メニューインとフルトヴェングラー
録音
・ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲
1.
1947年8月28,29日 ルツェルン祝祭管
2.
1947年9月30日(?) ベルリン・フィル ライヴ
3.
1953年4月7-8日
フィルハーモニア管
1.
はSP録音。
メニューインの技巧は3種の中で一番安定している。
透明な音色によるういういしい表現で第3楽章での感興の高まりは得も言われぬものがある。
復刻CDではNaxos Historical
8.110996(ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの商業録音第3集)とTestament
SBT
1109
が比較的入手しやすいが、ノイズリダクションのやり過ぎなのかヴァイオリンの音色が鈍く聞こえ話にならない。
おすすめの復刻は東芝EMI TOCE-6058とCD-Rであるがグッディーズ ダイレクトトランスファーCD-R 78CDR-1136、IRUKA DISKS RK-202R。
東芝EMI TOCE-6058はノイズも少なく、ヴァイオリンの艶もよく入っている。
グッディーズ ダイレクトトランスファーCD-Rはヴァイオリンが輝かしく非常に生々しい音質だがオランダ盤SP使用のためノイズ少なくこの同演異盤のベスト。ここで試聴出来る。
IRUKA DISKSはSP板おこしで、英HMVのSPを全くノイズリダクションせずに復刻しているのでノイズがもの凄い。
日本フルトヴェングラー協会
WFJ51〜52の復刻はピッチが高い。
2.はライヴならではのミスもあるが、もっとも気迫に溢れ崇高な演奏である。
FONIT CETRAのCDでも音質が様々なので注意が必要。
輸入盤のCDE 1013という番号で、裏面の右下にCD made in Italyと書いてあるCDが自然な音で最上の音質である。
同じCDE 1013という番号の輸入盤でもCD is manufactured in
the USAと書かれたCDは第1楽章冒頭に欠落があり音質も相当ぼやけている。
他にもドイツプレスのCDもあるようだが、聴いていない。
キングレコードから出ていた国内盤(K33Y
194)はイタリアプレスの輸入盤よりも若干音質が落ちる。
他にもMusic & Arts
CD708というCDもあるが、なかなか生々しい音質でFONIT CETRAのイタリアプレスに準じる。
論外なのが独フルトヴェングラー協会
TMK-08080と仏ターラ
FURT-1020で、回転数の遅いテープからの復刻なのかピッチが低く、間延びしてきこえ演奏の印象が大きく落ちる。
前者はティンパニなど楽器の音が生々しい部分もあるので残念である。
3.
のメニューインは技巧的に苦しい部分もあるが、輝かしい音色でフルトヴェングラーと共に静けさをたたえた名演である。
現行の輸入盤EMI 5 66990 2や旧規格のEMI CDC 7 47119 2も悪くない音質であるが、Mythos MPCD5032がLP板おこしのためノイズがあるものの、メニューインのヴァイオリンの音が今までのどのCDよりも澄みきって美しい。
・ベートーヴェン ロマンス第1番、第2番
1953年4月9日
フィルハーモニア管
LPではメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の裏面に収録されている。
Testament(SBT
1109)が比較的入手しやすい。音はまずます。
より優れた復刻では東芝EMI
TOCE-6055がある。1937年録音のベートーヴェンの交響曲第5番との組み合わせである。
・メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調
1952年5月26日
ベルリン・フィル
現行の輸入盤EMI 5 66990 2は冴えない音質である。
ARCHIPEL
ARPCD0074も良くない。
優れているのはEMI CDC-7-47119 2とNaxos Historical
8.110991と日本フルトヴェングラー協会 WFJ51〜52。
CD-Rのセレナーデ SEDR-2035とオタケン
TK-4004も良い復刻である。
・ブラームス ヴァイオリン協奏曲
1949年8月29-31日
SP録音でテープ収録ではないようである。SPを聴くと片面の終わりでオーケストラが演奏を中断する様子が分かる。
メニューインは気迫に満ち、フルトヴェングラーの指揮も同曲のベストだと思う。
ほとんどのCDがメニューインのヴァイオリンの音が汚くきこえ論外である。
優れているのは東芝EMI TOCE-6066と日本フルトヴェングラー協会 WFJ51〜52。
この2枚に準じるのが独エレクトローラ CZS 25 2321 2(ブラームス交響曲全集)。
これらで聴くと独奏ヴァイオリンの音が香り高く艶があることが分かる。
日本フルトヴェングラー協会のCDはSPからの板おこしなのでノイズがある。
Naxos 8.110999は輸入盤EMIリファレンスシリーズ(新旧企画とも)よりはずっとマシな音である。
・バルトーク ヴァイオリン協奏曲第2番
1953年9月12,13 フィルハーモニア管
バルトークらしさではドラティとの3種の録音の方をとるが、このフルトヴェングラー盤は旺盛な表現意欲を買いたい。
EMI 5 74799 2と旧規格のEMI CDH 76802
2はいずれもバルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとの組み合わせだが、前者は1957年の2回目のモノラル録音、後者は1947年のSP録音が収録されている。
ヴァイオリン協奏曲の音質は、どちらも良くない。(後者の無伴奏ソナタの復刻音質はさらに良くない。)
復刻が優れているのはISLAND PROS SD1201というCD-R。
それに準じるのがOTAKEN TKC-304(プレスCD)。
この2枚で聴くと、ダイナミックレンジの広い超優秀録音であることが分かる。
後者はアメリカ盤LPからの板おこしで、メニューインの音がやややにっこくきこえる。
リンク
フルトヴェングラー鑑賞記
フルトヴェングラー劇場
Wilhelm Furtwangler site by shin-p
日本フルトヴェングラー協会
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