2011年7月

第2908号 2011年7月27日号


住宅街にホタル舞う
 巣鴨・朝日ほのぼのランド


 巣鴨5丁目の住宅街の中にある広場「朝日ほのぼのランド」(巣鴨5-25-11)で、6月上旬からヘイケボタルが成虫になり、淡い光を放ちながら飛ぶ姿が住民の目を楽しませている。

 「朝日ほのぼのランド」は、区がまちづくり用地として取得した民家跡地を地域住民の意見を取り入れ整備し平成8年4月にオープンした。およそ234平方メートルの広場には田んぼや畑、小魚などが棲む池のほかベンチも整備されており、地域住民の憩いのスポットとなっている。朝日町会青少年部らが中心となり、地域の子どもたちに、生き物や植物と触れ合いながら、命の大切さも伝えてきた。

 平成20年から、「蛍が舞う郷」を目指し、廃品を利用したレンガの水路づくりや、ホタルの幼虫のえさになる巻貝を育てる等の準備を重ねてきた。昨年は、ザリガニの被害により失敗したが、冬に300匹のヘイケボタルの幼虫を水路へ放ったところ、今年は次々と羽化し最盛期には20~30匹程のホタルが夜空を舞った。「風がなく、蒸し暑い夜によく飛ぶんですよ。ホタルは水が合わないとダメといいますが、意外と井戸水よりも水道水のほうが良いみたいですね」と、朝日ほのぼのランド園長、犬飼さん。

 「ここの広場を造った時の夢が『ホタルを飛ばしたい』だったんですよ」夢がかなった園長に笑みがこぼれた。

 ホタルは、周りが明るいと光らないという。そのため、園長ほか世話人らは近隣の住民に、7月下旬ころまで照明を暗くしてくれるようお願いしているという。薄暗い広場では、住民たちの優しい心遣いに応えるかのように、ホタルが木の枝や池のほとりで淡い光を放っていた。


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