2007年1月

第2704号 2007年1月1日号


10年先見据え未来戦略 新春座談会

 昨年の成果踏え飛躍 目白庭園で新年語る


 足立 皆さん、あけましておめでとうございます。今日は豊島区の誇る素晴らしい日本庭園「目白庭園」で新春座談会をはじめさせていただきます。まず昨年を振り返って。

 高野 財政が厳しく、なかなか先の見通しができないなかですが、昨年まいた種が着実に芽生えてきて、これから街が大きく変わっていく要素が備わってきた年じゃなかったかと思いますね。

 足立 雑司ヶ谷小跡地や東池四丁目再開発、自習小跡地など着実にすすんでますね。

 高野 東池4の再開発は10年ぐらいかかりましたね。本当に長い間、組合員の皆様のご苦労は大変なものだったと思いますが、それがまさに今年完成します。池袋に限らず駒込、目白など活気ある街を作ろうという活気が出てきましたね。

 足立 議会のほうはどうですか。

 里中 作年は分かりやすい議会、開かれた議会のためリアルタイムでのとしまテレビでの放映のため各会派と細部を詰めているところです。現在は本会議の模様を録画で放映していただいてますが、それが第一歩なのかなと。これから生放送できるようにしっかりとやっていきたい。また政務調査費の公明性をより高めるということで、条例改正をして、18年度分から領収書の公開にむけて検討会を重ねてまいり、一定の方向が出て、10月には手引きもでき、公明性に向けたて努力は続けているところです。

 足立 本会議だけでなく各委員会の放映ができるようになるとより開かれた議会になるんでは。

 渡邊 そのとおりですね。いまインターネットとおしてなどいろんな形のものが出てきてますが、としまテレビで委員会放映できるのが望ましい。

 足立 環境大臣から総理大臣補佐官になられた小池代議士の作年は。

 小池 国政ということで言うならば小泉政権から安倍政権に、世代も代わりました。改革のほうは続行していきますが自民党が変わった。わたしも3年間の環境大臣から立場がらっと変わって文字とおり官邸に入って、国家安全保障担当の補佐官というまったく新しい立場に就きました。やりがいあります。国家の安全保障というとなによりも北朝鮮の核実験、それからエネルギーの問題、最近は各国との交渉もより多様化してしているなかで、国としての総合的な戦略作り、その仕組みどうしたらいいのか、いまは青図書き。今年2月にはこの仕組みができるように。

 足立 地元豊島にとっても誇り、頑張って下さい。

 小池 国家の安全があって、そして地域の安全がある。また地域の安全が国家の安全につながるという両面があると思いますので、ひとつひとつ地域の安全を考えていくことが国家の安全につながると思います。

 足立 商工会議所として昨年はどうでしたか。

 渡邊 景気の拡大ということを政府が進めているが、中小企業にはなかなか日があたらない。いかに中小企業に金融が円滑にするために支部ではマルケイ融資をすすめて、すこしでも倒産とかを防ぐための努力を続けています。次に長年の夢であります東西デッキ。東商の街づくりNPOが中心となってこれからもすすめていこうと思ってます。また観光協会と協力して豊島区の観光マップの作成も行ってます。それが来訪者増につながり街の活性化につながるだろうと。また頑張っている女性経営者の方々を応援する意味もこめて、昨年集まっていただいて懇話会を立ち上げました。今後とも区商連、町会連合と一緒になって地域活性化のために力を尽くしていきます。

 足立 中村会長、町会はどうですか。

 中村 我々は安全安心、犯罪のない街づくりに頑張ってきました。区内13万8千9百余世帯のうち53%・7万3千6百世帯の方々に各町会費をいただいております。皆さんの意見を聞いて、安全安心の街づくりを一層進めていきます。これからも行政と一体となってやっていくためにも、協定を結ぼうという話も出ています。町会はボランティアのデパートみたいなもので、各方面から期待されている。この期待に応えるためにも、各町会長を中心にして活動しやすいようにしていかないといけない。また昨年は区議会議員の削減を陳情、議員の皆様に協力していただいて2名減となりました。

 足立 商店街についてですが、商店街は活性化、活性化といっても難しい。各商店街がいろんなイベントやってますが、やる気のあるところとそうでないところと差が大きくなってきているところに悩んでいます。商工会議所と一緒になっていろんなイベントに取り組んでいますが、これからもよりピーアールに力を入れるとともに、街の声を取り入れて開催していきたい。また商店街だけでなく各個店ごとのピーアールにも注目して賑わいを作り出していきたい。また昨年は初の試みとしてJRはじめ各駅と協力して全区的なイベントを実施、商店街を散歩して賞品があたるというので好評でした。区外から人を呼ぶという画期的なイベント。商店街のおかみさんが集うレディースパー的で抽選会を行いましたが、これも盛会でした。今年も盛大に開催したいですね。今後とも行政、東商、町会の一層のお力添えをお願いしたい。また商店街は環境問題にも力を入れていますから小池議員のお知恵も大いにお借りしたい。昨年、豊島区は、いじめ自殺予告事件にゆれましたが。

 高野 ふってわいたような出来事でしたが、教育委員会だけではなくて区全体で防止に取り組みました。あらためて生きるということ、このようなことの起きない教育について考えさせられました。

 足立 我々のころは、それでも生きてきましたが、質が違うでしょうか。

 小池 遊びが変わりましたね。原っぱで友達と、というのがなくなった。場所もなくなったし。

 里中 今回のことについては、区長はじめ教育委員会が全体で取り組んで結果としていい形になったと思いますよ。今回の取り組みをとおしてさらにいい教育になっていくと思いますよ。本当によくやったといいたい。

 足立 確かに対応が早かったですね。

 高野 やはり地域の力。地域と行政が一体で取り組めたことが大きかった。

 中村 教育長さんのおかげで、地域と教育委員会が身近になっていましたので、今回は各町会長中心に地域の育成委員会、子ども会の人たちが自主的に学校の見回りに動いたんですよ。学校が身近になっている、いいことですね。

 渡邊 教育長さん、校長先生、やる気でやってますね。あちこちで教育委員会が批判されてますが豊島はそういうことないですね。

 中村 高野区長が実施委員長の社会を明るくする運動でも小・中学生の命ということを取り上げている。作文コンクールも行って命の大切さを訴えています。

 小池 学校の科目にはありませんので、家庭での教育が大事ですね。学校は未履修問題などありますように、親御さんも効率よく点数を取れるように教えてくれることを望んでいる方も多いと聞いております。難しいですね。家庭、学校、地域が一緒になって取り組んでいかないと。

 足立 30、40代の親御さんに生きる基礎のところをしっかりしてもらわないと。昨年は区議会議員定数の削減が決まりまして、次から2名減の定数36になりましたが。

 里中 町会連合会の陳情を受けて、議員提案で2名減、定数36名が賛成多数で可決されました。議員の数が少なくなるとそれだけ区民んお声が議会に届きにくくなるとかいろいろな意見がありました。しかし議員自らということもあり、議員提案というかたちで削減したものです。

ようやく明るい展望 ブランド作りで賑わい創出

 足立 新年は財政にもめどがたち、豊島区にも明るい展望が出てきてるようですが。区長どうですか。行財政推進プランの名称を変更して「未来戦略推進プラン」とした決意などをお聞かせください。

 高野 いままでは行財政改革推進本部というような名称でありましたけれど、これからは未来に期待の持てるようにと、未来戦略会議というような名称をつけさせてもらって積極的に光の見えるような施策をすすめていきます。そんななかで昨年豊島区の人口が4千人増えた。これは40年ぶりのこと。住みつづけたい街、住みたい町になっているんではないかと、明るい展望とみています。もちろん行政の基本は福祉でありますけど、それに加えて文化と健康、都市再生と環境、4つの行政戦略で豊島区の将来展望をしっかり見極めていきたい。10年後はどういう豊島区になるのか、まさに未来戦略会議で具体的に大議論をしていただきたい。今まで積み上げてきた文化政策でもってこの豊島区を変えていこうと。文化というのは人を元気にして、その元気な人が街を作っていく。そんななかで今年東池4丁目再開発のなかで文化交流センターと新中央図書館がいよいよオープンするわけで、大きく池袋を中心としながら発展していくんではないかと思っているところです。文化と品格を誇れる価値ある街を、10年後目指して着々とすすむ、スタートの年であるという思いです。

 渡邊 都市再生には以前から取り組んできましたが、ここにきて明るさが見えてきてようやく実現できるような態勢になりましたよね。区長の強い決意には大いに期待しています。都市再生の場合には一番の問題は特区ですね。土地再生緊急整備地域の申請。我々の関心は区庁舎移転、跡地の問題です。これには是非やっていただきたい。跡地再生は大きなインパクトになる。もうひとつ池袋西口・北口の開発問題。昨年来地権者等の意見では区が動いてくれれば、というような声がありました。力強い話を聞けばさらにすすむのでは。

 高野 たしかに新庁舎は都市再生の大きなインパクトになる。ただ庁舎を新しくするというんじゃなくて、全体のなかでどういう広がりになるのか。とくに今ある庁舎は一等地にありますから、単なる庁舎だけではもったいない。資産活用を含めて検討をしていきます。

 中村 新庁舎は早く進めるべきという意見です。町会としてはリサイクル、清掃事業に関心があります。長い歴史のあった清掃協力会が3月をもって解散、違った形で清掃事業に関わっていくことに。家庭ゴミの有料化については区民の理解を十分に得たうえで考えていただきたい。町会、自治会も文化です。区長もご理解を。

 足立 マンション住民の加入や隣人との付き合いなど、地域環境が大きく変わってきましたが、町会の抱えている問題はどんなものですか。

 中村 たしかに個人商店は減っていくし、地域コミュニケーションがとりにくくなってますね。マンションの加入は以前よりすすんでますが。

 足立 町会も、商店街ももっと行政が関わっていただかないともたない。商工としまというんだから力入れていただかないと。今のままじゃ、町会長も、商店会長もなりてがいなくなる。行政のサポートが必要だ。
 次に環境問題。エネルギーから景観、治安と多岐にわたりますが、前環境大臣のお考えを。

 小池 国、地方議員問わず環境問題では世界中に視察に行っている。わたしは豊島区の新庁舎は環境に配慮した最新技術を駆使した素晴らしいものがいいと思う。それこそ世界中から視察団が繰るぐらいのもの。ただしちょっとお高いかもしれない。ところがそうやって豊島の価値をあげる、ブランドイメージをあげる、結果として環境にいい建物を建てると、ランニングコストが安く収まるので、長期に考えると安いということもあるわけです。早々立替もあるわけではないので、環境世界一庁舎を持つことで観光客を呼び込むような大きな考え方で取り組んでいただきたい。

 里中 昨年韓国の東大門区の一戸が視察に見えたんですが、目的は豊島の清掃工場。韓国の方から見れば非常に先進的な工場らしくそれを是非見たいと。2回も来たんですよ。

 高野 そのとき言われたんですが、豊島区ってどうしてこんなにきれいなんですかって。いやぁ誇れるんだなと思いましたね。びっくりしました。

 小池 みじかにこんなところがあるんだって教えてくれるのは外国の人ですね。世界の中でどうなんだという発想も必要ですね。

 渡邊 世界的に注目を集めているアニメとマンガでのにぎわいの創出を考えています。作品を集めるためにトキワ荘出身の漫画家と接触を図っているところで、感触はいい。世界中から見に来るようなものになったらすごい。立教大学の大橋総長も興味をもって学生にアイデアを考えさせているようで、このあいだいっしょにやろうという気運になったところ。商店街活性化、地域活性化に結びつくもの。

 高野 池袋モンパルナス、回遊美術館が大成功しましたね。もちろん今年もやりますが、そういうもので街づくりを。アニメとマンガの街づくり、大きな魅力ですね。

 足立 豊島区にあるいろいろな財産あります。大いにピーアールして賑わいに結びつけていくべきですね。

 小池 戦略を決めるにはまず己を知る。豊島にある、これまで気づいていなかったものを全部出してみればいい。素晴らしいものいっぱいあると思いますよ。区民の皆さんと一緒になってやったらいい。

 足立 こういう話し合いはいいですね。新しい時代が来そうで。

 里中 今年は4月に区議選。区議会をひっぱてこられた7人ぐらいが勇退、責任の重さを感ずるとともに新しい方も増えてくるでしょうから、大変な選挙になると思う。時代の変わり目。

 中村 小池先生ほどのブランドは豊島にない。私はそう思うな。クラシックバレーの夕べなどもっともっといろんなイベントに出てきてほしい。

 足立 補佐官ということで国のためにやっていただくことは、豊島区のためでもある。その辺理解してやらないと。

 高野 今年も最大限光ってもらわないと。

 足立 なんだかんだ言っても健康が大事。食から体操そういったものを総合的にやりたいと区長が言っていますから。

 高野 先ほど言ったように人口も増えて、住みやすい街から住みたい街に、そのためには健康ですね。区民がいかに病気にならないように、それに取り組んでいかなければならない。区民にわかるような健康センターのようなものを作って、なんかあったらすぐそこで、アドバイスを受けて、病気にならないようにどうしていくか教えてくれるところ。

 足立 病気にならなければ薬もいらないし、お金もかからない。それが一番大事なこと。元気で長生きするには食に感謝し、どんなものでも食べること。食は大切ですよ。今年も皆さんに元気で頑張っていただくようお願いして座談会を終わります。


»» BACK

«« Go to TOP


〒170-0013 豊島区東池袋1-21-11 オークビル 5F
Copyright© 豊島新聞社 2003-2008
トップページ バックナンバー 豊島区の選挙 紙面で見る
区民の歴史
リンク集 豊島新聞について

豊島新聞綱領

本社事務所
〒170-0013
豊島区東池袋
1-21-11
オークビル5F

豊島新聞は
毎週水曜日
発行です

民の情報紙

株式会社
豊島新聞社

豊島新聞
TEL
3971-0423
FAX
3986-4244
情報・投稿
購読申込み
購読料
3ヶ月2,700円