心で歌う目で歌う 祈りのコンサート NPO「ゆきわりそう」
障害者たちがプロのオーケストラと第九を公演――。障害者やその支援者、地域の方々等で構成される合唱団「私たちは心で歌う目で歌う合唱団」(団員数82人)による「21世紀の平和のために歌う『祈りのコンサート』」が5月6日、サントリーホール(東京都港区赤坂1-13-1)で開催される。午後2時開演。チケット3,800円。
合唱団の母体は障害者の自立支援を目的に活動する区内NPO法人「ゆきわりそう」で、障害者の心に響く文化的な活動基盤として1989年に発足した。
これまで国内はもとより、ドイツやニュージーランドなど海外での公演活動も展開しており、特に2000年には、ニューヨークのカーネギー・ホールで公演し、大成功を収めた実績がある。
「第九」の合唱は、世界一難しい楽曲と言われる。その「第九」を障害者が歌うために、同合唱団がレパートリーとする「第九」には、ソプラノ、アルト、テノール、バスに加えて、狭い音域で編曲された「第5パート」が存在する。これにより、高音を発声しづらい障害者も参加でき、ハーモニーに厚みが増すとともに、障害のあるなしの壁を越え、「平和への祈り」を歌い上げる連帯の力強いメッセージが込められる。
「目指せサントリーホール!目指せカーネギー・ホール!」を合言葉に毎週日曜日に練習を重ねている。その夢のひとつである、国内有数の音楽ホール「サントリーホール」でのコンサートが、NPO法人「ゆきわりそう」創立25周年を記念して実現することになり、また平成24年度に区制度施行80周年を迎える豊島区も周年記念事業として同コンサートを支援することになった。
合唱の指導に当たる古田まり子先生は、「ドイツ語で歌えるようにみな頑張って覚えて一生懸命練習をしています。本番が近くなり気合が入ったのか、笑顔の中にもしっかりした顔つきがみられます」と参加者のたゆまぬ努力にエールを送った。
当日のステージでは、東京フィルハーモニー交響楽団や、指揮者・ソリストなども参加し、約80名の障害者とともに、総勢300名による大パフォーマンスが繰り広げられる。
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