リノベーションを積極推進 消滅可能性都市対策
豊島区は消滅可能性都市への対応として「リノベーションまちづくり」を掲げ、7月24日に開いた第5回緊急対策本部をもって終了し、今後は「持続発展都市推進本部」へ移行して引き続き対策を推進していく、と7月30日の区長記者会見で発表した。
区は消滅可能性都市への対策として「女性にやさしい街づくり」、「地方との共生」、「日本の推進力」の3つの視点と方向性をあげてさまざまな対策をあげてきたが、それぞれに共通するものとして今回、「リノベーションまちづくり」を掲げた。
「リノベーション」とは、既存の建物に大規模な工事を行うことで、性能を新築の状態よりも向上させたり、価値を高めたりすることいい、老朽化した建物を単に新しくするだけのリフォームと違い、新築時の状態に戻すことを目標にするのではなく、機能や価値を向上させることを前提として改築する。よりデザイン性の高いものに改良したり、住環境を現代的なスタイルに合わせていったりすることなども含まれている。地方ではエリアを定めてこのリノベーションを取り入れて地域活性化や商店街の再生などを行い実績をあげているところもあるという。
豊島区ではこれを豊島区独自の住宅政策に取り入れて、子育て世代の住ニーズに応えるとともに、いま問題になっている空き家対策まで解決していこうというもの。
具体的には民間のリノベーション業者がチームを組んで、老朽化した建物で空き部屋などに悩むマンションオーナーとともにリノベーションを進めていくことになるが、区ではまずこの手法を学ぶためにリノベーションスクールなどに職員を派遣。それをうけて積極的にマンションオーナーに普及啓発していくとしている。
リノベーションスクールとは、これからの建築・不動産・まちづくりに欠かせないこのリノベーションの実践技術を学ぶ場として地方各地で開かれているが、区では都内で初めてのリノベーションスクールの開催に意欲を見せている。
リノベーションによって大人気マンションになった実例として東池袋の賃貸マンション「ロイヤルアネックス」があげられた。同マンションは築16年、入居者の希望にリノベーションしたことで、空き家率がこの1年間で28%から満室になり、現在150人が入居待ちの状況となっているという。
またこれまで実績があげられなかった居住支援協議会のテコ入れもあわせて行われる。
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