介護拠点の整備推進 土地オーナーらへ働きかけ
現在、豊島区は認知症高齢者グループホームが9か所(定員86人)と東京都から重点整備地域に指定されているものの、介護拠点等の整備に苦戦している。
整備が進まない原因として、介護事業者が土地のオーナーに対してワンルームマンション等よりも低い収益しか提示できず、事業用地の確保が困難であることがあげられる。そのような中、現に事業用地を提供しているのは、収益よりも社会貢献意欲の高い土地オーナーである。こうした意欲のあるオーナーは潜在的には多く、問い合わせも時折あるが、事業者と接点がある方も少なく、豊島区も公の立場から特定の事業者を紹介することが出来ない。
そこで豊島区では、土地のオーナーと事業者をマッチングするべく、公益社団法人日本認知症グループホーム協会と7日に「地域密着型サービス拠点等の整備推進に関する協定」を締結し、認知症高齢者グループホームからサービス付き高齢者向け住宅まで幅広く拠点整備を推進することとした。
具体的には、資産活用を検討しているオーナーと事業者に向けて、事業と補助制度の説明相談会を開催し、周知を図る。区のホームページ上や個別の問い合わせに対しても相談先として同協会を案内し、事業者とマッチングさせるものである。
協定を担当した常松洋介福祉総務課長は、「当区内にはワンルームマンション等の選択肢があることも、介護拠点の整備にマイナスに働いている。全国初の本協定により、オーナーの社会貢献意欲をくみ取って、第一種社会福祉事業から高齢者向け住宅まで幅広く活用していきたい」と話した。
同協会の宮長定男理事は、「グループホーム事業者は、事業用地の確保に苦戦しており、事業者団体としてもありがたい。サービス付き高齢者向け住宅も含め、介護事業者のノウハウを活かして、入居者の加齢や介護度に応じて、きめ細やかなサービスと住宅を提供できる」と話した。
区と協会の共催で「高齢者向け社会福祉事業開設説明・相談会」が11月21日、生活産業プラザで開催。今年2月に土地オーナーに向けて初の試みとして開催され2回目の開催となる。今回は、前回、説明のあった認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護に加え、都市型軽費老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の補助制度等の説明も加わり、小規模の高齢者福祉拠点をほぼカバーする内容。
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