくか、新たな挑戦として積極的に取り組みたいと考えてます。

 平成22年度は、65才以上の一人暮らし・高齢者のみの世帯の状況を把握するために実態調査を行い、調査結果を民生・児童委員と地域包括支援センターに提供することにより、地域における見守り体制の充実強化を図ります。

 これまで、千川小学校跡地の活用については、飛び地部分に高松第一保育園を移転改築し、小学校跡地には、運動機能に配慮した近隣公園を整備することとしてまいりました。しかし、区内に特別養護老人ホームを整備する必要性が高く、改めて区内用地を検討いたしますと、千川小学校跡地が有力な候補として浮上してきました。そこで、同校跡地の活用については、特別養護老人ホーム、保育園、公園等の整備を検討してまいることといたしました。ご理解をいただきますようお願いいたします。

 一方で、自立を支援することも重点を置いて取組む必要があります。

 かつての路上生活者で簡易旅館や宿泊所に起居しながら生活保護を受給している者は平成19年度のおよそ2倍となっていますが、長年の路上生活によって身辺自立ができない被保護者も多くなっています。こうした被保護者の自立を促進するため、相談機能を強化するとともに、アパートなど地域生活への移行を促し、定着支援を行うことで生活自立・就労自立を達成できるように図ってまいります。

 生活保護世帯数は、20年4月と比較しますと、22年1月には2年足らずのうちに36%も増加しています。こうした状況に対応するため、西部生活福祉課を新らたに設け2課体制とし、職員を増員配置することとしました。

 保育園の待機児童が全国的な問題となっておりますが、本区でも、平成20年度当初58人だった待機児童数が平成21年度当初には、122人になるなど、待機児童問題の解消は待ったなしの課題でありました。

 この課題に対応すべく、「平成22年度保育計画」を策定しているところであります。この計画は、計画期間の5カ年で、私立保育園を含めた10園程度の改築・改修を実施し、受け入れ定員の増を確保した上で、認証保育園・認可保育園の誘致を図るとともに、改築等を行わない施設でも受け入れ数の拡充に工夫を凝らすなどによりまして、300人の受入れ枠の拡大を図るものであり、平成22年度は、計画期間の初年度として着実な計画の実現に取組んでまいります。

 新たな施設を設けることが困難な中、老朽化した保育園を改築・改修して、園児の受け入れ数を拡充することは急務でありまして、まず、平成22年度は、東部子ども家庭支援センターを近隣の適地に移転いたします。現センター施設を仮園舎として利用することによりまして、平成23年度以降、西巣鴨第三、西巣鴨第二、東池袋第一の各保育園の改修・改築を行い、定員規模の拡充を図ってまいります。さらに、池袋第二保育園が使用している仮園舎施設の利用を延長いたします。

 さる1月25日には、JRの新井良亮副社長さんをお尋ねし、JR東日本が大塚駅に建設を進めている駅隣接ビルに60人規模の認可保育所を設置することをお約束いただいてまいりました。大塚駅隣接ビルに新たな認可保育所が設置されれば、山手線内で初めての駅立地の保育園となり、極めて利便性の高い施設となります。

 また、保育ママ事業の拡充を図るなど、積極的に、待機児対策に取組んでまいります。 


»» BACK

«« Go to TOP


〒170-0013 豊島区東池袋1-21-11 オークビル 5F
Copyright© 豊島新聞社 2003-2010
トップページ バックナンバー 豊島区の選挙 紙面で見る
区民の歴史
リンク集 豊島新聞について

豊島新聞綱領

本社事務所
〒170-0013
豊島区東池袋
1-21-11
オークビル5F

豊島新聞は
毎週水曜日
発行です

民の情報紙

株式会社
豊島新聞社

豊島新聞
TEL
3971-0423
FAX
3986-4244
情報・投稿
購読申込み
購読料
3ヶ月2,700円