2011年7月

第2906号 2011年7月13日号


高野区長、4期目への決意


 第2回豊島区議会定例会での高野区長の招集あいさつより=前号から続き。

放射線量の測定について

 福島第一原子力発電所事故が、チェルノブイリ原発事故に匹敵する事故と報じられる中で、放射能による汚染について様々な憶測情報が流されてきました。

 放射能は直接に目で見、肌で感じることができず、また、その汚染による健康被害が数十年後に現れる可能性もあることから、様々な風評等も先行し、混乱する情報の中でたいへん不安な思いをされた区民のみなさんからは、区の対応を求める多くの声が寄せられておりました。

 これまで、放射線量の測定は東京都が行うものと位置づけられてきましたが、都の測定は測定箇所が少ない上に、最も被害を受けやすい子どもたちの身近な場所での測定ではなかったため、区民のみなさんの不安を解消する対応としては十分ではありませんでした。

 また、区民のみなさんに安心して生活していただくためには、区としましても、独自に測定して、一日も早く正確な情報を公表し、放射能汚染にまつわる誤解や混乱を解消して、みなさんの健康被害に対する不安を払拭することが急務でありました。

 この度、ようやく放射線測定機を入手することができ、今月上旬から朋有小学校での測定値を公表したところでありますが、多くの区民のみなさんのご要望にお応えして、測定箇所を、すべての保育園、幼稚園、小・中学校と区内5か所の主要な公園に拡大することに加えて、定期的に土壌と砂場、そしてプールの放射線量についての分析を専門の業者に委託いたします。

 測定結果は、迅速にホームページや広報、さらには、安全・安心メールによる配信などで区民のみなさんにお知らせするほか、区としましても測定で得られた数値を多様な角度から比較検討を加えまして、区民の健康に被害を及ぼすおそれがあると判断された場合には、ただちに安全な措置を講じることができるように危機管理体制の強化に努めてまいります。

 今後とも、区民の安全と安心を守るという区の基本的な使命を果たすために、迅速に必要な方策を講じてまいりたいと考えております。


政策発信力の強化について

 先にも述べましたとおり、私は、これからの4年間をこれまでの政策の集大成として、「文化と品格を誇れる価値あるまち」と「安全・安心を創造し続けるまち」の二つの将来像を実現するための基盤となる具体的な政策をこの4年間で仕上げ、これを次の世代に引き継いでいかなければならないと考えております。

 そのためには、さらに一層、政策形成力を高め、これまでにない発想力に富んだ政策を練り上げ、それらを大いに内外に発信して、その当否について区民のみなさんの論議を呼び起こす端緒となるような、政策発信力の強化が必要であります。

 この度の選挙戦を通じまして、政策の意図や私の真意が、なかなかマスコミに伝わらないことを痛感した経験を踏まえまして、これからは、私自身が自らの言葉で積極的に政策を語り、私の考えを行動で示してまいりたいと思います。

 そこで、まずはじめに、今期から月例の記者会見を行うこととしました。堅苦しい形式的な会見にならずに、記者のみなさんと自由闊達な意見交換ができることを重視しまして、来月から、毎月、実施していきます。

 さらに、政策の意図や私の考えが端的に区民のみなさんに伝わるように、また、私の日々の行動も明らかになるように、区長室ホームページの充実を図ります。

 このような発信力強化の前提としまして、例えば、現場の第一線で従事する若手職員の問題意識から、あるいは女性のしなやかな感性から、今までにない全く新しい政策が生まれてくるような自由度のある調査研究が進む職場風土を醸成して未来志向の人材の育成に努めてまいります。


新たな挑戦に向けて

「最善のものを希望せよ。しかし最悪のものに備えよ」と西洋のことわざにあります。

 私は、この言葉を、これからの4年間の私の信念として胸に刻み、区政の舵取りを積極果敢に推進してまいります。

 新庁舎の整備を含む池袋副都心の再生や安全・安心のまちづくりなど、区政は今、新たな挑戦に向けてスタートラインに立っています。

 この豊島区が日本一の高密都市でありながらも、安全と安心が確保され、価値ある都市に生まれ変わり、歴史と文化を大切にしながら、将来の世代に引き継がれていくためには、これから10年の都市づくりにおいて、内外の叡智を結集し、まさに「最善のもの」を求めて、将来ビジョンを描く必要があります。

 私は、このビジョンを「10年後の都市像」として区民のみなさんに明確にお示しできるよう最善の努力をしてまいります。

 一方で、東日本大震災の教訓は、この大都会が抱える多くの課題を浮き彫りにして、帰宅困難者の問題をはじめ、都市の耐震性の向上や不燃化の促進など、今後の防災対策上、常に「最悪のもの」を想定しなければならないことを学びました。

 区民のみなさんの、生命・財産など生活の全てを守る責務のある行政のかじ取りをお預かりする立場として、「最悪のものに備える」心構えを肝に銘じてまいる所存であります。

 改めて、本日の所信表明のまとめの決意として、26万7千8百人の区民の皆さん一人ひとりが、安全・安心を肌で感じ、「住んでよかった」と誇りに思える豊島区の実現に向け、これまで以上に強い信念と情熱を持って、そして、強力なリーダーシップを発揮して、区政運営に渾身の力を傾けてまいりますので、議員各位におかれましては、ぜひともご協力くださいますようお願いいたします。


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