戦争を考える夏 郷土資料館、8月31日まで
8月15日は終戦記念日――。夏の収蔵資料展「戦争を考える夏2014」が池袋西口の区立郷土資料館(西池袋2-37-4)で8月31日まで開催されている。
同館では、1984年の開館以来、戦争体験を掘り起こし、語り継ぐ展示会を継続的に行ってきたが、今回は、1945年(昭和20年)4月13日の東京西北部の空襲を中心とした被災資料のほか、新たに寄贈を受けた町会、防空演習、建物疎開、出征兵士に関する資料や写真が展示されている。
展示は「豊島に空襲があった日」と「前線と銃後」に分けられ、「豊島に空襲があった日」では、B29爆撃機から投下された伝単(ビラ)や焼夷弾の筒などが展示されており、特に焼け溶けたガラスビンや硬貨が焼夷弾の威力を物語っている。また、戦災直後の写真やスケッチも展示されており、4月13日空襲では一夜にして区の約7割が焼失し、多くの建物や人々が被災した様子が分かる。「前線と銃後」では、最近寄贈を受けた初公開の資料を多く展示している。特に西巣鴨に住んでいた上野誠家から寄贈された約40点の防空演習の写真は、戦時下の街の様子と町会の防空対策の実態を知ることができる貴重な記録だ。また、堀之内町(現上池袋二丁目)に住んでいた安部圭三・陽子家から寄贈された、戦地から送った軍事郵便と、女学校での防空訓練や空襲の様子を記した日誌からは、「前線」と「銃後」の区別がなくなり総力戦となった戦争の様子がうかがえる。
なお、7月26日と8月23日には、展示資料を担当学芸員が分かりやすく解説する「展示みどころ解説」も行われる。午後2時より40分程度で、事前申し込みは不要。
担当者は「戦地から家族へ宛てた手紙や戦時下の生活記録など貴重な資料が多数展示されている。戦後69年が経過し、戦争の記憶が風化しつつある現在、展示資料を通して出征兵士や被災者の思いを感じとっていただきたい」と話している。
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