映像で見るメニューイン


・Yehudi Menuhin - The Swiss Years NEW!

DVD MESCH UGGE
2枚組
PAL方式なので、普通のDVDプレーヤーでは見られない。PCか対応プレーヤーでのみ視聴可。
ドキュメンタリー+ボーナスDVD
英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語
字幕は無し

本編はメニューインとスイスに焦点を当てたドキュメンタリー。
終盤、1996年ザーネンでのクレーメル とのバッハ:ドッペルコンチェルトの演奏風景が少し入るが、メニューインがヴァイオリンを弾いた最後の公のコンサートと思われる。

ボーナスDVDには1946年のチェリビダッケ指揮ベルリン・フィルとのリハーサルが13分以上入っていて、ブラームス:ヴァイオリン協奏曲第2楽章がほぼ全て収録されている。
メニューインの演奏も素晴らしいし、若き日のチェリビダッケの颯爽とした指揮姿もたっぷり見ることが出来る。

イギリスのMDTなどで注文可。








・コンサートマジック

DVD EUROARTS 2054158
ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調Op.12-1 -第1楽章/ J.S.バッハ: 無伴奏パルティータ 第3番ホ長調BWV1006 -プレリュード / マタイ受難曲 BWV.244-神よ、あわれみたまえ / ヴィエニャフスキ: スケルツォ・タランテッラ Op.16 / パガニーニ: 無窮動 / カプリース第24番 / シューベルト: アヴェ・マリア / ロカテルリ: ヴァイオリンの技法 Op.3-第23番 カプリッチョ

アドルフ・バラー(p) / ハリウッド交響楽団 / アンタル・ドラティ指揮。1947年収録。
ボーナス映像「コンサート・マジック」の裏話。1997年収録。メニューインとハンフリー・バートンの対話。他に音声特典としてノヴァチェクの無窮動を収録。

 日本では1951年に「巨星メニューヒン」というタイトルで劇場公開された。これを見て評論家の野村光一氏は「彼が弓を大きく使い、悠々迫らざる態度で古典曲を熱演している時は、まるで野球選手がホームランをかつとばす時のように爽快味を痛感させる。(中略)あんな迫力のある端的な演奏は今の世の如何なるヴァイオリニストも成し得ぬところであろう。あれはベーブ・ルースのホームランに匹敵する」と書いている。(『芸術新潮』1951年10月号「メニューヒンのテクニック」)

 実際DVDを見たら野村氏の言葉も納得の凄まじさである。

 戦後メニューインは衰えてしまったという評価があるが、これを見たら1947年の段階では完璧な技巧を誇っていたことが分かる。むしろ1930年代半ばよりも緻密で安定しているくらいである。

 演奏は戦前の天真爛漫な愉悦感はなくなり、速いテンポで即物的になっている。ポルタメントの使い方も変化している。

 ベートーヴェンのソナタはもの凄い推進力で若々しい生命力に溢れている。それ以外の技巧曲は超絶技巧が痛快である。そして最後のシューベルトのアヴェ・マリアはたっぷり歌われて感動的な演奏になっている。

 とにかくメニューインファンに限らずヴァイオリンに興味のある方におすすめのDVDである。画質・音質も当時のものとしては優れている。

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