2016年11月

第3146号 2016年11月30日号


国際アト・カル都市着々
 高野豊島区長、議会招集あいさつ


 平成28年第4回豊島区議会定例会が11月25日、開会した。会期は12月12日までの18日間。初日、招集あいさつに立った高野区長は、国際アート・カルチャー都市の推進、福祉と子育て、安全・安心なまちづくり、教育都市としま、この1年を振り返って――など話した。国際アート・カルチャー都市の推進について紹介する。

国際アート・カルチャー都市の推進

   さて、豊島区が目指す国際アート・カルチャー都市づくりに関連する施策の現況について申し上げます。

 まず、「(仮称)豊島区新ホール」の買入れについて申し上げます。 「国際アート・カルチャー都市」のシンボルとなる旧庁舎跡地の開発においては、建物全体の実施設計が完了いたしましたので、ようやく、8つの劇場の中心となる1,300席の「新ホール」の全容をご報告できる段階となりました。

 平成26年3月にプロポーザルを開始して以降、27年3月に東京建物株式会社、株式会社サンケイビル、鹿島建設株式会社の3社からなる事業体を選定し、今年の3月、定期借地権設定契約を締結したところでございます。

 この間、新ホールの設計など、様々な協議を精力的に進めてまいりましたが、新ホールを含めた建物全体の建築確認済証も取得し、このたびすべて協議が整いましたので、本定例会に新ホールの建物買入れ議案をご提案させていただきました。

 また、12月8日には起工式を執り行う予定となっており、その後順次、本格的に工事に着手することとなっております。

 次に、「(仮称)新区民センター」について申し上げます。

 旧区民センターの解体工事も順調に進んでおり、現在、内装材、照明機器などを撤去、12月より建物本体の解体作業に入ります。今年度中には地上部分の解体が終了いたしますが、来年度には地下部分の解体と並行し、一部改築工事にも入る予定となっております。

 新区民センターは、秩父産の木材も使用する500人収容の多目的ホール、160人収容の小ホール、数多くの会議室等を備えた、区民の皆様に使っていただきやすい様々な活動拠点として、生活産業プラザと一体的に整備をいたします。

 とりわけ、2階と3階には、日本最大規模と申し上げてもよい大規模な女性トイレを中心に、パウダーコーナーやフィッティングスペースなど、女性にやさしい機能を計画しております。

 さらに、2階の一部には、授乳室やおむつ替えスペース、親子カフェスペース、小さなお子さんが安心して遊べるプレイスペースを備えた「パパママ☆すぽっと」を整備し、子育て世帯のお出かけをサポートいたします。このコーナーにも、秩父の木材を活かした、ぬくもりのある空間を造りたいと考えております。

 このように、新区民センターは、本区が掲げている「女性にやさしいまちづくり」のシンボル的な施設として位置付けておりまして、東京オリンピック・パラリンピックの前の年である平成31年9月の竣工に向け、着々と工事を進めてまいります。

 次に、旧庁舎跡地エリアのネーミング募集について申し上げます。

 旧庁舎跡地及び旧区民センター、中池袋公園などエリア一帯の開発は、「国際アート・カルチャー都市構想」のシンボルプロジェクトであり、新ホールを中心とした8つの劇場や、今まで池袋にはなかった高規格・高品質な大規模オフィスの建設により、他に類を見ないにぎわいを創出いたします。

 また、新区民センターおける、女性やお子さん連れの来街者にやさしいパブリックトイレや多言語対応のインフォメーションセンターの設置、そして周辺の道路・公園の一体的な整備などが行われ、この一帯は、変貌する豊島区を象徴するエリアとなるのであります。

 2020年に完成するこの開発が、池袋のイメージを牽引する新たなにぎわい拠点として存在感を放ち、世界から人を惹きつけられるか否かは、まちのブランド構築、情報発信、運営体制などの、ソフト面を中心とした総合的なプロデュースの成否にかかっていると言えます。

 そのため、オープン前の早い段階から、積極的に情報発信するなど戦略的取り組みを行なうことで認知度をアップさせ、ブランドイメージを発信していくことが重要であります。

 そこで、ブランディング戦略の第1弾として、旧庁舎跡地エリアの「ネーミング」に着手いたします。

 「誰もが主役」になれるという国際アート・カルチャー都市のシンボルにふさわしく、また、新たなまちの創造を予感させ、区民の皆様や来街者の方々に親しまれるネーミングを公募し、年度内に決定することを目標に手続きを進めてまいります。

 今後も2020年のオープンに向けて、庁舎跡地エリアのブランディングと情報発信を積極的に進めてまいりたいと思います。

 次に、「池袋ブランディング・シティ戦略」について申し上げます。 去る10月12日、「池袋ブランディング・シティ戦略検討会」を開催いたしました。この検討会は、国際アート・カルチャー都市構想を推進し、国際競争力を強化するアクションプランとなる「シティ戦略」を策定することを目的としております。

 検討会のメンバーは、池袋で事業展開をする「アニメイト」や「良品計画」などの地元の企業、「理化学研究所」、「本田技術研究所」などの池袋沿線で研究開発を行う企業に加え、「西武鉄道」や「東武鉄道」などの鉄道事業者、「サンシャインシティ」、「三菱地所開発」などの事業者が参画しております。

 また、国際アート・カルチャー都市懇話会幹事会幹事長の太下義之さんや、マサチューセッツ工科大学メディアラボの スプツニ子!さんなど、著名な学識経験者の皆様にもご協力をいただいております。

 加えて、国からは、国土交通省、経済産業省、東京都からは、政策企画局、都市整備局にご参加いただき、民間企業と関係行政機関のオールキャストで池袋の国際競争力強化を検討してまいります。

 今年度、検討会を3回開催し、池袋の国際競争力を強化する方策を「シティ戦略」としてまとめ、国際アート・カルチャー都市構想実現の3つの戦略、「国際戦略」、「空間戦略」「文化戦略」を相互に連携し、文化とにぎわいの都市実現を展開してまいります。

 次に、「東京アニメ・アワード・フェスティバル」池袋開催について申し上げます。

 先日、11月16日に記者会見で発表いたしましたが、平成29年3月、池袋におきまして、一般社団法人日本動画協会等が主催する「東京アニメ・アワード・フェスティバル2017」が開催されます。豊島区は、このイベントに対しまして、全面協力することにいたしました。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会後も後世に残る「有形のレガシー」の代表は、旧庁舎跡地及び周辺エリアの開発施設であります。

 一方、豊島区の「無形のレガシー」として未来に伝えるべきものは、長年区民の皆さんが育んできた様々な形の文化であります。

 特に、マンガの聖地トキワ荘のある本区は、「マンガ文化の発祥の地」であります。そして、マンガから生まれたアニメ文化は、今やクールジャパンの代表格として、世界に進出をしております。

 今回のフェスティバルは、アニメ作品の振興を目的とした国際的なアニメ映画祭であり、同フェスティバル実行委員会・一般社団法人日本動画協会が主催、東京都が共催となっております。昨年は、世界中から500作品以上の応募実績があったとのことで、池袋での開催は、世界でも数少ないアニメフェスティバルの一つとして、さらに大きく花開くことが期待されます。

 これまでの3回は、日本橋で開催されておりましたが、アニメ百周年を機に、池袋をメイン会場に移して開催したいとの打診があり、本区と協議を続けてまいりました。

 このたび実行委員会が池袋を開催地として選定した背景には、まず、多くの映画館を抱え、授賞式が行えるイベント会場を有し、交通の利便性が高く、かつまた、乙女ロード、アニメイトの存在など、アニメとの親しみが他都市に比べ最も高いという点にあったようでございます。

 それに加え、「まちの安全・安心」に関する改善状況にも着目し、池袋は将来的な展望も含め、安全・安心な地域であると高く評価していただきました。

 さらに、「シネマチ祭」などのアニメを中心にした映画祭の開催実績や、アニメイベント等に対して地元商工会・商店街の理解があることについても、開催に適した要件であるとのご判断をいただきました。

 そして何よりも、本区が国際アート・カルチャー都市として、マンガ・アニメ文化の国際的な発信に積極的である点や、新たなシネマ・コンプレックスや旧庁舎跡地エリアのホールなど、ここ数年内に確実に完成する具体的な施設建設計画があり、「地域の将来性が感じられる」という点が、今回の選定の決定打となったようであります。

 池袋は4回目の開催地となりますが、これまでで最大規模の開催が見込まれております。

 来年3月10日から13日までは、池袋駅周辺の映画館5館で国際的なアニメ作品が上映されるほか、区民ひろば朋有と区民ひろば南池袋では、無料で親子が楽しめるアニメ映画も上映されます。

 オープニングセレモニーは、メトロポリタンプラザ1階で華やかに幕を開けます。

 世界各国からの応募作品の審査会場を豊島区庁舎内に置き、授賞式は、としまセンタースクエアで執り行います。さらに、WACCAでは人形アニメ―ションのライブステージを行うなど、オール池袋でこのイベントを盛り上げてまいります。

 この期間は、まさに池袋全体がアニメ一色になります。日本中のアニメファンが池袋を訪れるとともに、外国からも多くのお客様が来られることでしょう。

 私は、先の区議会の招集あいさつにおきまして、2020年までに、マンガの聖地トキワ荘を復元すると申し上げました。

 アニメの原点はマンガであり、マンガの原点はトキワ荘であります。マンガ文化の原点となったトキワ荘を復元することは、まさに未来へのレガシーであり、マンガ文化の歴史を後世に伝えていくことが豊島区の使命であると確信をしております。この使命を果たすことができるのは、豊島区しかないと考えております。

 春の「東京アニメ・アワード・フェスティバル」、そして秋の「池袋オータム・カルチャー・フェスティバル」の開催により、豊島区は「アニメの聖地」となります。

 豊島区は、マンガ文化発祥の地としての地位を確立するとともに、日本一のアニメ文化の聖地として、さらにその魅力を国内外に向け発信してまいります。


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