池袋のポテンシャル引出す 7つの劇場で賑わい創出 現庁舎跡地の開発事業者決定 借地権料は191億円
資産活用と賑わい創出のため新庁舎建設と一体となって進められている現庁舎跡地開発の事業者(優先交渉権者)が決定、3月20日の区長月例記者会見で提案内容とともに発表された。
決定にあたって高野区長は「池袋の個性を大切にし、文化が持つ可能性をさらに引き出すとともに、オフィスによる副都心再生もはかるという非常に素晴らしい提案であり、池袋という街が持つ、多様なポテンシャルを最大限に引き出すプロジェクトになるものと確信しております」とコメントしている。
事業者は東京建物㈱を代表とする㈱サンケイビル、鹿島建設㈱のグループ。解体・建築機関を含めた借地期間は76年6か月で、地代は191億円(一括前払い)。建物は本庁舎跡地に30階のオフィス・商業ビル(平成32年3月竣工)、分庁舎・公会堂跡地に7階建ての新ホール・商業ビル(平成31年3月竣工)となっている。
開発コンセプトは「誰もが輝く劇場都市」と、高野区政が進める国際アートカルチャー都市構想とも合致。最大の特徴は、エリア内にシネマコンプレックス(大手シネコン運営会社による9スクリーン、約1600席の本格シネコン)、ポカロ劇場(ボーカロイドをはじめとする多様な最先端アートカルチャーイベントの実施が可能な常設劇場)、パークプラザ(階段状の劇場空間。日常的にイベントを実施することで、公園に対して常ににぎわいを創出)、カンファレンスホール(講演会やワークショップなどの実施可能なカンファレンスホール)、新ホール(文化創造都市のシンボルとなる客席数1300席の多目的ホール)、新区民センターホール(幅広い区民文化活動に利用できる約500席の平土間の多目的ホール)という7つの劇場が整備されるところで、賑わい創出にあたってはフジサンケイグループ各社と連携しグループ一体となったバックアップが期待できるという。新ホール、新区民センターホールについては完成後に豊島区が約50億円で購入することになっている。
これによって年間650万人の集客(7つの劇場とその他の賑わい施設で300万人、オフィスで350万人)、270億円の経済波及効果を見込んでいる。
事業者決定は昨年3月にプロポーザル実施要領が公表されてすすめられてきたが、6グループが今年1月に提案書提出、2月プレゼンテーションを経て今回の決定に至った。決定にあたっては資産活用(新庁舎建設床収得費用141億円の捻出のため)と地元からの強い要望である周辺地域の将来に向けた賑わい創造をポイント化、今回の提案が一番良かったというビッグニュースではあるが、ことは豊島区、池袋の100年を左右する決定、豊島区有地は区民の財産であるだけに、決定にかかわった現庁舎地活用事業者審査委員会のメンバーや審査内容等、また、ほかのプロポーザル参加グループ、提案内容など具体的なものが決定後も議会、区民にいっさい発表されないというのは惜しい。他社の池袋発展提案を見てみたかったような。
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