婦人之友社110周年 エチカで表紙絵展開催中
日本の近代洋画界を代表する画家で、文化勲章受賞、1916年から旧高田に住んだ安井曾太郎や、大正時代の詩人画家で、雑司ヶ谷霊園に眠る竹久夢二 らが描いた表紙絵を展示する「婦人之友創刊110周年表紙画・子供之友挿絵パネル展」が4月29日まで、東京メトロ副都心線池袋駅構内にあるEchika(エチカ)池袋ギャラリーで開催されている。
豊島区にある婦人之友社は、羽仁吉一・もと子夫妻により明治36年(1903年)に『家庭之友(後に「婦人之友」へ改題)』を創刊した後、明治43年に社を豊島区に移し、今年で創刊110周年を迎える。
『婦人之友』の表紙絵は、羽仁吉一の依頼で平福百穂が明治44年(1911年)6月号に描いた四季の花鳥・風景の表紙画から始まり、その後大正・昭和を代表する141人の画家が描き嗣いできた。あわせて、大正3年~昭和18年に発刊した絵雑誌『子供之友』でも、村山知義をはじめとする著名画家が表紙や挿絵を描き、多くの子供たちに夢と希望を与えてきた。
これらの表紙画は一雑誌の表紙という枠を超え、「(略)東京の文化史そのままの価値を持つほどにも貴重な歩みを見せている・・・」と美術評論家の故・田中穣氏が評価している。
2003年に建業100周年を迎えた婦人之友社。新聞記者だった羽仁吉一・もと子が自らの新婚家庭から題材を得て、料理、掃除、育児など、現在の女性誌では当たり前のテーマを初めて取り上げて作った雑誌が『婦人之友』。「生活」とは趣味ではなくて人生そのもの。忙しい現代社会でおろそかになりがちの「生活」を、読者参加の実践的な記事を通じて、正面から取り上げるこの雑誌は世代を超えて読み継がれている。
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