2013年9月

第3005号 2013年9月25日号


第3回区議会開会
 高野区長招集あいさつより


1 平成24年度決算について

 平成24年度の一般会計歳入歳出決算額は、歳入が1,052億2,000万円で収入率は95.6%、歳出は1,019億9,100万円で執行率は92.7%となっております。

 前年度と比較いたしますと、歳入については31億1,700万円の増で3.1%のプラス、歳出については29億1,400万円の増で2.9%のプラスであります。

 歳入決算額から歳出決算額を差し引いた形式収支は32億2,800万円となり、形式収支から翌年度への繰越額を差し引いた実質収支は20億1,500万円の黒字で、2年連続で前年度から増加しております。

 次に、歳入の主なものについて、決算の状況を申し上げます。

 特別区税は、税制改正や納税義務者数の増などによる特別区民税の増収の影響を受け、対前年度比6億500万円、2.2%のプラスとなりました。

 特別区交付金も、12億9,600万円、4.7%のプラスとなりましたが、これは、原資となる調整三税のうち、市町村民税法人分の増収によるものであります。

 この特別区税、特別区交付金いわゆる二大財源の収入額は合わせて572億 1,800万円となり、歳入決算額に対する構成比は54.4%を占めております。

 繰入金については、財政調整基金から、予算額どおり22億8,400万円を繰り入れましたが、繰入金全体では、対前年度比で6億5,100万円、10.7%の マイナスとなる54億4,200万円となっております。

 特別区債は、前年度起債額の13億8,300万円から、100.6%の増となる27億7,500万円となりましたが、これは、小学校・中学校建設事業への起債が大幅な増となったことが主な要因であります。次に、歳出決算の状況であります。歳出の状況は性質的区分で申し上げます。

 まず、義務的経費については、全体では対前年度比35億円の減、6.2%のマイナスとなる526億9,500万円となり、歳出決算額全体に占める割合は51.7%となっております。

 義務的経費の内訳でありますが、人件費については、5億4,000万円、2.6%のマイナスとなる205億3,000万円となっております。

 扶助費は、1,300万円の減となる266億2,300万円となっておりまして、前年度から減となるのは平成17年度以来であります。これは、子ども手当から児童手当への制度変更の際、所得制限が導入された影響などによるものであります。

 公債費は、29億4,800万円の減、34.7%のマイナスとなる55億4,200万円となっております。

 投資的経費については、決算額が132億2,800万円、歳出決算額に対する構成比が13.0%であり、対前年度比39億5,800万円、42.7%のプラスとなっております。これは、南長崎中央公園整備事業や目白小学校・西池袋中学校の改築事業経費の増などが主な要因であります。

 一般行政経費は、全体では対前年度比24億5,600万円、7.3%のプラスとなる360億6,800万円でありまして、歳出決算額全体に占める割合は35.4%となっております。

 次に、主な財政指標について申し上げます。

 まず、「公債費比率」でありますが、24年度の元利償還金が、多額の満期償還があった前年度から29億4,800万円の大幅減となったことにより、前年度と比較して5.8ポイント改善して7.7%となりました。公債費比率が7%台となるのは、平成6年度以来、18年ぶりのことですが、23区中では第21位にとどまっております。

 また、地方債の元利償還金に、公債費に準ずる債務負担行為に係る支出額を加えて算出する「実質公債費比率」についても、土地開発公社の長期債務解消後も、引き続き、起債発行の抑制に努めてきたことにより、前年度から1.4ポイント改善して 3.6%となりましたが、23区中では第22位となっております。

 さらに、「経常収支比率」については、人件費や公債費が減となったことに、特別区税や特別区交付金などの一般財源歳入の増額の影響が加わり、前年度から6.1ポイント改善して82.2%となり、16年ぶりに23区の平均値を下回り、第5位という好順位となりました。

 このように、平成24年度の決算における主要な財政指標をみると、これまでの財政健全化に向けた努力が反映され、本区の財政構造は着実に改善に向かいつつあると言えます。

 しかしながら、日本経済は、国の新たな経済政策の影響を受けて景気回復の兆しがみられるものの、今後予定されている消費税増税の影響や海外景気の動向など不安定な要因も多く、今後の経済の見通しは大変不透明な状態であります。

 したがいまして、これまでも安定的で持続可能な財政運営に取り組んできたところではありますが、今後も引き続き、財政運営の健全性・計画性・安定性を一層向上させるため、全力を傾けてまいる所存であります。

2 現庁舎地周辺の活用について

 詳細につきましては、改めて議員の皆様にご報告申し上げますが、この度、現庁舎地周辺の各施設の性格付けや事務室レイアウトなどについて、財政的な見通しも含め、基本的な方針を定めたところであります。

 新庁舎への移転後、平成27年度から30年度にかけて勤労福祉会館の大規模改修、区民センターの建て替え、生活産業プラザの改修を順次進めてまいります。勤労福祉会館は商工関係団体の事務室などを集約し、区の産業系ビルとして整備し、産業振興及び勤労者福祉の拠点といたします。新区民センターは450席程度のホールなど、区民のみなさんが利用しやすい貸館機能を整備してまいります。また、生活産業プラザは、保健所と近接している地の利を生かし、生活福祉課、社会福祉協議会など福祉分野の事務室として活用いたします。

 さらに、公会堂跡地の新ホールについては、歌舞伎やプロの劇団による長期的な興行、本格的なオペラの上演などを呼び込める、魅力あるホールとするため、先の定例会でご報告した構想をさらにスケールアップし、最大で1,355席程度の大規模なホールとすることといたしました。

 池袋で他に類を見ない大規模な多目的ホールを整備することで、この新ホールと新区民センターで年間100万人にも上る集客が可能になり、まさに賑わいの発信拠点となるものと期待しております。

 現庁舎地の周辺は、現在は行政機能が集約されたエリアですが、新庁舎完成後には、こうしたイメージを一新し、文化と新たな魅力を発信する活気あふれるエリアに生まれ変わらせてまいります。

3 池袋副都心グランドビジョンについて

 新庁舎から、南池袋公園、グリーン大通りを経て現庁舎地に至る区道の整備など、鋭意検討を進めている南北軸の整備に関連して、まず、南池袋公園の整備について申し上げます。

 南池袋公園は、現在、地下に東京電力が変電所を建設中ですが、地下1階部分は区が提供を受け、(仮称)池袋駅南自転車駐車場として整備中でありまして、平成26年1月に開設予定となっております。

 現在、地上部の公園整備について、新庁舎との一体性を重視して、新庁舎のランドスケープをご担当いただいている平賀先生のコーディネイトのもと、急ピッチで検討を進めているところです。

 また、年明けの地下駐輪場の開設に併せて、暫定施設であったグリーン大通りの登録制自転車置場を3月に廃止いたします。

 グリーン大通りは、池袋駅と新庁舎を結び、さらに新庁舎と現庁舎地とを結んで、池袋副都心の回遊性を生み出す重要な動線であります。そのため、自転車置き場廃止後には、路上カフェなどの社会実験を行うことも検討しておりまして、緑と賑わいにあふれる池袋の顔として大胆なイメージチェンジを図ってまいります。

 また、グリーン大通りの先に位置する造幣局地区のまちづくりについても検討が本格化しております。

 本年7月2日、私と造幣局の新原理事長との間で、造幣局東京支局敷地を対象とした街づくりについて確認書を締結いたしました。

 この確認書では、街づくりの方向性とともに、防災公園の面積を1.6ヘクタールから2ヘクタール、市街地整備区域を1.3ヘクタールから1.7ヘクタールとする大枠での土地利用構想を定めたところです。

 昭和40年代後半からの町会連合会を中心とした跡地の公園化の動きや、まだ記憶に新しい新東京タワー誘致活動など、多くの方々の夢と希望が、現在の情勢にあわせた街づくりに姿を替えて、いよいよ実現することになりました。

 造幣局は、池袋副都心と木密地域とのちょうど境に位置していることから、防災上も、副都心の賑わいを広げる観点からも非常に重要な存在です。

 7月29日には、「造幣局地区街づくり計画検討委員会」を発足し、明治大学の中林先生、緑の都市空間形成の視点から平賀先生、そのほか、区内各界を代表する方々にご参画をいただいて検討をスタートさせました。今年の11月頃には中間まとめを行い、年度末には街づくり計画を策定したいと考えております。

 次に、景観計画について申し上げます

 本区は、平成5年にアメニティ形成条例を制定し、都市景観を広くアメニティと いう言葉で表現して全国に先駆けた取り組みを展開してまいりました。

 しかしながら、独自条例には自ずと限界があり、活性化する街づくり動向に的確に対応し、歴史と文化に彩られた豊島区の資源を街並み景観の側面からも、より地域特性を踏まえた保全をしていく必要性を痛感していたところです。

 そこで、この度、平成16年に制定された景観法に基づく制度へと発展的に継承していくことといたしました。7月19日、進士五十八 東京農業大学名誉教授に会長を務めていただいているアメニティ形成審議会を15年ぶりに開催し、景観法に基づく新たな景観行政への展開に向け舵を切ったところです。

 現在、改定作業に取り組んでいる都市計画マスタープランに景観法の骨格を盛り込み、景観計画の策定へとステップアップしてまいります。

 また、本定例会では、アメニティ形成条例の一部改正案をご提案しておりまして、審議会の調査審議事項に景観計画を加え、区民委員を追加し、部会を設置することで、本年12月から本格的な検討に入りたいと考えております。

 今年度末に景観計画骨子案を作成し、東京都との協議などを行いながら、平成28年4月、景観計画の策定及び景観条例施行を目指してまいります。

 日本一の高密都市として、豊かな文化資源を活かし、五感に訴え、四季の移ろいを肌で感じるまちづくりとして、景観施策を実践することは、文化と都市再生をつなぐ上で非常に重要であり、今まさにその好機が訪れていると考えております。

4 安全・安心まちづくり

 本区は昨年、都内で初めて、全国で5番目のセーフコミュニティ認証都市となりました。インターナショナル・セーフスクールとのダブル認証とも併せて、大都市東京の自治体が認証を取得したことは、大きな注目を集めました。

 本区に続いて、昨年、長野県小諸市が6番目の認証を取得し、今年3月には横浜市栄区が認証の内定を得ております。8月には大阪府の松原市、福岡県久留米市が現地審査を受け、間もなく8番目、9番目の認証都市が誕生いたします。

 本区の認証取得をきっかけに、日本におけるセーフコミュニティが急速に拡大していることを、心強く思っております。本区の取り組みは、大都市モデルとして高い評価を得ており、全国各地から視察や問い合わせが殺到しております。今年は7月だけで、秩父市、北本市、刈谷市、鹿児島市、京都府からの視察を受け入れたところであります。

 みなさんご案内のとおり、この制度は、認証取得がゴールではなく、安全・安心まちづくりのスタート地点であります。現在も、6月に開催した第11回推進協議会でご説明申し上げたとおり、11の対策委員会は活動を継続しており、年末の年間レポートの提出に向けて、準備を進めているところであります。

 これからも、究極の安全・安心まちづくりを進めるため、セーフコミュニティ活動を継続し、発展させてまいります。

 次に、木密地域不燃化10年プロジェクトについて申し上げます。

 10月2日から、豊島区内の5つの特定整備路線のうち、長崎地区に計画されている172号線・補助26号線の「事業及び測量説明会」が開催されます。

 7月には、池袋本町・上池袋地区の補助73号線、82号線の説明会が4日間にわたって開催され、約900名の参加がありました。質疑応答では切実な要望が寄せられており、事業を進めるに当たり、きめ細かな対応が必要だと感じております。

 今後、駒込地区の補助81号線の説明会も予定されますが、東京都と密に連携しながら、区といたしましては、地域のみなさんを積極的に支援し、地域の防災性や環境の向上に取り組んでまいります。


»» BACK

«« Go to TOP


〒170-0013 豊島区東池袋1-21-11 オークビル 5F
Copyright© 豊島新聞社 2003-2013
トップページ バックナンバー 豊島区の選挙 紙面で見る
区民の歴史
リンク集 豊島新聞について

豊島新聞綱領

本社事務所
〒170-0013
豊島区東池袋
1-21-11
オークビル5F

豊島新聞は
毎週水曜日
発行です

民の情報紙

株式会社
豊島新聞社

豊島新聞
TEL
3971-0423
FAX
3986-4244
情報・投稿
購読申込み
購読料
3ヶ月2,700円