2013年12月

第3015号 2013年12月11日号


郷土玩具を守れ
 南池小児童、すすきみみずく製作


 豊島区雑司が谷の郷土玩具である「すすきみみずく」の製作講習会が11月19日、法明寺みみずく会館(南池袋3-5-9)で開催され、区立南池袋小学校(南池袋3-18-12)の4年生67人が地域に伝わる郷土玩具を製作した。

 すすきみみずくは、雑司ヶ谷鬼子母神に江戸時代から伝わる郷土玩具で、ススキの穂を20本ほど束ねて作り、ササにぶら下げて飾るもの。すすきみみずく保存会では、製作技術を伝承していくための講習会を開催しており、南池袋小児童への講習会は昨年に続き2回目。

 指導にあたったのはすすきみみずく保存会の皆さん。同保存会は、すすきみみずくの最後の作り手が、高齢のため製作をやめることになり、このままでは郷土玩具が消えてしまうと、鬼子母神堂の本坊である法明寺住職をはじめ地域の町会や商店街の有志が立ち上がり、平成22年に発足、製作講習会を開催し地域で伝承に取り組んでいる。

 この日使用したススキは保存会や有志の方々が豊島区の姉妹都市秩父市の協力のもと秩父市を訪れて採取し、皮むきと乾燥処理をしたもの。

 講習会場に向かう前に南池袋小学校で、地域に伝わる民話を題材にした版画紙芝居「すすきみみずく」の読み聞かせも行われ、子どもたちは、これから実際に製作するすすきみみずくについて理解を深めた。

 法明寺の近江正典住職が「みなさんと同じくらいの年齢の女の子が、お母さんの病を治したいという一心ですすきみみずくを作りました。みんなで一羽ずつ完成させましょう」と話し、講習会が始まった。

 保存会のメンバー6名が、講師として子どもたちに丁寧に作り方を教え、子どもたちは真剣な表情ですすきの穂と向き合った。羽根用のススキの茎から穂だけを手で切り取る作業では、最初は上手に切り取れなかった子どもも、次第に慣れた手つきで切り取った穂を並べていく。胴体や羽根を作る作業では、「ここでしっかり握りながら結ぶのが大切です」という講師の指導のもと、「難しいな」「こうすればいいのかな」とタコ糸でススキを結ぶのに苦労しながらも、友だち同士で手伝ったり、講師に教えてもらいながら形を整えていった。  口・眼・耳をつけ、最後にササにつるし、個性溢れるすすきみみずくが出来上がると子どもたちからは「できたよ」「かわいい」と歓声があがった。参加した中島彬(なかじま・あきら)さん(9)は「耳をつけるのが難しかったけど楽しかった。家で飾りたい」と、河地紗都乃(かわち・さとの)さん(10)は「友だちにも作り方を教えてあげたい」と笑顔で感想を語った。

 製作講習会は、12月、2月、3月にも一般の方を対象に開催される。


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