自然と人の共生―― 蝶の道プロジェクト 立教大阿部ゼミ
豊島区民センター2階としまふれあい交流サロン(東池袋1-20-10、豊島区民センター2階)にて、立教大学社会学部阿部治ゼミナールの学生による「蝶の道プロジェクト」の展示が行なわれている。9月30日(火曜日)まで。
同ゼミナールは「環境教育」や「ESD」をキーワードに、自然と人間が共生する持続可能な社会を実現するための活動をしている。その一環である「蝶の道プロジェクト」は、大都市池袋での人と自然の共生を目指し、たくさんの生物と人が行き交う街づくりを行なうプロジェクト。蝶の蜜源となる花をつける植物や、蝶の幼虫が食草として好む植物を中心に植えていくことで蝶を呼び、池袋を蝶の舞う街になるように活動している。同ゼミナールによると、蝶は自然界の生態系のピラミッドの下層に位置する生物であり、この下層である蝶が安定することでその上に位置する生物も安定し、食物連鎖も安定するという。プロジェクト名の蝶の「道」とは植物を植えた拠点と拠点とを結ぶルートを蝶が飛び交う「道」になぞらえたもの。現在、拠点については、生涯学習施設のみらい館大明(池袋3-30-8)の協力のもと、同施設の花壇や庭に蝶の蜜源となる花や食草を植えている。最近ではツマグロヒョウモン、アオスジアゲハなど約10種類の蝶が見られるようになったという。また、立教大学の敷地内にも蝶の食草となる植物を植えている。
今回の展示では、「蝶の道プロジェクト」の取組みとして、実際に学生たちが立教大学から目白駅方面まで歩いて見つけた蝶のマップや池袋に生息する蝶の紹介、同ゼミナールの主な活動紹介の他、世界の昆虫や蝶の標本およそ500体も展示している。池袋に生息する蝶6体の標本は同ゼミナールの学生が捕獲し作製した。3年生の豊方里英(とよかた りえ)さんは、「羽を傷つけないように標本にするのが難しかったです。」「活動を通して、池袋にも意外と蝶が飛んでいることが分かりました。身近な自然に興味を持つきっかけにしてもらえればうれしいです」と話している。
*阿部治ゼミナール:立教大学社会学部現代文化学科。身近な環境に対し、できるところからアプローチするために、地域のNPO法人と連携した池袋西口の緑化ボランティアや、「蝶の道プロジェクト」を中心に取り組んでいる。
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