2011年7月

第2906号 2011年7月13日号


講師も挫折経験者
 巣鴨の受験塾「キズキ共育塾」


 講師が全員ドロップアウト経験者の大学生というユニークなニート・不登校・中退経験者のための受験塾「キズキ共育塾」がこの4月から巣鴨4丁目で活動している。

 キズキ共育塾は、元不登校・高校中退やフリーターなどの経験を持つ者のみを講師として採用、過去に不登校・中退やいじめなどを経験しながらも今は難関大学に通う大学生が「ロールモデル」となり、現在中退・不登校などで悩んでいる若者の受験合格ひいては社会復帰を応援している。

 塾長を務める安田祐輔さんも高校時代は不良学生。卒業後に「このままじゃダメだ」と思い、2年間猛勉強をして国際基督教大学(ICU)に合格。その経験を生かして、かつての自分と同じような状況にいる生徒たちにも伝わる指導方法を作り上げたという。

 安田さんのほかにも、不登校・うつ病・商業高校を経て22歳で早稲田大学へ進学したというひとや、高校卒業後派遣労働者となった後にICUへ進学、また不登校・中退を経験した後に早稲田大学へ進学、など様々な経験を経た若者たちが講師スタッフとして参加している。

 「現代の日本社会では、高校・大学・就職…という既存のレールを一度でも外れてしまうと、もう一度その中へ戻るのは簡単なことではありません。私たちは不登校・高校中退や卒業後にニートやフリーターとなるなど、一度その枠組からドロップアウトしてしまった方々に、大学受験をきっかけとして人生をやり直して欲しいと考え、受験指導を始めました」とスタッフの小柏京子さん。小柏さんもネットゲーム依存を経験した後に早稲田大学へ進学という経歴である。

【キズキ共育塾】東京都豊島区巣鴨4-28-4オーガスト80-301号室・電話090―2629―4955。


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