2020年2月

第3287号 2020年2月12日号


令和2年度予算
 将来見据えたメリハリ予算
  新規拡充269事業45億円
  昨年に次ぐ規模1,283億円


 としま新時代 さらなる挑戦へ――。豊島区の令和2年度予算などが審議される2月11日からの区議会を前に2月4日、高野区長から予算案の記者発表が行われた。

 令和2年度の一般会計当初予算は、約1,283億円、過去最高だった前年度に比べ約215億の減、14.4%のマイナスだが、それでも今までで2番目の予算規模となった。また7年連続で財政調整基金の取り崩しを行わない安定した予算編成となっている。

 高野区長は、将来展望を見据えたメリハリのある予算であるとし、「としま新規拡充事業は全269事業で約45億円を計上し、未来の世代に向けたレガシーとなるまちの魅力と価値を最大限引き出し、ひとが主役となる様々な事業を展開。公と民の役割分担と連携を強力に進め、誰もが主役になれる劇場都市を発展させていく」としている。

 特別会計(国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計、介護保険事業会計)576億47百万円を含めた総財政規模は1859億40百万円、前年度に比べ219億11百万円の減、10.5%のマイナスとなっている。

 予算の特徴は、「区の未来展望を実現するメリハリある予算」、「新時代を展開する戦略的な予算」、「7年連続で財政調整基金の取り崩しを行わない健全な予算」の3点をあげている。

 一般会計の内訳は人件費252億08百万円(対前年度比28億27百万円増、12.6%増)、事業費866億44百万円(対前年度比5億06百万円減、0.6%減)、投資的経費164億41百万円(対前年度比238億66百万円減、59.2%減)となっている。

 投資的経費の減少は、国際アート・カルチャー都市の拠点となる新たな街「ハレザ池袋」の誕生に代表される文化とにぎわいのある街づくりが元年度に集中して竣工したことによるもので、減となった主な事業は芸術文化劇場整備(83億93百万円)、新区民センター改築(60億63万円)、4公園整備(46億80百万円)。さらに学校改築(池袋第一小、巣鴨北中、千川中)では、巣鴨北中が竣工を迎えた一方、千川中が学校改築に入るとしている。

 歳入については、特別区税は対前年度比8億15百万円の増となる342億43百万円となり、いままで最大だった令和元年度予算334億28百万円を超え、過去最大規模となった。このうち特別区民税は、人口増加により納税義務者数の大幅な増が見込めるものの、ふるさと納税による寄付金控除額の減収が、前年度の約12億円から16億円に拡大すると見込んでいる。このことから増加幅が圧縮され、9億28百万円の増、3.1プラスの309億38百万円と見込んでいる。

 区は今回の予算編成にあたって次のように方針をしめしている。

 「令和2年度予算は、街づくり記念事業を含む東アジア文化都市のレガシーを活かし、未来の世代に向けて『としま新時代』の確かな道筋を創りあげる予算です。また3年度から始まる後期・基本計画の策定に向けて、区の今後の方向性を定める重要な年度でもあります。

 こうしたなか、区の二大財源の一つである特別区民税は課税人口の伸びや収納率の向上により増加しているものの、ふるさと納税制度によって個人住民税が流出しており、財政調整交付金についても、その原資となる法人住民税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直しなど、国がすすめる税源偏在是正の動きが区財政に深刻な影響を与えています。

 このような状況のもと、2年度は23の街づくり記念事業を着実に進め、国際アート・カルチャー都市を実現するとともに、誰もが安心して暮らし続けられる街の実現に向けた施策の充実に最優先に取り組みます。さらに創意工夫を凝らし、より一層効率的な業務運営を徹底するとともに、投資的経費の計画的な見直しを進めた結果、予算規模は、一般会計当初予算で1,283億円と、前年度比215億円のマイナスとなる予算規模となりました。

 このように、災害に強い安心・安全な街づくりをはかりつつも、区民生活を支える様々な施策の充実など、豊島区の価値を高めるための投資を計画的に実施していくためには、安定的で持続的な財政基盤の構築が不可欠です。そうしたなか2年度予算においても、これまで進めてきた『子どもと女性にやさしいまちづくり』『文化による賑わいを生むまちづくり』の成果が、課税人口の増加などによる歳入増という形になって現れ、7年連続で財政調整基金の取り崩しをせずに予算を編成することができました。

 今後も未来戦略推進プラン2020を実効あるものとするため、人件費の抑制、公民連携の推進など、構造改革に引続き取り組み、安定的で持続可能な行財政運営の確立を目指してまいります」

 規模と特徴は次の通り。

 ①文化を基軸としたまちづくり(東京オリンピック・パラリンピック、世界を魅了するエンターテイメントのまち、マンガ・アニメの聖地にようこそ)31事業・8億3千万円。

 国際アート・カルチャー都市推進事業・舞台劇「不戦賛歌」公演事業・「幻の貝塚」発見に伴う埋蔵文化財調査・芸術顧問・熊谷守一生誕140周年事業・ハレザ池袋グランドオープン関係事業・芸術文化劇場こけらおとし公演関係事業・野外劇場イベント観光事業・ナイトライフ観光推進事業・池袋ジャズフェスティバル運営事業・池袋アニメタウン戦略の策定・トキワ荘まちづくりプロジェクト事業・トキワ荘通りお休み処機能強化事業・多文化共生推進事業・第20回アシテジ世界大会開催支援・東アジア文化都市交流事業・野外劇場管理運営経費事業・トキワ荘マンガミュージアム管理運営事業・グリーン大通りエリアマネジメント推進事業・大塚駅北口駅前広場光のファンタジー事業・池袋副都心再生推進事業・池袋駅周辺地域街区再編街づくり事業・池袋副都心交通戦略推進事業・イケサンパーク管理運営事業・雑司ヶ谷鬼子母神堂防災設備更新事業の補助事業など

 ②高齢者にやさしいまちづくり(総合高齢社会対策プロジェクト、社会的孤立ゼロ、100歳健康、一人暮らしでも安心)63事業9億8千万円。

 社会的孤立ゼロプロジェクト・区民ひろばマンドリンコンサート実施事業・区民ひろば健康マージャン区長杯実施事業・高齢者地域見守りタグソリューション事業・中小規模公園活用プロジェクトモデル事業・公園トイレなど特別清掃事業・フレイル対策推進事業・フレイル対策センター運営事業・認知症健診推進事業・認知症地域支援推進員活動事業・介護予防センター運営事業・胃がんX線内視鏡健診事業・在宅医療連携拠点設置委託準備業務・高度管理医療機器等貸出事業助成事業・特定保健指導初回面接当日保健指導の導入・就活サポート事業・「高齢者の手引き」全面改訂全戸配布事業・住宅セーフネット事業・福祉人材育成事業・高齢者安全運転支援装置設置促進事業。

 ③子どもと女性にやさしいまちづくり(待機児童ゼロのさらなる挑戦、公園からひろがる子どもたちの夢、多様な支援で子どもたちを育む)66事業11億1千万円。

 保健所等利用多子世帯負担軽減事業・保育の質向上事業・緊急1歳児受入事業・地域型保育事業における1歳児受入枠拡充事業・区内保育施設イケバス活用事業・私立保育園に対する保育委託及び助成事業・建物賃料補助事業検診費・キャリアアップ補助金補助事業・保育従事職員宿舎借り上げ支援事業など待機児童対策とともに、出産前から切れ目ない子育て支援として私立幼稚園への補助など、子どもの虐待・貧困対策としてこどもの権利マンガ版パンフレット作成など、わたしらしく暮らせるまちとして子ども若者総合相談事業などあげている。

 ④さらに安全・安心なまちづくり(災害対応力の強化、地域の安全・安心)34事業28億5千万円。

 防犯カメラ設置事業・災害用供給電源物品(空気電池)の備蓄、感電ブレーカー設置助成事業・帰宅困難者用備蓄物資入替・救援センター開設キットの整備・救援センター用備蓄品の入替積増・イケサンパーク防災施設整備事業・既設塀等改善工事助成事業・土砂災害特別警戒区内擁壁等対策工事助成事業・緊急医療救護所用タブレット配備事業・通学路防犯カメラの追加設置事業・急傾斜地域擁壁是正工事・公園等防犯カメラ整備事業・居住環境総合整備事業・巣鴨駅南・駒込駅北・西巣鴨駅自転車駐車場防犯カメラ設置事業・街頭防犯カメラ維持経費補助事業・震災復興まちづくり模擬訓練事業・豊島区ホームページ災害アクセス対策を講じたシステム改善・災害時生活必需品(口腔衛生)備蓄事業・防犯カメラ整備・無電柱化事業(巣鴨地蔵通り)


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