「消滅などあり得ない」 女性のための総合的な施策展開 高野区長会見
よその自治体に比べても、人口増加傾向にあり、複数の不動産業者による住みたい街ランキングでも池袋が上位に入るなど、また新庁舎建設をはじめとする数々の都市機能開発が進みますます勢いづく豊島区が5月8日、突然、日本創生会議によって23区で唯一の「消滅可能性都市」と位置付けられて全国にその名を広めてしまった。全国では896自治体が2040年には消滅の可能性があるという。
これをうけて豊島区では、すぐに緊急対策本部を設置、5月16日に第1回、26日に第2回の本部会議を開き緊急対策と中長期的対策の検討を始めた。
緊急対策のひとつとして、さっそく区長の定例記者会見でこの問題をテーマにして、高野区長自ら「豊島区の消滅などあり得ない」と集まった20人を超す記者たちの前でアピールした。
高野区長は「豊島区が消滅するなど絶対にないが、今回の問題提起として真摯にうけとめ、子どもを産みたい、育てたいという環境づくり、女性が暮らしやすい社会の構築に向けて総合的な施策の展開に一層力を入れていきます」と述べた。
対策の柱は、「地方との共生」と「女性が暮らしやすい地域社会づくり」の2つ。
地方との共生では、全国の47交流自治体のうち25自治体が消滅可能性都市とされたことを受け、個別分野ごとの交流から矯正のための自治体ネットワークを構築して、豊島区としては、日本一の高密都市だからこその共生モデルの提示を目指す。
また女性が暮らしやすい地域社会づくりのために、とくに日本創生会議による発表のなかで、「再生産力」として着目された20から30歳代の女性のニーズや意見を掘り起こすため、「としまF1会議」をたちあげるとしている。(F1とは広告・放送業界のマーケティング用語で20歳から34歳までの女性の意)。7月下旬にキックオフイベントとしてワールドカフェ運動会のようなイベントを仕掛ける。会議の開催は8月から12月に月1ペースで行い、意見を来年度予算に反映したいとしている。
そういえば数年前に池袋本町、上池袋あたりが、「限界集落」として報道されて驚いた時があった。状況は違うが、より総合的な本腰で地道な対策が求められている。
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