2008年3月

第2760号 2008年3月19日号


「隠れ借金」3年で返済へ
 高野区政の財政健全化 土地開発公社の125億円


 特別の財源対策を講ずることなく3年連続で豊島区予算を作り上げてきた高野区政だが、財政健全化への取り組みがより鮮明になった。高野区長が11日の区議会予算特別委員会で、土地開発公社の負債、いわゆる「隠れ借金」125億円を22年度までの3年間で全額返済する、と過去の不健全な財政運営によって生じた負の遺産の解消に積極的に取り組む強い決意を表した。

 「これまでに、この借金に約40億円の利息を払ってきた。今の計画通り平成33年までの13年間(年に元金9億円と利息)で返済していくとしても利息だけで約23億円の利息を払うことになる。いまこそ将来の区民サービスのためにも早期に返済する決断をすべきときだと判断した。厳しいが、区民サービスには絶対に影響を与えるようなことはしないで返済を行っていく」と高野区長。

 土地開発公社は自治体の100%出資で金融機関から資金を借りて公用地を取得、本来は自治体が事業開始時に買い取り、その代金で講社が借金を返済するというもので、豊島区もこの仕組みを使って、高野区政まえの昭和62年から平成10年までに公園、福祉住宅、特養ホーム(目白庭園、池袋の森、菊香る園…)などかなりの数の土地を取得、平成11年に高野区政になって、本格的に財政健全化へ取り組む中で、その実態が明らかにされた。平成10年当時の累積負債総額は178億円だった。

 加藤前区長時の平成7年に150億円となり、このときに元金払いを停止して先送りにしたものの、その額はその後も増えている。高野区長に代わってからは、額は増えないものの、すでに豊島区は未曾有の財政危機で予算も組めるかどうかの状態でとても返済にまではまわらず、先送りの延長や借り替えなどでやりくり。先送りから10年たった17年度から10億円ずつ返済を始めている。総務省は、このような地方自治体が財政状況の悪化などを理由に代金を支払わないまま、土地開発公社の取得した土地を利用していることに「不適切な財政運営だ」と指摘している。

 「私が区長になった11年度はこの公社の借金を含め区の負債は872億円。とてもまともに予算を組めるような状況ではありませんでした。いろいろご意見もありましたが、区有地売却や給与カットなどあらゆることを手立てでここまできたわけです。これまでの努力で見通しのたったいまこそと判断しました」と高野区長。

 20年度からの具体的な取り組みは、各年度における歳入の状況や事業の執行状況などの財政運営を慎重に見極めながら、財政調整基金などの基金を活用することも含めて、財政対策を講じ、最終の補正予算で償還額を計上するとしている。

 来年度予算に計上されている負債償還額は特別区債を返済する公債費68億円、それと土地公社への返済額12億円の合計80億円となっているが、今回の3年で125億円返済計画を入れ込むと、年100億円を超える返済額となる。


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