2013年10月

第3009号 2013年10月30日号


江戸の昔から菊は「巣鴨」
 すがも中山道菊まつり
 6日から14日、高岩寺・眞性寺など


 巣鴨の秋を彩る一大イベント「第21回すがも中山道菊まつり」が11月6日から14日まで、とげぬき地蔵尊高岩寺と江戸六地蔵尊眞性寺両寺院境内メインに開催される。毎回好評の眞性寺会場の菊花形造りの今年のテーマは源氏物語絵巻から「紫の君」で、若手アーティストの辻村裕二さん(造形作家)と、ささきさとみさん(絵画作家)のふたりが制作にあたっている。

 今回から西巣鴨の大正大学が会場に加わり、地蔵通りの入り口の眞性寺から高岩寺、区施設の待夢、庚申塚、そして大正大学と「すがも菊の道」がつながることとなり、訪れる人にとってさらにパワーアップしたイベントとなっている。

 また眞性寺会場には地元仰高小と清和小の子どもたちが辻村さん、ささきさんの指導を受けて制作した幅8メートル、縦1.8メートルの「おじぞうまんだら」と題する大きな絵画が展示されることになっており、注目を集めそうだ。

 期間中は、菊花の展示(盆養・五輪咲き・だるま・福助・古典菊など)、懸崖、千輪咲き、五重塔、お城、扇、盆栽、菊形作りなど多彩に開催される。また特別催事として生け花展、野点、短歌・俳句の展示、模擬店の開催なども予定されている。初日午前11時から江戸六地蔵眞性寺本堂前でオープニングセレモニーが行われる。

 「毎回『すがもの菊』を合言葉に世話人、企画委員一同今年も昨年以上にと張り切って会場作りをいたしております。巣鴨の歴史的文化の継承と地域振興の恒例の行事として、また豊島区3大祭りとして発展させていく所存です。皆様のご来場をお待ちいたしております」と主催者。

 歴史と伝統文化が息づく街、巣鴨。「菊は巣鴨」と、巣鴨の名が広く知られるようになったのは18世紀半ばのころ。もともと巣鴨は駒込と並ぶ園芸の里で、植木職人同士の競合で優れた鑑賞菊が生まれ、菊見の客が巣鴨に集まるようになった。

 19世紀のはじめころには、1本の菊に接木して違った花を咲かせたり、さらには多数の菊を集めて技巧を凝らして黄菊の虎や屋根まで届く白菊の富士山など、大作りな「造り菊」が登場する。これが評判になって江戸の町民だけでなく、関東各地から泊りがけで菊見の客が来るようになり、大変な賑わいだったという。

 こうした菊作りは明治の初めまで続けられていたが、その後衰退し、かわって文京区団子坂の「菊人形」の評判が高くなった。

 こうした先人の築いた文化遺産ともいうべき「菊作り」を再現しようと平成5年、地元商店街が中心となり、街ぐるみではじめたのがこの「すがも中山道菊まつり」。江戸の庶民が楽しんだ「巣鴨の菊」は現代に息づいている。


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