2010年9月

第2871号 2010年9月29日号


豊島区21年度決算
 4年連続で特別な財源対策を講じずに黒字決算
 高野区長、議会招集あいさつから


 平成22年第3回豊島区議会定例会が24日に招集され、初日、招集あいさつに立った高野区長は21年度決算の状況について次のように語った。


◇ ◇ ◇ ◇


 平成21年度の一般会計決算額は、歳入が1,002億5千万円で収入率96.8%、歳出は965億3百万円であり、執行率は93.2%となりました。前年度と比較いたしますと、歳入は37億4千9百万円の増で3.9%のプラス、歳出につきましても、46億8千8百万円の増であり、5.1%のプラスであります。

 昭和50年度以降の決算では、歳入の収入率の96.8%は下から10番目、歳出の執行率の93.2%は、下から5番目に低い結果となっていますが、これは市街地再開発事業などで約16億円の繰越明許費が生じたことによるものでありまして、これらの影響を除いた場合には、収入率は98.3%、執行率は94.6%と、平年並みの数値となるものであります。

 歳入が前年度比37億4千9百万円増となったのは、特別区交付金が39億千百万円の減となったものの、主に国庫補助金が57億3千5百万円、特別区債が18億5千8百万円と大幅に増加したことによるものです。

 歳入のうちの主なものについて述べますと、まず、国庫補助金の増は、主に、定額給付金の補助金が36億千2百万円の増となったことや「地域活性化・公共投資臨時交付金」など、不況対策関連の国庫補助金が大幅に増えるとともに、生活保護費への国の負担金が20億千5百万円増えたことなどによるもので、不況の影響とそれに対する経済対策の影響が色濃く出たものと考えております。

 特別区税は、課税人口の増加等による特別区民税の増収等により、対前年度比1億千9百万円、0.4%の僅かな増となりました。

 一方、市町村民税法人分等を原資とする特別区交付金については、景気悪化に伴う落ちこみなどにより、対前年度比39億千百万円、12.4%もの大幅減になりました。

 特別区債は、22億8千9百万円となり、前年度と比べると18億5千8百万円の増となりました。

 起債発行額が昭和51年度以来初めて10億円を下回った平成20年度と比較しますと、起債発行額が増加いたしましたが、一方で、繰上げ償還によって借入額残高の縮小を図りながら財政の健全化を進める路線は維持してまいりたいと考えております。

 また、平成21年度は財政調整基金からの繰り入れを行いませんでした。また、予算段階で、特別な財源対策として10億5千5百万円を見込んだ旧中央図書館の用地売却は、これを行いませんでした。従いまして、結果的に平成18年度以降、4年連続で特別な財源対策を講じずに黒字決算とすることができたことになります。

 次に、歳出は対前年度比46億8千8百万円の伸びとなりました。義務的経費では、職員定数の見直し等の効果で職員給与が減となったことなどにより人件費が11億8千6百万円の減、公債費も6億8百万円の減と縮小しましたが、一方で扶助費が生活保護費などの伸びにより29億9千4百万円と16.2%も伸びた結果、義務的経費全体で11億9千9百万円、2.5%のプラスとなっています。

 投資的経費については、東池袋四丁目第二地区の市街地再開発事業や大塚駅南北自由通路の整備経費の増加などにより、対前年度比5億4千2百万円、4%の増となりました。

 土地開発公社の長期債務については、26億8千2百万円の繰上償還を行い、18年度から引き続き4年にわたって負の遺産の軽減を図った結果、21年度末の残高は40億円余りとなりましたが、本定例会の補正予算として提案しておりますように、全額を償還いしたします。

 一般行政経費については、前年度比29億4千7百万円の増となりました。これは財政調整基金、義務教育施設整備基金、公共施設再構築基金などへの積立金が、前年度比10億2千5百万円、35.9%減る一方、定額給付金事業経費36億千2百万円の増などにより、補助費等が34億8千3百万円増加し、また、小中学校のICT環境整備の増などにより物件費が13億6千8百万円増加したことなどによるものです。

 こうした歳入歳出決算の結果、歳入から歳出を差し引いた形式収支は37億4千7百万円となり、実質収支も26億5千2百万円の黒字となりました。

 経常収支比率は、経常的収入が大幅に減少したために前年度より3.9ポイント上昇して83.5%となりましたが、一方、公債費比率は、起債残高の減少に伴って、前年度から0.5ポイント改善されて9.4%となりました。

 また、法に定める「財政健全化判断比率」のうち、地方債の元利償還金だけでなく、土地開発公社の分割償還金なども加えて算出する「実質公債費比率」につきましては、前年度より1.3ポイント減少して7.1%となりました。

 7.1%という比率は、国が定める早期健全化団体の基準である25%とは大きく離れてはおりますが、23区全体の数値がおしなべて改善されている中で、昨年度同様、他区に大きく水をあけられた状況にあると考えております。

 さらに、ストックの状況に関する「将来負担比率」はマイナス34.7%と、22.4ポイントも改善されました。これは、起債残高、土地開発公社の長期債務それぞれが34億円あまり減少したことなどによるものです。

 このように、平成21年度の決算における主要な財政指標は改善されつつありますが、23区との比較の上ではさらなる改善が必要であります。さらに、円高・株安が続き、景気回復が足踏み状態であることを踏まえれば、今後の区財政状況は決して楽観できる状況にはありません。

 したがいまして、さらなる行財政改革に向けて不退転の決意で臨んでまいります。未来戦略推進プラン2011では、これまでの財政再建の成果をふまえて、行財政改革の新たな姿、行財政改革「第二ステージ」の目標をお示ししたいと考えております。


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