2008年6月

第2769号 2008年6月4日号


地域・おもしろマーケティング大賞
 平林豆腐店 西池袋


 「地域・おもしろマーケティング大賞」における「地域特別賞」は既に紹介したが、今回は「地域優秀賞」を受賞された「平林豆腐店」(西池袋2-9-5)を訪ねてみた。

 「平林豆腐店」がある池三商店街は、池袋駅、椎名町駅、目白駅、要町駅からほぼ中間の位置にあり、すぐ近くには池袋の高層ビルが林立している。周囲を四つの商圏に囲まれ、その狭間にある印象だ。

 店はこじんまりした構えだが掃除が隅々まで行き届いていて、清潔感が漂う。品揃えは豆腐、あぶらあげ、おから、おぼろ、豆乳などだが、中でも生産数量が限定されている「豆乳プリン」(130円)に人気がある。店内でも食べられるよう二人掛けの小さなベンチが置いている。「ひとつ食べてみますか?」と気さくな御主人が勧めてくれた。スプーンひとサジを口に入れると、プリン特有の甘さと豆腐の香りが舌に広がる。何とも言えない香ばしい味だ。この「豆腐プリン」をはじめ「きぬめ豆腐」、「胡麻おぼろ」などは御主人のオリジナルで近所の評判も上々という。当店は、池袋保健所が主催している「あなたの街の健康づくり協力店」であり、店内には「栄養情報提供の店」という看板が掲げられている。まさに地域に根ざしたお店という感じがする。

 「平林豆腐店」は昭和二十五年、戦後間もなく当地で開業し、現在は二代目の平林幸隆さん(六十八歳・写真)が継いでいる。

 二代目、幸隆さんにお話を伺ってみた。
 「ここは買い物に便利な池袋がすぐ近くだから、近所の人はみんなそっちに行っちゃうんですよ。だから、お客を引き留めるには良い原料を使って、味で差別化して競争するしかないんです」。

 豆腐の味は何と言っても大豆が勝負だということで、品質が優れている岩手の「スズカリ」、新潟の「エンレイ」を農家から直接仕入れているそうだ。近年、安い中国産や遺伝子組み換え品が横行している中で、当店は信用のおける国内産にこだわっている。そのお陰もあってか、昔からのお得意さんは今も変わらず来てくれるという。

 取材の最後に受賞の感想を聞いてみた。
「地域に密着した店になるよう努力してきたが、それが評価されて嬉しいですよ。これからも自信を持って商売ができます」と、笑みを浮かべる幸隆さん。周囲の商圏へ吸い込まれて行きそうな顧客を、何とか引き止めようと頑張っている「平林豆腐店」である。


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