トキワ荘跡地モニュメント 現代マンガ文化発祥の地
トキワ荘跡地のモニュメントが南長崎3丁目の日本加除出版(株)敷地内(南長崎3-16-6)に完成し、除幕式が行われた。
トキワ荘は、手塚治虫など日本を代表するマンガ家が住んでいたアパートで、現代マンガ文化発祥の地。アパートは昭和57年に取り壊され、現在は同社の社屋が建っている。同社の好意により敷地が無償で提供され、豊島区が町会、商店街などで組織する「トキワ荘通り協働プロジェクト協議会」と連携しモニュメントを設置した。黒御影石でトキワ荘を再現し、プレートにはトキワ荘跡地と刻まれている。大きさは約高さ1メートル、横1メートル、奥行き0.65メートル。
かねてから地元住民は、トキワ荘でのマンガ家たちの活動を地域文化として継承するとともに、文化資源として全国に発信し、地域活性化を図ろうと、さまざまな取り組みを行ってきた。取り組みの成果として、平成21年4月には、跡地近くの区立南長崎花咲公園に記念碑「トキワ荘のヒーローたち」を設置。ガイドブックや散策マップも作成してきた。現在も「トキワ荘通り協働プロジェクト協議会」では、トキワ荘の隣にあった現存するアパート「紫雲荘」でマンガを目指す若者を応援する「紫雲荘活用プロジェクト」を展開している。紫雲荘はトキワ荘では手狭になったマンガ家赤塚不二夫が仕事場兼寝室として利用したトキワ荘当時を偲ばせるアパートでもある。
3年前に公園に設置された記念碑についても、跡地への設置が候補の1つとなっていた。しかし、跡地は私有地で私道を通ることなどから、多くのファンが訪れた時の対応などが課題となり、協議した結果、跡地に一番近い区立公園への設置となった。記念碑設置後、多くのファンが訪れるようになったが、トキワ荘跡地には、当時を偲ばせる痕跡が何もなく、ファンを失望させていた。そこで、地域から、やはり跡地にもモニュメントが設置できないかとの声が上がった。
同協議会が、跡地となる日本加除出版株式会社や近隣住民に理解を得る努力を続け、その努力が報われ今回のモニュメント設置が実現した。
セレモニーには、当時トキワ荘に住んでいたマンガ家よこたとくおさんや各プロダクションの代表などの関係者が出席し、記念すべき日を祝った。
記念碑を覆っていた白布が高野区長や関係者によって取られ、記念碑を囲んでいた地域の方やマンガファンから歓声があがった。地域と全国のマンガファンの夢がかなった瞬間である。
除幕にあたり高野之夫区長は「跡地にモニュメントを設置することは、地域の長年の念願あり、全国のマンガファンの願いでもある。皆様の様々なご協力、ご尽力によりその願いがかなった」と喜びを述べた。
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