2010年1月

第2838号 2010年1月1日号


足立勲氏

渡辺輝氏

高野之夫氏

本橋弘隆氏

中村丈一氏

新春座談会
 文化都市にふさわしい都市開発推進
 地域ブランドも花開くとき


まずは池袋の魅力アップ
セーフコミュニティを作りあげる

足立 明けましておめでとうございます。豊島区の各界を代表する皆さまの新年への心構えや夢をお聞かせいただきたい。まずは区政の立場から高野区長。

高野 昨年は大変厳しい年でありましたが、豊島区にとっては飛躍の年ではなかったかと思います。文化を中心とした街づくりを積極的に進めていこうということで、文化の風薫る街・豊島、文化芸術創造都市として文化庁長官表彰をうけ、それが大きなメッセージとして内外に広がりました。区民の皆さまが地域に文化活動を取り入れて街おこし、街づくりに積極的に取り組んだ年でもありました。

 加えて日本一の高密度都市になりました。それだけに環境問題には正面から取り組み、小中学校の子どもたちによる一万本植樹などさまざまな展開がありました。区民の意識が盛り上がり、環境都市として、文化都市として、大きく花開いた印象に残る年でもありました。今年はさらにそれを発展させてゆきます。

本橋 高野区政は文化を最大の基軸として行政を展開していく。そんな姿勢を議会からしっかりと見させていただきました。とくに議長に就任してからは文化活動拠点の現場を見させていただきました。地域区民ひろばや地域文化創造館では地域のかたがたが自主的に活動を展開しています。

 また学校教育では23区の中でもこの豊島区は先駆的に学校参観週間を行っています。三田教育長を中心に、それぞれの学校が自分たちの学校はこういった特色があるなど、区民の皆さんに、特に親御さんに伝えているということに好感が持てました。

 また学校でPTAの方が家庭講座という形で子どもたちの食育をテーマにしたり、高南小のジュニアバンドのように演奏会を主催したりとさまざまな文化活動を見させていただきました。文化を基軸とした高野区政は議会の側から見ても区民にとって心温まるものとなっているようです。今年はさらに多くの人が参加し、広がるように見つめていきたい。そのなかでここはいい、ここはだめと発言していきます。

中村 私どもは129町会ありますが、昨年は我われの本来の目的である安全安心の街づくりのためにさまざまな活動を展開してきました。行政の厚いお支えもいただき、ありがとうございました。今年も皆さまとともに安全安心の街づくりに全力で取り組んでまいります。

足立 町会は豊島区の安全安心を支える重要な組織。東商は商工豊島の経済的発展リードする総合経済団体ですね。

渡辺 区長から文化、環境についてのお話がありましたけれども、我われもこれからの街づくりは、これに沿った考えでやっていかなければならない。昨年は百年に一度の大不況で、中小企業は大きな痛手をこうむった。今年はこれを乗り越える年であってほしいと思うが、そのためにもいかにして文化を大事にして発展していくか、つくづく考えさせられます。

 区のグランドビジョンもいよいよ実施されてくるところでもあり、もろ手を挙げて賛成、協力していきます。

足立 私ども商店街は想像以上に厳しい。以前から課題山積でしたが、今まではまだ他力本願的なところもありました。自助努力型で頑張るしかありません。区商連では、東商さんと一緒に地方の友好都市の協力も得て商人まつりを実施いていますが、これをさらに発展させて開催してゆきます。

 新しい商店街をどの様に作っていくか、地域のために我われ商店街が何が出来るのか、区民、各界の皆さまのご意見を十分にお聞きしたいと思っています。

 高野区政の文化政策についてもう少し、高野区長から。

高野 賑わいを作る元気な心には必ず文化がある。文化のないところには賑わいは絶対ありえない。地域文化を大切にしていきたい。昨年はアニメの聖地といわれる椎名町のトキワ荘をよみがえらせようと地元の人たちの熱い思いから記念碑を作ったり、企画展を開催したりして漫画による街づくりを行い非常に元気づいた。

 また大塚では南北自由通路完成に合わせて商人まつり、阿波踊りだけじゃなく大塚音楽祭開催など新しいまちおこしが進んでいる。駒込はソメイヨシノ桜発祥の地といてソメイヨシノ桜の里公園が出来てソメイヨシノを活かした街おこし。雑司が谷は副都心線開通で文化と歴史で新しい街づくり、巣鴨は信仰と歴史の街づくり。豊島区全体がどうやって賑わいを作っていくかということに意識して取り組んできています。

 地域を愛する気持ちが一つ一つ表れてきている。これに応えて行政が、しっかりと支えて地域力を伸ばしていく。協働と参加。今年はそれが一層高まっていくんでは。

本橋 文化と福祉の融合というのがあります。たとえば障害者美術展。東京芸術劇場で毎年開催されているものですが、ハンディを負った方々に文化の光をあてて高い評価を得ている催しです。名称をもっと夢のあるものに変えて、豊島区から全国に発信して元気の出る作品展に。

 また国際ピアノコンクールで優勝した辻伸之さんは豊島区在住であることからすぐに文化功労表彰したことも、区内の人材を発掘するということからもとても良いことでした。高野区政の功績でしょう。

足立 区内の人材の発掘は大切ですね。今としまテレビでは「いけいけ夢ひろば」という番組で地域の方々の活動を紹介していますが、なかなかこういう場がなかった。こういう面では町会の力が必要ですね。

中村 日々生活の場でゴミ問題、リサイクル問題から福祉までありとあらゆる地域のことに関わってます。

 また行政とも毎月区政連絡会という形で話し合いの場を持ってますから情報は多いです。地域のお祭りは勿論のこと、歳末助け合い、国勢調査それに消防、警察、税務署、保健所など区民生活すべてのことが持ち込まれるのが町会ですから。

足立 地域の優秀な人材を活動に参加してもらいアドバイスをうけたりする地域的なシステムが欲しいですね。東商さんも会員が多いので街づくりへの協力は。

渡辺 我われの目指しているのは魅力ある街づくり。新庁舎の問題、そして跡地、池袋東西デッキ、そのほかいろいろありますが、都市開発を進めることが防災からも大事だと思います。造幣局移転、その周辺の再開発、雑司が谷、鬼子母神周辺の開発もあります。句が先導して町会あるいは地元の方々と話し合い、我われもNPOとして加わりいい街づくりにしてゆきたいと思います。こういったものは一朝一夕には出来ないが、諦めてしまっては永久に出来ない。行政、各種団体が協力して一歩一歩前進させながら忍耐強く進めてゆく。

足立 財政をふくめて難しい問題があるようですが、中期、長期にわけて着実に進めていかないと区民には分かりづらい。漠然としていると先に進まない、一つ一つやっていくことが実現に近づくことになる。行政の長がしっかりと指針を示すことが大切では。

高野 先ほどは豊島区全体のことを話しましたが、やはり豊島区の中心は池袋。その池袋副都心にサンシャインビルが出来て30年。この間、空白の期間と言ってはオーバーですが、開発が進まなかった。副都心線の開通で、これからは新宿、渋谷、池袋が一体となって東京全体の街の中心になっていかなければいけないと、大きな責任を持たされたという思いです。池袋東西デッキ、新庁舎、造幣局の活用、西口駅前の整備など30年ぶりに取り掛かっているところです。

 そのほか81号線の整備とか、今まで絵に書いた餅が現実にいま開発機運が起きている。それをいかにまとめ池袋の将来像にするか。私の頭の中ではガイドプランがガイドラインに変わってきているところです。

 今年は正念場。第一が新庁舎。街区全体で住民の方々と一緒に庁舎を作る。9階までが庁舎、10階から48階が住宅というおそらく全国で始めての庁舎。今年は大きな飛躍発展の年。区民の皆さま、商工会議所、町会連合会、区商連などあらゆる機関の皆さまの十分な理解をいただきながら進めてゆきます。今年はそのスタートの年。

足立 我われ商店街はその日その日の暮らしが非常に難しくなってきている。新しいお客を得るために4ヶ国語の商店街の紹介マップを作成。今年は区内商店街を結ぶミニバスを運行しようと計画しています。巣鴨、大塚、池袋から区内の名所旧跡を通って各商店街に行けるようなバス、「さくら号」と名づけてます。コミュニティバスという構想もあるそうですが、駅中心ではなく、商店街を横で結ぶもの。

高野 さきはど町連の役割は安心安全の街づくりといわれましたが、私はこれまで環境都市、文化都市、そして健康都市、教育都市など豊島区を魅力的な街にする挑戦をしてきましたが、基本は安心安全な街、セーフコミュニティを作り上げることです。交通事故、病気、自殺など防げるものを防ぐことが、安全安心の街づくり。区民の皆様と十分に話し合いながらすすめてゆきます。

中村 安全安心の街づくりの面からも地元意識というものが欠かせません。そのためにも学校選択制を考えていただきたい。地元の子供は地元の学校へ行くことで地域コミュニティが出来るのでは。

高野 いろいろなお話を聞いています。いま検証しているところです。

渡辺 昨年、副都心線開通一周年で新宿、渋谷、池袋で合同シンポジュームが開かれましたが、そこで中央、臨海に負けないように3区で共同で核になるものを作っていこうという話になりました。新宿、渋谷も同じ課題を抱えている。百年に一度の不況に我われ企業も大きな打撃を受けています。その企業のためにも頑張ってゆきます。

本橋 皆さまから豊島区の将来についていろいろなお話をお聞きしましたが、議会としてはしっかりと高野区政を支えていくことは勿論ですが、チェック機関としてしっかりと監視してゆきます。耳を傾けるところは現場、そのことをしっかりと受けとめて、高野区政に反映させてゆきます。

足立 ありがとうございました。今年も前向きに頑張りましょう。


»» BACK

«« Go to TOP


〒170-0013 豊島区東池袋1-21-11 オークビル 5F
Copyright© 豊島新聞社 2003-2010
トップページ バックナンバー 豊島区の選挙 紙面で見る
区民の歴史
リンク集 豊島新聞について

豊島新聞綱領

本社事務所
〒170-0013
豊島区東池袋
1-21-11
オークビル5F

豊島新聞は
毎週水曜日
発行です

民の情報紙

株式会社
豊島新聞社

豊島新聞
TEL
3971-0423
FAX
3986-4244
情報・投稿
購読申込み
購読料
3ヶ月2,700円