托鉢僧の消えたワケ 巣鴨とげぬき地蔵尊高岩寺
今年二月初めより、巣鴨のとげぬき地蔵尊高岩寺でよく見かけた托鉢僧らの姿が消えた。「本来の托鉢」とは似て非なる横暴な行為に高岩寺側が重い腰をあげ、地元とともに行為中止を求める看板を設置しているのが理由のようだ。
関係者によると、僧侶らは他宗派の僧籍があり、十数年前に高岩寺に名簿を届けて境内で托鉢をしていた。しかし仲間以外の僧侶を追い出して托鉢を独占・権益化し、参拝者の体を触って霊符を授ける加持祈祷行為、強引な金銭の要求など、次第に「本来の托鉢」とはかけ離れた問題行為が顕著になった。
僧侶らの行為を求める参拝客もあり、「風情がある」「良い雰囲気」という声の一方で、「寺の僧侶と紛らわしい」「お金を出せと圧迫感がある」などの苦情が高岩寺に寄せられるようになったため、昨年初め高岩寺より行為の中止を要請。ところが僧侶たちは門前の地蔵通り公道上に移り、山門を挟むように立って行為を続けた。門前の歩行者や車両の通行を妨げ危険でもあり、高岩寺は今年の元日から「路上での托鉢等はご遠慮下さい」との看板を山門に掲示。僧侶らはこれを無視して活動を継続したため、巣鴨地蔵通り商店街振興組合、巣鴨防犯協会も高岩寺に協力。二月初めに托鉢僧の絵を入れ連名にした看板を追加して設置したところ、ついに姿を消したという。
「歩きながら経をとなえ、喜捨をいただくとともに在家に執着を放つ修行をさせるのが本来の托鉢だが、僧侶らの行為は托鉢とはいえない。しかし、お寺は救いを求めて来る人を救済する場。どんな人も迎え入れて仏法を説くのが本来の面目。悪質な行為を話し合いで解決できずに神聖な門前に看板を出し、町ぐるみで対応せざるを得なかったのは我々の力不足で誠に残念」と高岩寺関係者。
なお、僧侶らは所属する京都府の寺院で大規模な霊園を経営し、二年ほど前に墓地開発に関係した暴力事件をおこしている。また埼玉県の雑居ビルを別院として路上生活者を住まわせ、預金通帳を管理し生活保護費の一部を家賃の名目で徴収。「貧困ビジネス」とも指摘される不適切な活動も明らかになっている。
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