雑司が谷、ユネスコ登録 谷中、神楽坂とならぶ未来遺産
豊島区が誇る歴史と文化の街、雑司が谷で進められている「『雑司が谷がやがや』プロジェクト 歴史と文化のまちづくり」が日本ユネスコ協会の「第6回プロジェクト未来遺産2014」に登録されることになった。
これまで全国で49か所が登録されているが、都内では谷中、神楽坂に次ぐもので地元はじめこの運動を進めてきた雑司が谷歴史と文化のまちづくり懇談会(座長・高野之夫豊島区長)、なかでも中心となって活躍した、としまユネスコ協会(平井憲太郎会長)の喜びひとしおである。
「プロジェクト未来遺産」とは、100年後の子どもたちに長い歴史と伝統のもとで豊かに培われてきた地域の文化・自然遺産を伝えるための運動を応援するもの。
同懇談会は、すすきみみずく保存会、雑司が谷七福神の会、としま案内人雑司ヶ谷などの地域の団体と協力し、「私たちのまち・雑司が谷のすばらしい自然と文化を100年後の子どもたちに残そう」と登録に向けて取り組んできた。
登録発表報告会があった12月18日、たくさんの地元関係者らが集まったみみずく会館に日本ユネスコ協会より登録決定の電話が入ると、喜びの声が上がるとともに、高野区長、三田教育長、法明寺の近江住職、齊木観光協会長、平井としまユネスコ協会長らによってくす玉が割られ、一同で喜びを分かち合った。
雑司が谷地域は、東京のターミナル駅・池袋のすぐ近くに位置するものの、雑司ヶ谷霊園、法明寺、鬼子母神などの伝統的な文化・自然が残っている。また伝統行事である「鬼子母神・御会式」の伝承、地域の文化の発信拠点となる「雑司が谷案内処」の設置・運営、伝統工芸品「すすきみみずく」の製作ワークショップなど地域住民が主体となって、自治体や学校との強い連携のもと、江戸の風情を残す雑司が谷の自然・文化を継承したまちづくりを推進している。
このような地域の取り組みが評価され、全国の応募の中から、登録が決定した3団体の一つに選ばれた。これまで毎年9から10団体が登録されており、今回は厳しい審議を経ての登録決定だった。
会場には、地元の南池袋小学校の児童も訪れており、6年生の児童は「すすきみみずく保存会の方に伝統工芸品『すすきみみずく』の製作を教えてもらい、作れるようになった。将来は保存会の一員となり『すすきみみずく』を伝承していきたい」と喜びを語った。
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