2008年4月

第2762号 2008年4月2日号

「理解と協力に深い感謝」
  高野区長、新年度を語る

 ■「隠れ借金」ゼロへ
 ■「環境元年」の狙いは
 ■「池袋再開発」

 4月1日に区長は例年区職員に向けて、新年度の抱負を語った。この職員向けの抱負を、区民にわかりやすい形で語ってもらった。区長は、財政再建のあとをたどって、区民・区職員の理解と協力に深い感謝を述べ、安心・安全の街づくりとして環境意識を訴え、そして池袋を中心とした都市再生を強調した。

「隠れ借金」、125億円を3年で返済するというが?

 「土地開発公社の負債」が125億円あります。これを3年間で完済しようという計画です。これは、土地開発公社が区に代って公用地を取得したその代金を支払えなくて、利息を払って返済を先のばししていたものです。
 区長に就任して、区の財政難を初めて知って驚きました。区民1人あたり33万6000円もあったのです。しかもその額がふえていく。予算も組めないといった未曽有の危機もあって、この借金の返済まで手が廻らなかった。区有地の売却や給与カットなど、あらゆる手立てでここまで来ることができました」

「ここまできた」ということで、その過程を通じて区民に、今、言いたいことは?

 「3年で返却するには毎年42億円ほど返していくことになります。財政調整基金なども活用していく目途も立つようになったのは、最悪のときから見るととても考えられないことでした。でも、ここまで来られた。それは区有財産の土地の売却一つとっても、区民みなさんの理解と協力とがあったからであり、また、区職員の3パーセントの給与カットというような非常手段が取れたのも、職員のみなさんのご協力と支援があったからで、深く感謝申し上げたい、ということです」

隠れ借金が完済できると?

 「借金の利息だけでも毎年3億円支払っています。これだけでも大きい。19年度からやっと黒字化したのですが、17・18年度と新規採用ゼロというような内部努力を重ねているわけで、この努力を無駄にできません。区有財産である土地は、区民共有の財産で、この活用もはかっていきます。当面旧中央図書館跡地の売却ということです」

20年度を「環境元年」と位置づけているが?

 「豊島区は、中野区についで人口密度が高い。ということは、二酸化炭素の排出量も大きい、ということです。環境対策はもう待ったなしのところに来ているのです」

具体的には?

 「可能な方法は、全てやっていくということです。ソーラーの利用、屋上庭園、家屋の断熱・断冷化構造をすすめる、自転車の利用……といったさまざまの手段を活かして」

困難はどこに?

 「都会としての環境、これを考えないといけない。経済活動と環境重視というのが相反するようになってはいけない。ここが大きな問題です。しかし車を減らす、と口で言ってもすぐ出来るわけではありません。代替の手段を考えなくては。区のLRT(低床式電車)の導入というのも、二酸化炭素対策の一つでもあるのです。区内に住むすべての人々、区内にやってくるすべての人々に、〝安心・安全〟の街であること、それは環境に配慮した地域であるということです。そのためには思い切った方法が必要でしょう」

新しく地下鉄が出来、東上線志木から、新宿・渋谷、さらに東横線で横浜につながるようになるが?

 「池袋が通過点になるのではないかという危機感が高まっている。そうなって、地盤沈下をおこしてはならない。そのためには、池袋の魅力を高めていかなくてはならない。住民と共に知恵を出し、汗をかいていかなければ」

どんな方策を?

 「〝融合〟ということが必要です。一つずつの力を融合することで力を生み出していく。例えば、区としても行政のあり方にこれを取り入れます。一つ一つ、課が独立しているのでなく、グループ制で知恵を共有し、新しい発見を生み出す。これは課から、部へ、大きな広がりにしていきます」

具体的な〝融合〟の形は?

 「池袋の個性化ということです。それは、環境、文化、都市再生といった方向からのものです。地域の特質、歴史、文化資産を活かすということです。池袋を〝劇場都市〟という形に育てる。東京芸術劇場もリニューアルする。こうした時期、勢いを〝融合〟していって力をはみ出していく。これが、池袋再開発のキーとなるでしょう」

区民に夢を。

 「池袋駅の上に東西デッキをかける、という夢があります。東西をつなぐ交通手段も考えられる。地域の特性を活かすことも大事で、例えば目白駅前のNTTによるコマースの土地の再開発。28階のものを建てるというが〝目白〟の意義を後世に残すもの、いわば、目白を象徴するランドタワーを、という要望を伝えてあります。品格のある建物ができれば、大いに目白を発信していけるはずです」


»» BACK

«« Go to TOP


〒170-0013 豊島区東池袋1-21-11 オークビル 5F
Copyright© 豊島新聞社 2003-2008
トップページ バックナンバー 豊島区の選挙 紙面で見る
区民の歴史
リンク集 豊島新聞について

豊島新聞綱領

本社事務所
〒170-0013
豊島区東池袋
1-21-11
オークビル5F

豊島新聞は
毎週水曜日
発行です

民の情報紙

株式会社
豊島新聞社

豊島新聞
TEL
3971-0423
FAX
3986-4244
情報・投稿
購読申込み
購読料
3ヶ月2,700円