11日、長崎獅子舞 勇壮な舞と地元の演芸 長崎神社
豊島区の無形民俗文化財に指定されている江戸時代から続く民俗芸能「長崎獅子舞」が11日、西武池袋線・椎名町駅前の長崎神社(長崎1-9)で奉納される。年一回、5月第2日曜日に行われる恒例行事。
当日は午前中から夕方まで、地元の人たちによって五若会の子供たちのお囃子や民踊・民謡が披露され、午後2時ごろから腰の下まで垂れた長い地鶏の羽が編みこまれた獅子頭を振り乱して勇壮で迫力に満ちた舞いが奉納される。例年たくさんの地元の人たちとファンが詰めかける。
長崎獅子舞は元禄の頃(1688~1708年)、長崎村の村民が当時の十羅刹女社(現・長崎神社)に病気平癒を祈願したところ、見事に病気が治ったのに感謝して、獅子頭を奉納したことが起源であるとされ、長崎村一帯の村民の無病息災と五穀豊穣を祈る祭りとして、かつては氏子地域に点在する5つの神社を巡りまわって行われた。獅子連も12の字(あざ)ごとに組織されて、獅子宿も年ごとに輪番制であったといわれる。
村をあげての獅子舞祭りも、戦後は地域構造の変化とともに衰退の一途をたどり、昭和39年を最後に途絶えてしまったが、民俗芸能の伝統を守る地元の熱意が実って、昭和46年に復活した。
龍の顔形に漆黒の鶏の羽根を垂らした獅子頭をかぶり、腹に太鼓をつけた3匹の獅子が、ササラをもつ4人の花笠と共に舞う形は、「一人立ち三頭獅子舞」と呼ばれる様式で、かつては関東地方一円で広く見られた。獅子舞の始めは、「ふんごみ」と呼ばれる清めの舞のあと、町内を練り歩く「みちゆき」。長崎神社に戻って、境内にしつらえられた約5メートル四方の「もがり」と呼ばれる聖域で舞が奉納される。
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