2015年1月

第3060号 2015年1月1日号


新春座談会
 文化と環境で国際都市目指す
 夢ふくらむ新庁舎開庁
 各地区ですすむ街づくり活動


 足立 豊島区の未来に希望の持てる建設的なご意見をお願いしたい。いま豊島区はいろいろな面で変革を迎え、新しい局面に入ろうとしているところですが、各先生方にもっともっといいものがあるんじゃないかなど夢があればざっくばらんに聞いて2015年に夢を抱いてゆこうということでお話しください。

 里中 いよいよ本年は5月7日に新庁舎が開庁致します。長年の懸案でございまして、区民の皆さまにとって待ちに待った新庁舎の開庁ではないか思っております。私どももこの構想が立ち上がった時から自民党豊島区議団として一所懸命推進をしてまいりました。様ざまな特徴を持っている新庁舎でございますけれども、完成の暁にはどうぞ豊島区民の皆さまが充分にご活用していただけるようなものになるよう思っております。本当におめでたい事だと思っております。

 渡辺 あらためて今年がどういう年になるんだろうと思っているんですけれども、ひとつは特別老人ホームが、昨年一か所オープンしているんですが、今年もう一か所オープンするということで、その点では区民の皆さまの要望を一つ一つ実現できていおるかなあと思っております。同時に、この間、区長さんの方から保育園も作りますよということで二つの保育園がオープンの準備に入っているということで、待機児解消の一歩前進と思っています。基本はやはり区民の皆さんの切実な要求を区政のなかで実現させていくというのが区議会のなかで私たちの仕事ですので、今年もその立場で頑張りたいと思っております。

 古堺 あらためて新年おめでとうございます。昨年11月には私の所属していたみんなの党が解党いたしましてお詫び申し上げます。今年は新庁舎が開庁されますが、私は新庁舎ダメだよといったことはこれまでも一度もありません。新庁舎をコンパクトにするべきではないかとずっとさせていただいております。そういったなかで、副議長室はいらないんじゃないかとか、議場はそもそも年間20日しか使わないからいらないとか、というような発言をさせていただきました。5月7日のオープンとなり、区民の皆さまのいろいろな利便性を高める工夫もなされておりますので、新庁舎は区民の方々にとりましても喜ばしいことではないかと思っています。

 島村 過去豊島区は大変厳しい財政状況の中にありまして、極力区民の負担を抑えたうえで新たな庁舎を建設するということで取り組んでまいりました。結果的に言えばこの手法以外になかったのではないかというのが私どもの考えです。今度新しい建物が出来て、本当の意味で、区民のサービスの向上に務めていかなければいけないと、たらい回しを防止する総合窓口を設置し、あるいは区民にすぐお応えできるようにコールセンターを設置し、さらに災害に備えて先進的な防災システムなど設置されます。これらが本当に区民の生活の向上に寄与するように私どもがそれをしっかり見守ってゆきたいと考えております。

 永野 おめでとうございます。昨年は豊島区にとって明るいニュースと心配材料と、激動の年だったのではないかというふうに思っております。新年が明るい話題で盛り上がっていくように、私ども議会の役割も非常に大きいと思っております。先ほどから新庁舎の話が出ておりますけれども、私初当選が平成15年で、一期目の時に新庁舎の審議が始まりました。本当にできるのかという半信半疑なところもありましたし、是非とも好機を逃さずに手法を工夫して豊島区の未来を担う、中身は区民の皆さまとつくっていくという未来指向の庁舎ができるようにという思いで取り組んできたつもりですけれども、いよいよそれが実現したということで楽しみでございます。中は区民の皆さまとこれから作っていくということだと思いますのでしっかりと議会として取り組んでいきたいと思っております。

 本橋 各会派の幹事長からお話をうかがいましたが、新庁舎にふれられる幹事長さん多かったですが、その一方で議会は日ごろから何をしているのか、区議会議員は日ごろ何をやっているのかということについて、昨年は豊島区議会史上初の議会改革検討会にもとづきまして議会報告会を実施させてもらいました。昨年11月区民センター文化ホールを使って報告会を開催させていただいた中で、設営、企画、運営進行まで区議会議員の皆さんで手弁当で切り盛りしていただいたというかいでございます。当日は満席ということで、多くの区民の皆さま方に参加していただいて、正規では取り上げられないような意見まで区民の皆さまが挙手をして発言されるのが非常に印象深かったです。このように豊島区議会を開かれた、目に見える議会を展開していかなければいけないと考えております。新庁舎だけがきれいに華々しく目立つんですけれども、議会の方も素晴らしい豊島区議会だなあと思っていただけるような議会にしてゆきたいと思っております。

 足立 皆さんかたい話が多かったようですので、それぞれ地元の取り組みとか、特長などお話しください。里中議員は駒込ソメイヨシノですよね。

 里中 地元にはさくらの里駒込協議会というのが立ち上がっておりまして年2回のイベント等通してソメイヨシノ桜発祥の地、駒込を大いにアピールしよう運動が続いております。高野区長にも賛同していただいて進んでおります。昨年は小池ゆりこ衆議の関係で日本さくらの会との交流も始まりました。会が前を向いて進んでおりますので、地域の町会、商店会など全体で駒込がソメイヨシノ発祥の地であるとアピールを続けていきたいと考えておりますので、区民の皆さまにもぜひご理解を賜って、さまざまなイベント等に参加していただきたいと思っております。

 渡辺 鬼子母神ですかね。とても身近で素晴らしい神社です。そこのけやき並木の参道がとりわけ素晴らしく、地域の人たちの憩いの場となってます。雑司が谷の案内処も設置していただいておりますので、休日にはほかの地域からもたくさんの人が訪れて賑わっております。ただ正直いってそれが地域の活性化にストレートにつながっているかとなると、難しいところがありますが、それは地元の方々が頑張って受け止めているので、大いに進めていけばいいのかなと感じております。

 古堺 私は地元が池袋本町になりますが、地域の皆さまが待ち遠しく思っているのは、9月の氷川神社のお祭り。町内総出で、お祭りを盛り上げる、楽しむという形でやってます。私も毎年参加して楽しんでます。

 永野 私は住まいが西巣鴨。サクラソウ発祥の地ということで、とても素朴な花ですけれども、それを盛り上げようという地道な活動もありますし、また大塚あたりでは地域ぐるみで若い人たちが天祖神社にある夫婦イチョウにちなんでいちょう祭りなど開催しています。地域のこういった活動はほんとうに嬉しいことだと思っております。

 島村 私は巣鴨、大塚を担当しておりますが、巣鴨ではいつも大勢の人出でにぎわう巣鴨地蔵通りがあります。この賑わいの陰には地元商店街の方々の継続した努力があるわけで、これからも全力で支援していきたい。また駒込ではソメイヨシノのほかでも植木の里でもありましたので、その辺をもう一度アピールできたらいいなと思ってます。

 足立 まだ知られていない区内の名所旧跡を取り上げて商店街と一緒に盛り上げていけば、地域の活性化に結び付くとおもいますね。それにトキワ荘、池袋モンパルナスなど文化人の多いこの豊島区の隠れた魅力を議員の先生方に掘り起こしていただきたい。文化や庁舎などこれから豊島区について高野区長お話しください。

 高野 明けましておめでとうございます。いま各会派の幹事長、議長のお話にもあるように新庁舎の完成はまさに豊島区の歴史のなかでも大変大きなものです。いよいよ5月7日には開庁というところまで来ました。この間、本当に大きな難問を乗り越えながら来たわけで、それだけにこの新庁舎にかける期待というものが、区民の皆さまにとっても大変大きいのではないのでしょうか。木造密集地のなかで新しい庁舎をそこに造ることによって、その周辺の環境が大きく変わる、またマンション一体型の庁舎というのはおそらく全国で初めて。また345日土日かいちょうというのも他に例をみないでしょう。区民の皆さまに役立つようにと新しい形で考えております。そして建物全体が文化と環境と、それから防災というような区のシンボルとなるようなものをふんだんに取り入れた庁舎であります。庁舎全体が丸ごとミュージアムであるとか、10階の豊島の森は子供たちの環境学習の場となるなど環境に配慮、さらには防災面ではおそらく日本一の防災対策ができるような防災本部が庁舎に入ることになりますし、IT化にむけた最先端技術を取り入れた機能もつ新庁舎であり、区民の皆さまの待望久しき新庁舎、区民の皆さまの期待に応える新庁舎であります。これがやはり新年の最大事業であります。昨年を振り返りますと、いろいろ上がったり下がったり、豊島区の中心である池袋が人気ナンバー3に入ったり、また消滅可能性都市、危険ドラッグなど様々な問題がありました。そのつど議会、行政でいろいろな対応をとってきました。とくに区民の皆さまと一緒になって問題に取り組んでまいりました。ピンチをチャンスにするという、今年は豊島区にとってまさに新しくなる素晴らしい年ではないかと思っています。

 足立 高野区長の新しい豊島区を背負っていくという力強い意気込みを感じましたが、議員の先生方の応援がないと、またその後ろには区民がいますから皆が一緒になって進めば素晴らしい豊島区になるんじゃないか期待します。

 高野 さきほど地域のいろいろな問題に触れていただきましたが、豊島区区全体が活性化していくときがまさに来たと。豊島区70周年の時には文化芸術創造都市を目指してということでこれまでやってきましたが、その成果があらわれてきました。また80周年は安全安心なWHOの国際認証取得に区民全体で取り組んできた。それの積み重なってきたものが、いままさに6年後のオリンピックをひかえながら、この豊島区がどういう存在価値があるのか。オリンピックはスポーツだけでなく文化の祭典でもあるわけですから、そういう意味で、この文化行政をすすめ、安全安心でにぎわいのある街をつくっていきたい。これがまさに国際アートカルチャー都市として、豊島区の大きな目標、姿が見えてきたのではないかと思っております。こんな話題を中心にしながら新しい目標を持って進めていく。国際アートカルチャー、「国際」という言葉も、文化を中心に街づくりをしていくんだという、今まで積み上げてきたことのなかでけして違和感がないところまできました。文化の祭典にと仕組んでいくんだというのも今年の大きな特徴ではないかと思っております。これらについても区民のご理解を充分にいただいてすすめていきたい。行政は福祉、教育などをしっかりやってその上にそういうものを目標にして地域づくりを進めてゆく、豊島区にとって今年は大きな節目で、都市の将来像をつくってゆく大切な年であります。

 里中 自民党豊島区議団としては、いま区長が抱えております、国際アートカルチャー構想については大賛成でございます。私どももこれをしっかり推進していかなければならないと考えております。WHОのセーフコミュニティ国際認証を取るにあたりましても、とりあえず最初にはわかりにくい部分がたくさんありました。昨年も分りにくいという意見がありましたが、これからこの構想が進んでいくことによって豊島区民にとって明るい展望が見えてくると思います。アートとカルチャーで豊島区をさらに盛り上げていくということについては私も大賛成。区民の皆さんにもこれについていろいろなところでお話を聞いて戴いてぜひ豊島区全体で盛り上げていただいてさらに発展する街にしていきたいと考えております。

 渡辺 さきほどから新庁舎の問題が語られておりました。私どもはこうした形での新庁舎の建設は反対の立場をとらせてまいりましたけれども、今後建物が出来て、ここをどう区民にとって使いやすくするかが問われていると思います。土日開庁といわれておりますが、働く人たちの労働条件が確保されているのか。本当の意味での区民サービスを低下させないというのを課題としてみてゆかなければならないと考えております。同時に直近の方からは建物的に圧迫感を感じているという声もあります。全体的に環境に優しいかもしれませんが、近隣の人たちが今後、庁舎ができたことによって負担を感じることのないように見てゆかなければと思っております。あわせて私は区政というのは区民の生活実態に合わせて焦点をあてることだと思っておりますので、昨年行われました区民アンケートでも厳しい実態があらわれておりますように、たとえば保険料をさげてほしい、利用しやすい施設が欲しい、また住宅の問題など課題はたくさんあります。雑司が谷地区は歴史と文化あるれたところですが、住み続けられなくて転居せざるおえないという実態もあるということもあります。区政運営では区民の皆さまの切実な思いをしっかりと受け止めながら進めてゆきたいという立場で今年も頑張りたい。

 島村 高野区長から国際アートカルチャー都市のお話がありました。文化を基調にした街づくりというのが非常に重要なことだと考えており、ずっと以前から文化を基軸とした活性化について主張させていただいてきました。ただこれを具体的にどのようにやっていくかが問題であるわけで、池袋という豊島区の顔をしっかりと引き立たせていくことが第一に必要なんですが、次に各地域の様々な魅力をアピールしていく。そのためには今知られていないけれども地域でさまざまな活動を行っている方々の意見をしっかりと聞いていく姿勢が求められていると思います。消滅可能性都市の緊急対策でとしま100人女子会というのが行われました。それをまとめた冊子を拝見させていただきましたが、私たち議員が日ごろ議会で発している内容とほとんど同じでありました。現場で暮らしていて日頃感じていることがたくさんあるわけで、それをどう聞き取っていくのかが大切だと思っております。今後も軸足を現場に置きながらやっていきたいと思っておりますので、よろしくお願い致します。

 消滅可能性都市からの脱却ということを考えますと、子育て施策のさらに充実させることが重要と思います。私自身が子育て世代真っ最中ですので、そんななかでいろいろなおはなしをうかがうこともあります。待機児童もおりますので、現実に入所に対する指数が20点の方が全員入所ができるまでは保育園の早急な整備が必要ではないかと。また方区縁に通わせない方もいるわけですからその方たちの公平性というのもあわせて考えていかないといけないだろうと思います。

 永野 豊島区の未来は子どもたちだと思っております。子どもたちの施策をしっかりと進めてゆきたい。消滅可能性都市の対策も豊島区は逃げずに取り組んできたと思います。ただ方向性としてちょっと違うんじゃないかというところがありましたので、そのときには厳しい意見も申しあげましたけれども区長の取り組みには賞賛申しあげます。子どもたちの未来と女性にも優しい、子育てしやすい、ずっと働き続けられる豊島区であるように議会として頑張ってゆきたい。  本橋 皆さん所属政党の色合いが出ているお話でしたね。こんなお話を続けてゆきたい思いですが、こういった議論を豊島区議会としてしっかりできる場と環境を議長としてつくっていきたいと思いました。そしてまた、ことが区民の安全、夢とか希望、誇りにかかわるような事柄に関しては各会派が議会として団結して臨んでいく。たとえば昨年、危険ドラッグ撲滅条例を全会一致で可決成立させていただきました。その前段階としての区民集会、大勢の区民、議員、各種団体の皆さまが参加してくださって池袋西口で大々的に開催することが出来ました。あるときはしっかりまとまって、区民のために何をなすべきか議会としても話し合い、そして取り組んでまいりたいと思います。

 2015年の新春座談会、初めての試みで議会各会派の幹事長に新年の抱負を聞きながら、私は本当にこれからの豊島区は夢と希望で素晴らしい街になっていくと感じました。お話に出ませんでしたけど、クールジャパンといわれるアニメ文化が、この池袋を中心に熱を帯びている。アニメの聖地といわれるまでに広がりを見せている。街に若い人が溢れています。アニメ、一つとってもこの豊島区、池袋は大きく変わってくるんじゃないかと思います。そういう新しい時代に乗っていけるような、そしてそれをさらに推進していけるような豊島区であり、池袋を中心とした街づくりを展開していきます。希望に満ちた素晴らしい街になるように力をあわせてやっていきたいと思っております。

 足立 ありがとうございました。住宅、子育てなど安心して住むことが出来る豊島区であってほしいですね。

 高野 女性にとって子育てのしやすい街をどうつくっていくか、またリノベーションという手法を使って区内の空き家空き部屋をどう活用していくかなど若い人たちが住む環境づくりも大きなテーマです。そんななかで国際アートカルチャー都市という推進力が生まれてきたわけです。

 足立 2015年の皆様の活躍と、またその活躍によって豊島区が輝かしい年となるよう期待して座談会を終ります。ありがとうございました。


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