2010年9月

第2869号 2010年9月8日号


池袋の安泰と発展願う
 東口駅前公園・四面塔尊法要


 290年前の昔から池袋の安泰と発展に厚い信仰を集める池袋東口駅前公園の一角にある池袋四面塔尊で9月2日午後2時から地域の安全祈願をかねた法要が行われた。

 奉賛会の服部洋司会長はじめ池袋東口美観商店会の西武、ISP、パルコ、ビックカメラ、東京信用金庫、巣鴨信用金庫等関係者多数が集まり、雑司が谷・法明寺の近江正典住職のもと、厳かに法要が営まれた。服部会長は「この歴史ある四面塔尊が、もっともっと地元の人や来街者に愛され、親しまれるように末永く見守り盛り上げていきたい」とあいさつ。

 法要後、近江住職から「人の幸せとは家庭円満で、仕事も順調というのはもちろんですが、一番の幸せというのは自分以外の人のために何かができる時、またできた時、自分のやったことで周りの人々が喜んでくれた時にあります。その喜びがやがて自分に帰ってくる。自分のことよりまず相手のことを気遣うというのがお釈迦様の教え、大乗です。この四面塔尊もここで辻斬りにあわれた人たち、またここを通行する人たちの安全のために建てられました、まさに自分以外の人のためのもの。300年前の人々と心同じにして、皆さまと共にここでお祈りできる幸せを感じます」との法話があり、一同気持ちを新たに散会した。


江戸の昔から厚い信仰

【池袋四面塔尊の由来】
 今から約二百九十年前の享保の頃(徳川幕府八代将軍吉宗の頃)高田雑司ケ谷と板橋を結ぶ街道と礫川と東長崎を結ぶ街道付近(現在の西武線池袋駅東口)は、夕方になると追いはぎや辻斬が出没し、夜はその難を逃れる為、通行する人が途絶えた。享保六年の夏、一晩で一七名の辻斬残骸があり、この不祥事を憂いて、池袋村民有志六十四人が雑司ケ谷鬼子母神威光山法明寺第二十二世日相上人に供養をお願いし、享保六年九月、法華経のお題目を刻した石塔を建立して無縁仏の霊を供養した。正面にはお題目、右側面には北方板ばしみち、左側面には、南方高田雑司ケ谷道が記され、道標としても使われた。この塔は四面塔尊と称され、以来、法華経の功徳により災難は解消された。(池袋四面塔尊奉賛会)

 四面塔は、供養塔、祟り塔、三宮魔方陣の3つの顔を持っている。

 明治時代になり池袋周辺は近代化の開発の波が襲い、東武鉄道と西武鉄道の開業により四面塔が在った場所は区画整理を受けて塔は駅前に強制移動された。移動に関った作業員が相次いで事故死したため、毎年四面塔の祭事が在ったが、太平洋戦争の勃発により祭は中断し周辺は空襲や戦後混乱で荒廃。戦後混乱も終息し再び駅周辺は開発が始まり、1955年(昭和30年)駅前に丸物デパートの建設により、駅前から現在の土地にまた強制移動された。丸物デパートの建設中事故が頻発した為、デパート関係者は地元の有志と協力して四面塔を新装し、祟りの終息を祈願した。現在でも池袋パルコでは月一のお参りを欠かさないでいる。

【池袋四面塔尊奉賛会】
 名誉会長=宮田和昌、会長=服部洋司、世話人=大熊良幸、津島徳男、石井浄丈、清水泰子、菅澤省吾


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