ミルシテイン CD・DVD紹介



評価は★の数で表します。★★★★★が最高です。☆は★の半分の意味です。

(1)映像(DVD) 2007 4/28更新 (2)ライヴ録音・放送録音のCD 2007 3/4更新

(1)映像(DVD)


Nathan Milstein in Portrait 2007 4/28更新

輸入盤DVD発売中。
CHRISTOPHER NUPEN A06CND (2枚組)

評価:★★★★☆

ドキュメンタリー"Nathan Milstein Master of Invention"とクロイツェル・ソナタとシャコンヌの映像を併録。1986年収録のラストリサイタルから。カラーでEMIのDVDとは別。

以前ドキュメンタリーのみVHS・LDが出ていた。VHSの番号はTELDEC 9031-76374-3。

輸入盤のみ発売で日本語字幕はなし。ドキュメンタリーにはラスト・リサイタルの小品の映像の抜粋も挿入される。
日本語字幕付きのDVDの発売を強く希望する。


パッケージにはLPCMとあるが、実際はドルビーデジタル2ch。しかし音質は良好。

ディスク1がドキュメンタリーで、ディスク2がクロイツェル・ソナタとシャコンヌの演奏。
それぞれ、ヌーペン監督が作品をふり返る映像が収録されている。
後者のクロイツェルソナタの前にはミルシテインが会場に到着しステージに上がるまでの様子が、シャコンヌの前にはシャコンヌについてミルシテインが語る映像が収録されている。

演奏についてはラスト・リサイタルの項をご覧ください。

(付記)
わんこノートというブログでドキュメンタリーの翻訳が公開されています。「音楽」→「ミルシュタインのドキュメンタリー」というカテゴリで見ることが出来ます。


ミルシテイン ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 2007 3/27更新
ボールト指揮ロンドン・フィル
1972年2月6日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
EMI DVBW-3884569

評価:★★★★ 

輸入盤DVD。
BBC LEGENDSのCDとは別の演奏。
カップリングは同じ指揮者のヴォーン・ウィリアムズ 交響曲第8番、ヨブ。

カラー、リニアPCM、モノラル。
画質良好、音質も悪くない。
澄みきった音色で特に第2楽章の自在な演奏が印象深い。
第3楽章のテーマの弾き崩しも極めてユニークである。


クラシック・アーカイヴ ミルシテイン


1957年 エルネスト・ラッシュ(ピアノ)
モーツァルト:アダージョ。
モーツァルト:ロンド
パガニーニ:カプリース第11番
パガニーニ:カプリース第5番
ファリャ:スペイン組曲
1963年 デル・マー指揮フィルハーモニア管
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番から第1楽章
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲から第3楽章
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータから前奏曲
1968年 ジョルジュ・プルーデルマッハー(ピアノ)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」から第1楽章、第3楽章
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番からシャコンヌ
パガニーニ/ミルシテイン:パガニニアーナ
ボーナス
ミッシャ・エルマン
EMI DVA 4901179

評価:★ (1968年は★★☆)

DVD。リージョンフリー。白黒。ミルシテインの貴重な映像だが、あまり良くない。まず曲目が大曲からの抜粋など細切れで楽しめない。

1957年と1963年のものは観客のいないスタジオ収録。そのためミルシテインのノリが悪く硬い演奏になっている。パガニーニのカプリース第5番は映像を伴い十分凄いが、迫力はオルフェオやMusic & Artsのライヴに比べると大分落ちる。ただし録音は良く音色もEMIのCDと同じ感じでミルシテインのシルバートーンが聴ける。

1968年収録のものもスタジオ収録だが客席に人がいる。そのためミルシテインの調子は大分いい。クロイツェル・ソナタ第1楽章の迫力、感動的なシャコンヌ、パガニニアーナの超絶技巧、どれも素晴らしい。しかし、録音が悪くミルシテインの透明な音色が全く聞こえない。非常に残念である。

ちなみにボーナスのエルマンはクライスラーの小品を弾いている。1962年収録だが、音色にはヴァンガード録音のCDのような艶がない。


In Performance With the Chicago Symphony Orchestra

ワルター・ヘンドル指揮シカゴ響
1962年
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
1963年
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータから前奏曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ボーナス
ミルシテインとヘンドルの会話
VAI DVD4279
評価:★★★

DVD。リージョンフリー。ドルビーデジタル。白黒。
これはEMIの小品集のDVD(DVA 4901179)よりずっといい。
メンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲全曲が楽しめる。
客席に人がいないスタジオ収録なのでベストパフォーマンスではないが悪くはない。
圧縮されたドルビーデジタルだが、音質はいい。


(2)ライヴ録音・放送録音のCD

ORFEOR 713062(2枚組)。モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番K.219「トルコ風」。

カール・ベーム指揮シュターツカペレ・ドレスデン、1961年8月13日、祝祭大劇場
ORFEOR 713062(2枚組)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番だけを4種収録。他はモリーニ、グリュミオー、シュナイダーハン。

評価:★★★★☆

ミルシテインは絶好調で即興性あふれる自在な快演。
音質良好。








1956年ザルツブルク音楽祭(オルフェオ)

ヴィヴァルディ:ヴァイオリン・ソナタR31
バッハ:無伴奏パルティータ第1番
ベートーヴェン:「ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲(ピアノ伴奏)
エウゲニオ・バグノリ(ピアノ)、1956年8月6日、モーツァルテウム
Orfeo C590 021 B



ミルシテイン最高の録音の一つ。ミルシテインの美しい音色をよくとらえた音質で演奏も冴えている。
詳しくはこちらのページを参照。







ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ボールト指揮1968年
ロンドン・フィル、1968年9月29日、ロイヤルフェスティバルホール
BBC Legends BBCL4151-2

評価:★★

1970年代のドイツ・グラモフォンへの録音にはベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲がなかった。
このライヴは年代が近いため期待したがあまり良くない。
1970年代以降のライヴ録音の発掘が望まれる。

併録の小品はクラシック・アーカイヴのDVDと同一?






ラスト・リサイタル

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」
バッハ:シャコンヌ
ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ op.3/1
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番からアレグロ・アッサイ
サラサーテ:序奏とタランテラ
プロコフィエフ:年老いた祖母の話から第2番、第3番
パガニーニ:カプリース第13番
リスト:コンソレーション第3番からレント・プラシド
ジョルジュ・プルーデルマッハー(ピアノ)、1986年6月16、17日
Elatus 0927.49563

評価:★★★★

以前Teldecから出ていた(4509-95998-2)が、現在は輸入盤のElatus(ワーナー)から出ている。

80歳を超えているのに驚異的な完成度と技巧である。音色の衰えは見られる。クロイツェル・ソナタ第1楽章はもの凄い推進力で盛り上がる。シャコンヌも凄い。非常にみずみずしい演奏。


1957年ザルツブルクフェスティバル バッハ無伴奏

バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番からテンポ・ディ・ブーレ
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番から前奏曲
パガニーニ:カプリース第5番
1957年8月4日、モーツァルテウム
Orfeo C 400 951 B

評価:★☆ (パガニーニ:★★★★★)

録音が悪く音色がいまひとつ。リマスタリングをやり直して欲しい。

しかし、アンコールのパガニーニ:カプリース第5番がもの凄いスピードの超名演。


・Concert Performances & Broadcasts, 1942-1069

CD1
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
1969年6月7日アルビン指揮ストラスブール放送響
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲
1956年9月14日クレツキ指揮ケルン・ギュルツェニッヒ管
CD2
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
1950年10月12日モントゥー指揮コンセルトヘボウ管
ゴルトマルク:ヴァイオリン協奏曲第1番
1942年11月1日ワルター指揮ニューヨーク・フィル
CD3
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番
196?年シューリヒト指揮スイス・イタリア放送管
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
1960年10月19日アンセルメ指揮スイス・ロマンド管
パガニーニ:カプリース11番、13番、第5番
録音日不明ドイツ放送局
CD4
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
1959年6月24日マゼール指揮ORTF
(バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番
1935年12月SP復刻
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番からアダージョ
1936年2月SP復刻)
Music & Arts CD-972
評価:プロコフィエフ★★★★★ ブルッフ★★★★☆ その他★★★★

いずれもミルシテインの音色を伝えていないが、ライヴということで白熱した演奏になっている。現在は入手困難なCDかもしれないが中古屋で見つけたら是非買っておきたい。

1969年のモーツァルトとブルッフは録音年がドイツ・グラモフォンの一連の録音に近く、芸風も似ている。以前よりもテンポが遅くなりロマンティックになっている。特にブルッフが名演。この時期の商業録音がないだけに貴重。

プロコフィエフは同曲のベストの一つ。ゴルシュマンとのスタジオ録音の旧盤の冷美も捨てがたいがこのライヴの方をより好む。

ブラームスはTahraと同一の演奏だがTahraの方が音がいい。その他も充実した演奏でスタジオ録音を凌駕している。スタジオ録音のないパガニーニも凄い。
ライナーノートも充実している。ヘンリー・ロスの"Violin Virtuosos"のミルシテインの章がまるまま転載されている。ヘンリー・ロスはヴァイオリニストでありながらレコードを聴きこんでいてミルシテインの録音について具体的に触れている。テクニックについての考察も深い。



Nathan Milstein Collection Vol.1 1933-1944 Broadcasts
リムスキー・コルサコフ:熊ん蜂は飛ぶ
マスネ:タイスの瞑想曲
1944年5月 V-disc No.251
ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラ
1944年8月15日
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン・ソナタRV31
1943年頃
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
1944年12月31日ロジンスキー指揮ニューヨーク・フィル
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番
1943年11月2日パヴロフスキー(ピアノ)
パガニーニ:カプリース第5番、第17番
1933年9月28日
シューマン:夕べの歌
1944年5月 V-disc No.251
DOREMI DHR-7706
評価:★★★

古い録音にしては音質はいい方。ブラームスは唯一の録音。
ハイフェッツの演奏を「弾きすぎ」(巧すぎて)と評した人がいるが、いい意味でそれに近いものがある。

1957年バルサムとのリサイタル

モーツァルト:アダージョK.261
モーツァルト:ロンドK.373
バッハ:シャコンヌ
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」
パガニーニ:カプリース第11番、第5番
ストラヴィンスキー:ロシアの歌
リース:常動曲
パラディス:シシリアーヌ
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番からフィナーレ
1957年10月11日アルトゥール・バルサム(ピアノ)
Aura 121-2
評価:★★★☆

以前はErmitageから出ていた(ERM 107)。
音質良し。このページで挙げたライヴの中では最も気品を感じさせる。


The Art of Nathan Milstein
CD1
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番
1961年9月24日ドラティ指揮ORTF
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
1963年9月23日
CD2
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
1959年10月5日オーマンディ指揮モントルーのコンセルトヘボウ
ラロ:スペイン交響曲
1955年7月クリュイタンス指揮ORTF
Music & Arts CD-1168
評価:★★☆

音質はラロが一番まし。演奏はブラームスがいい。


The 1953 Library of Congress Recital
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番
1953年3月13日アメリカ国会図書館 アルトゥール・バルサム(ピアノ)
BRIDGE 9066
評価:★★☆
音が割れ気味だが艶はある。颯爽とした演奏。ブラームスはホロヴィッツとの共演よりいい。








サバタとのブラームス
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
1950年3月16日サバタ指揮ニューヨーク・フィル
TAHRA TAH449
評価:★★☆
音はやや透明感に欠けるがまずまず綺麗。










モントゥー&ニューヨーク・フィルとのブラームス
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
?年モントゥー指揮ニューヨーク・フィル
(ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
カミラ・ウィックス、ワルター指揮ニューヨーク・フィル)
One-Eleven EPR-50400
評価:★★

Tahraのモントゥー指揮コンセルトヘボウ管とは別の演奏。録音年月日は不明。








The 1946 Library of Congress Recital
ヴィターリ:シャコンヌ
バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番
ミルシテイン:パガニニアーナ
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
ショパン:ノクターン
ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラ
1946年10月7日アメリカ国会図書館 ジョゼフ・ブラット(ピアノ)
BRIDGE 9064
評価:★★★

ハイフェッツ張りに技巧が冴えまくっている。音質は聴きやすいが透明感がない。
高速のバッハ、技巧的小品が凄い。ピアノ伴奏のメンデルスゾーンは求心力がある。

・モントゥー指揮コンセルトヘボウ管とのブラームス
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
1950年10月12日モントゥー指揮コンセルトヘボウ管
TAHRA TAH 2.175-6
評価:★★★

現在は入手困難かもしれない。Music & Arts CD-972と同じ演奏だがTAHRAの方が音質がいい。ライヴにしてはミルシテインの音色をよくとらえている。


・ミトロプーロスとのゴルトマルク
ゴルトマルク:ヴァイオリン協奏曲第1番
1957年2月3日ミトロプーロス指揮ニューヨーク・フィル
DISCANTUS 189.620-2
評価:★

音質劣悪。


・セルとのラロ
ラロ:スペイン交響曲
1968年1月4日セル指揮クリーヴランド管
VIRTUOSO 93020
評価:★★★

3枚組のCD。音質良好。


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